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C59の組み立て(やえもんデザイン)

C59

2012.11.7

2012年4月、D52・C61と一緒に発売されました。
D52→C61→C59の順に組んだので、この記事もD52のコピーのコピーです。
最近キット組み立てを終えると、体力的にこたえることが増えてきたので、今回はとにかく楽に組むように心がけました。

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キャブの組み立て

キャブ妻板の筋彫り

妻板の左右には後退角がつきます。はじめに、表になる板の裏側にPカッターで筋を彫っておきます。

穴の開け直し

妻板には加減弁ロッドを通す穴が開いていますが、位置が少し低いので、正しい位置に開け直すためのテンプレートシールが付いています。
妻板を折り曲げたあとに気づきました。

床板

妻板の後退角を決めるため、先に床板を折り曲げて組みました。これに合わせてキャブの形を作りました。

キャブ妻板

前後の妻板を2つ折りにして貼り合わせ、前方には丸みをつけたキャブひさしを差し込んで固定しました。

前部妻板の裏側から、必要な配管用の穴をあらかじめ開けておきます。

キャブ前方
  1. キャブ側板をぴったり合わせ、裏のハンダ穴からハンダを流して固定。
  2. 妻板を合わせて固定。合わせ目には丸みが付くので、外からヤスリがけして角を落とします。
  3. 天窓を固定。
  4. 天窓のレールを屋根の下側から差し込み、先端を突き合わせてを固定。キャブ屋根と接する部分も裏からきちんとハンダを流さないと、あとで取れてしまうことがあります。
  5. 暖房安全弁を固定。
  6. 信号炎管を固定。
  7. 逆転器カバーを固定。
床板を利用して形を合わせる

キャブ妻板に床板を合わせながら形を決めています。しかし、床板はまだここでは固定していません。

キャブ後方
  1. 後部ひさしのフチをハンダ付け。
  2. 後部妻板をはめ込んで固定。
  3. 左右の手すりを2本ずつ固定。

ランボードとボイラー

ランボード
  1. ランボードは所定の形に折り曲げます。網目部分は外側に折り返して、裏のハンダ穴等からハンダを流します。
    水平部が直線になるよう特に注意します。屈曲部をはさんで、前後の水平部の高さが食い違いやすいので注意します。
  2. コンプレッサー、給水ポンプの取り付け部を直角に起こし、付け根にしっかりハンダを流して補強します。十分補強しないと、あとで取れやすいです。

  3. 屈曲部に網目板を貼り重ねます。
  4. 前方デッキ部の網目板を貼り重ねます。ステップ等の取り付け穴がずれないように重ねてハンダ付けします。
ボイラー組み合わせ

ボイラーの下辺が平行になっているのを確認してから、ランボード後方をまず引っ掛け、ボイラーの左右3箇所ずつの穴(3の矢印)にランボードの爪をはめ込んで固定します。
「キャブはまだ固定しない」などと書きましたが、着脱式にするときは別として、ここで固定してもまったく問題ありません。

  1. ボイラーの前端は閉じずにおいたほうが、最後のはめ込みが簡単でした。
  2. ランボードの後端のブリッジを、ボイラー後部のスリットに引っ掛けます。
  3. ランボードの左右3箇所ずつの爪を、ボイラーの穴にはめ込みます。うまく入らないときは無理せずに削り合わせます。

ランボードの後端側には爪がないので、ボイラーやキャブと合わせながらまっすぐ固定します。
恐らくボイラーのプレスの具合によって、後方にも爪を設置すると、かえってまっすぐ付きにくいのだろうと思います。作例ではどうしても後部のランボードが上がり気味になって、ボイラーを変形させたりして調整しました。

ランボード前方
  1. 傾斜部の上部のステップを固定。
  2. 傾斜部のステップのうち、下側のステップを固定。これは小さいロストパーツなのですが、うまく付かずに何度も失敗し、どうしようもなくなったので別なリン青銅板で作り直しました。
    なおこの部品は、「接着剤での取付けをお薦めします」とあります。
  3. 給水温め器のカバーを折り曲げて組み立て。
    テールライト2個と両側面の給水温め器のふたを固定してから、デッキに固定しました。

