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C58の組み立て(やえもんデザイン) その2

結構、一手順ずつ緊張しながら組み立てております。
コンピューターのプログラムと違って、アンドゥ機能ひとつで元に戻すわけにはいきません。
(まるで無限にアンドゥできるプログラムがありますが、あれは全部記憶しているのでしょうか…でもどこに?)

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外観工作

ボイラー上の部品1

このへんの流れはいつも大体同じなので、大雑把に書きました。

ロストパーツを中心に、数字の順番どおりに固定しました。ここは、あまり順序は関係ありません。

  1. 煙突です。今回は裾のカーブがボイラーのカーブとほぼぴったりで、きれいに付きました。
  2. ドームにはあらかじめ汽笛を付けてからボイラーに固定しました。裾のカーブもボイラーとぴったりでした。 後ろには重油タンクが付くので少し削り取りました。
  3. タービン発電機は小型のものが付いています。ATS仕様なので向こう側にはATS発電機もあります。
ボイラー上の部品2

配管には順番の考慮が必要です。個体差があります。

  1. 砂撒管。説明書には特に記載がありませんが、ワールド工芸方式です。0.3mm線を曲げて、上端はドームの小穴に差し込み固定しました。
  2. コンプレッサー配管。途中に付く調圧器が付属していますが、ちょっと接続が面倒だったので省略しました。
  3. 空気作用管は砂撒管・コンプレッサー蒸気管の上に重ねました。ただし上部の枝管は、砂撒管の下を通しました。
  4. 配管カバーは、取り付け穴をランボードの裏側から開けておきます。
  5. ハンドレール。
  6. 加減弁ロッドは重油タンクの外側としました。重油タンクの形状によってはタンクの内側を通っています。
  7. 集煙装置と動力の間は、0.25mm線でつなぎました。集煙装置側は先を少し下に曲げて重ね、ベタ付けしています。
ボイラー上の部品3

もう、写真がごちゃごちゃ(笑)。

  1. 送水管はカバーの外に見える部分のみ付けました。前端は6になります。並走している排気管は省略しました。
  2. こちら側のカバーは、途中で折れ曲がった格好をしています。よく観察されていますね。
  3. 通風管は0.3mm線で作りました。
  4. ポンプの給水管も0.3mmにしました。ボイラーの上部で通風管の上を乗り越えてから、キャブ側に曲げています。
  5. ハンドレール。
  6. 給水温め器に関係する各種の配管です。ひとつひとつの原寸大の参考図が説明書にあるので、真鍮線を曲げるのが楽で助かりました。
  7. 13. 重油タンクや発電機の配管を適当に追加。

真鍮線の配管類は、ワールド工芸のキットにたくさん付属している配管バンドで固定しました。薄手の真鍮帯材で、大変便利です。

煙室扉

煙室扉は枠と一体の真鍮ロストです。
上部の2箇所の手すりは、足と一体化したベリ銅ロスト?に変更され、取り付けが従来のキットよりもはるかに楽になりました。

フロント周辺1
  1. 煙室扉は外枠にデフの前方ステーを重ねる関係で、デフを付ける前に固定しました。
  2. 解放てこは今までと同じ、たぐり寄せ曲げ方式です。私は一度てこ受けを壊したことがあるので、ヒヤヒヤしながらやっています。
  3. 端梁を固定。
  4. エアホースを固定。端梁の裏側には届かないので、前からハンダ付けしました。

端梁に付ける標識灯やスノープローも付属しています。

フロント周辺
  1. 今回、後部ステーはデフとは別のパーツになっています。エッチング板のスペースの都合かと思います。本体への取り付け前に、デフにハンダ付けしました。
  2. デフはランナーから切り離す前に、裏側に折り曲げ用の溝を入れておきます。
    ランボードやデッキに密着するよう削り合わせて固定しました。
  3. 前部ステーは0.3mm線で後付けしました。

3. の前部ステーや6の排障器はまっすぐ取り付けるのが難しいです。何かいい方法はないでしょうか?

