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C57135の加工

C57

2009.2.1

マイクロエースのC57135です。他と同様のプロポーション改造を行い、身近にいた現役末期の姿をイメージして少し加工してみました。


側面の加工要領

実物が走り回っていた姿はしばしば見たり、実際に列車に乗ったりしていましたが、普通の存在だったため写真も撮っていません。よって、また粘土細工のように見た目だけで削る量を決めています。保存機は細部の観察には恵まれていますが、極端なパースなしに全体を眺めることは難しいので、プロポーションを決める参考にはしていません。

加工前側面
  1. あらかじめ動力ユニットを上から削り、モーターを小型のBトレ用に交換しておきました。
  2. シリンダーを上から削り、車高を全体に1.5mm下げます。
  3. ランボードを切り離し、ボイラーを下から0.8mm切り上げます。火室下部はランボード下から切り離し、上部を少し切り詰めます。
  4. キャブは裾をカットして切り詰め、窓には下側に厚さ0.5mmプラバンを貼って上方に狭めます。
  5. テンダーは床板を切り離し、水槽の下部をわずかに切り詰めて下げます。
加工後側面 加工の終わった様子です。スノープローは切り離しましたが、交換用の適当なものがなく、昨年のワールド工芸のC62 2キットに付属していたものをとりあえず付けてあります。
火の粉止めのせいで煙突がかなり長く見えますが、実物もそんな感じに見えたのでこのままとしました。

ドームは重油タンクの外された後とするため、後ろを少し削りました。しかし実物はもっとドームが短いか、もしくは高く見えました。遠目にはC55のドームと同じようなフォルムでした。これ以上切り詰めると上部の丸みも削る必要があり、また裾のほうはもう穴が開きかけているためここで止めました。

個人的には、切り詰めデフで密閉キャブのC57は、標準デフ+開放キャブの原形に比べ、あまりバランスがよくなかったなと思います。

前面の加工要領

いくつかの理由で前面は捨て気味ですが、一定の努力とつじつま合わせはしておきます。ボイラーの太さはあきらめ、煙室扉パーツの角を少し落として後ろに引っ込めました。

加工前 加工後
  1. デフ上部を切り取ります。
  2. 煙室前面は切り離し、ボイラー前端を削って後ろに下げます。ライト後端もカットします。煙室の下側はデッキに少し潜り込むようにします。
  3. 煙室扉上部の手すりは切り取り、プラ小辺で短い足を作って接着します。
  4. デッキを切り離し、給水温め器とデフを下から少し削って付け直します。ただ太いボイラーのほうも下がっているため、やりすぎるとかえって変になります。
  5. デッキの傾斜がゆるやかに見えるように、傾斜部のスジ彫りをやり直して裏側を少し削ります。それからデフ前端を切り詰めます。
  6. つかみ棒は後方に移動し、端梁には真鍮線で北海道型の前面手すりを付けます。

ナンバープレートは銀河モデル製です。全体がこの大きさになると、バランス的に少し大きいと思いますが、それほど微妙な大きさのものが手元にないので今はガマンです。

加工のようす


[1] 動力部はあとで削り足すのは面倒なので、少し多めに削りました。モーターはBトレ用を使ってみました。もとのモーターを使うときはボイラー後部に穴を開けます。改造完了後に残った隙間を補重しました。

[2] 煙室とキャブを取り、主な部品を外します。写真では発電機や逆止弁が残っていますが、結局全部取りました。タービン発電機は、取り付けのときに逆向きにしました。

[3] ランボードをカットし、ボイラー下端を0.5〜0.8mm削ってから付け直します。接着はゴム系をまず使い、バランスをよくよくチェックしてから、最後に瞬間接着剤を少しずつ使って固めていきます。

[4] 煙室周辺のパーツをバラバラに切り離します。先にデフ上端のステーを切り取ります。煙室扉とデッキの切り離しは裏側からナイフを入れます。

[5] 全体を動力にかぶせてバランスを見ます。このあとキャブの裾の切り上げや、上下位置の調整があるためです。

[6] キャブは裾をカットし、窓の下端に0.5mmプラ板を重ねて狭めます。テンダーの高さはこれに合わせて決めます。裾の縁取りはキャブの大きさと高さが完全に決まってから入れます。

[7] 最初に外したパーツを取り付けます。なるべく元の模型を生かそうとしていますが、現役機で特に目立っていたコンプレッサーの吸気管は0.5mm真鍮線で追加しました(調圧器は省略)。加工ポリシー的なバランスを取るため、反対側の給水ポンプ吸気管も0.3mm線で取り付けました。

[8] キャブ側板にはモーター隠しの人形を接着しました。キャブ後方にもモーター隠しの簡単な壁を作ってあります。

塗装はせず、黒以外の部分に筆塗りを加えただけです。たとえばキャブ側面のもとのプレートなども線が見えたまま残してあります。ドーム後端も切りっぱなしでプラの地のままです。全体を整えて塗るのが面倒だったためで、この場合、中途半端に部分的な隙間埋めを行なうと、かえって変に目立つことがあるからです。実力相応にしました。

製品の車体はよそ行きの時の塗装印刷になっていますので、現役時の作業服に着せ替えました。白線とロッドの赤などを全部塗りつぶします。空気作用管の銅と各部の印刷表記は、製品ほどには自分の目に飛び込んでこなかった部分なので、弱い表現にしました。

完成

加工後 加工後
加工前 加工前
GIFアニメ

編成をロングビューで見て不自然になれば、この加工は失敗ですが、一応収まってはいるようです。オハ61(62)系とオハ35系を中心に、少々のスハ32などを混ぜると、現役末期の感じが出ます。写真はKATOのオハ35です。スハ32はMODEMOから、オハ61(62)はトミックスとマイクロエースから発売されています。それぞれGM等のキットもあります。

C57+オハ35
C57+オハ35

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