公式側 ランボード下
  1. 左右の火室下部を固定。
  2. モーターの搭載方法によっては、キャブ床板の削り加工が必要です。訳あって左右に分割し、片側ずつ取り付けました。
非公式側 ランボード下

写真を撮り忘れたので、塗装後の様子です。

  1. こちら側のキャブ床板も固定(分割してしまったので。ここで再度つなぎました)。
  2. チリコシは給水管(0.4mm)に差し込んで固定しており、火室側には差し込んでいません。

これで機関部は終わりです。

テンダー前部

今度は炭水車です。

1. はリード線を通すための大きめの穴です。
機炭間隔によっては、カーブで部品が接触するので、あまり立体的なディテールは付けませんでした。付属の水管締め弁などは取り付けておらず、8. の突起も短く削っています。

テンダー後部
  1. 2. ステップや手すりは、エンジン側のキットに付属していたリン青銅のパーツを使いました。
  2. テンダーライトは、エンジン側キットのほうに特別付録として付属していました。おそらく、どのタイプのテンダーライトが付くかは、エンジン側の仕様によって決まるからなのでしょう。

なお船底型テンダーキットのほうには、上端が段付きのものとストレートのものと2種があり(品番は同じ)、ユーザーがどのエンジンキットを一緒に買うかによって、内容が変わる販売システムになっています。

テンダー底部

1.の増炭枠は余っていたエッチング板の残りから、2.のATS配管は0.3mm真鍮線から作りました。ATS車上子は今のところ付けていません。台車間隔が狭いこともあり、何か面倒だったんですワ…。

テンダー上部

いつもと同じ構成です。1.の板は本当は下側に一段折り下げるのですが、上に石炭を置くこともあり、平らのままにしました。裏の折り溝にはハンダを流し、前端は少々削りました。

上下組み合わせ調整

上下の組み合わせ
  1. テンダー台車の前の角を少し削り、ステップと干渉しないようにしました。
  2. シリンダーブロックは車幅から少しはみ出していたので、若干削って引っ込めてみました。
  3. しかし、バルブギヤまで内側に寄ると動きが悪くなるので、シリンダーの穴の位置などを調整。
  4. シリンダーの内側を削り、先輪が当たりにくいようにしました。
動力部

あとは塗装して完成です。

素組み終了時の動力ユニットはこんな感じになりました。

モーター取り付け方法変更

もう0.5mmほど車高を下げたいと思いましたので、モーターの取り付け方法を少し変更しました。本当はあまりやりたくない方法ですが、他に思いつかなかったのでやむを得ません。

アリイのプラ模型

何となく昨年のこれを思い出していました…。

動力ブロックの切削

ここまで、モーターはシャフトが一直線になるような高さで支えています。
そのままモーターを水平に下げると、シャフトが食い違って動きが悪くなるので、シリコンチューブのジョイント中央付近で角度を付けて、モーターを斜めに下げることにしました。 そのため床板を斜めに削りました。ジョイントの長さも十分取ってやりたいところです。

ある程度のジョイント長があれば、シャフトが段違いになっても実用上は問題ないことがあるかもしれません。もし試した方がいらっしゃいましたら教えてください。

モーター取り付け変更

加工を終えたものです。

うまく走るようになるまで、モーターの高さや角度、ジョイントの長さなどを調整しました。2つのシャフトの交点がジョイントの中央付近に来なくてはいけません。スムーズに走るポイントが結構シビアで、少しでもずれると動きが悪くなります。

前の図を見ていて、単にモーターをまっすぐ後退させてキャブ内に退避させれば、それで目的が達成されるような気もしてきました。端子類は若干キャブの後ろに出るかもしれませんが、伝達としては素直です。

完成

完成しました。ちょっと夜更かしもして、のべ35時間ぐらいかかりました。

●YC58-3 C58後藤タイプ/YC58-T1 C58一次型テンダー

標準デフで組み立てたので、鷹取タイプ(集煙装置)と呼ぶほうが合っているかもしれません。

C58後藤タイプ 完成

C58後藤タイプ 完成

C58後藤タイプ 完成

若干歪んでしまいましたが、まあなんとか。
石炭はトミックスのC57のパーツで、後部のライト部分にあった切り欠きのみ、石炭の粒を追加しています。
ひん曲げモーターも調整さえ終われば意外に大丈夫で、静かに走っています。

あれこれ

KATO KATO
種車のKATO製品です。
現行の新D51より長いですが、すらりとしてスピード感のあるデザイン。
やえもんデザイン やえもんデザイン
今回のキット。使用したKATO製品は銀車輪の旧製品です。動輪の丸穴はあらかじめ開けておきました。
ワールド工芸 ワールド工芸
これは船底テンダーのタイプです。テンダードライブ方式です。
やえもんデザインとワールド工芸 上がワールド工芸、下がやえもんデザインです。
エンジン部はやえもんデザインのほうが1〜2mm長いのですが、全長はほぼ同じになりました。全長はドローバーのあたりをどう処理するかによって変わるので、これは偶然です。

モーター交換が必須ということで、今までのやえもんデザインのキットよりは手間がかかるものですが、こんな風に種車が変身するのは面白いですね。
いくつも作ろうとすれば、なかなか大変かと思いますが…。


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