小さな部品は一瞬で付けないとヤケドしそうですが、そんなときに限ってうまく付きません。部品もピカピカ、フラックスもちゃんとついてコテも当たっているはずなのに…。心の中で「付いて、付いて〜!」と祈っても、ハンダのマニトウは来てくれません。

各種パーツの取り付け・配管

ボイラー上パーツ
  1. 煙突を固定。ボイラーの曲面と合わせるため、下側の足を切り取り、半丸ヤスリで削りました。
  2. ドームもボイラーと削り合わせ、左右の砂撒き管や上部のフタなど、ドームに付くパーツを先に全部ハンダ付けしてからボイラーに取り付けました。
  3. 砂撒き管はランボードの穴に差し込んで固定しました。
  4. 安全弁の台座を固定。
  5. 加減弁のクランクをドームとボイラーに固定。
ボイラー公式側パーツ(1)

煙室周辺の細かいロストパーツや、ボイラー側面のステップもここで付けておきました。
大体番号順に付けました。反対側にも対応する部品を取り付けます。

ボイラー非公式側パーツ(1)

非公式側も同様に部品を取り付けました。

  1. 通風管は煙室部分のみ0.3mm真鍮線で作りました。
  2. ランボード上は、送水管1本のみ0.4mm真鍮線で作りました。
  3. 逆止弁を固定。
ボイラー非公式側パーツ(2)

番号順にロストパーツ等を固定。
清管剤箱は隣のオイルポンプ箱とぶつかる部分を削りましたが、なぜかそれを逆向きに取り付け。すぐ気が付いて直しました。

キャブ床の取り付け板

ここでキャブを取り付けました。

  1. ランボード後部の仮ブリッジをカット。
  2. バックプレートの下部を説明書に従って少し削ってからボイラーに取り付けました。
  3. キャブをボイラーの3箇所の穴にはめ込んで固定。どこかがいつも傾いているようで気になります。
  4. 床板を固定。
  5. 火室下部を重ね合わせて固定。
  6. キャブ床板の仮ブリッジをカット。

と書いていますが、実は4の床板の前に5の火室下部を付けてしまい、先に床板の仮ブリッジをカットしないと付けられなくなっていました。

ボイラー公式側パーツ(2)

残りの配管を取り付けました。楽に作るため、0.3mm真鍮線で表現できる数本だけにしました。

  1. 給水ポンプ蒸気管を固定。
  2. タービン発電機の排気管と消音機を固定。消音機はいつもより細く作るため(配管を減らしたのでシルエットをすっきりさせたかった)、1mm真鍮パイプを通してからヤットコでつぶし、余分をカットしました。
  3. ATS発電機の排気管を固定。
  4. 付属のハンドレールを固定。
ボイラー公式側パーツ(2)
  1. 空気作用管をボイラーにぴったり重ね、要所のボイラーバンド位置で固定。
  2. ドーム前ステップを固定。この付近まで空気作用管の上部の枝が来るので、空気作用管を取り付けてから付けました。
  3. コンプレッサーの配管を0.3mm真鍮線で適当に作り、ランボードに穴を開けて取り付けました。
  4. 小型オイルポンプ箱を固定。
  5. 逆転機ロッドを折り重ねて(180度の谷折り)貼り合わせ、固定。
ボイラー公式側パーツ(3)
  1. 加減弁ロッドを0.3mm真鍮線で取り付け。本当は前後2分割になりますが、先に作ったD52やC61では製作中に取れやすかったので、今度は1本の0.3mm真鍮線を曲げてハンダ付けするだけにしました。しっかり付きますし、ずっと楽でした。
  2. ハンドレールを固定。

煙室まわり

煙室周辺
  1. 煙室扉パーツをいつものように組み立て、ボイラーに固定。
     1-1 煙室扉の蝶番を固定。
     1-2 ハンドレールノブに0.3mm真鍮線を通し、煙室枠に固定。
     1-3 ヘッドライトを固定。
     1-4 煙室扉ハンドルを固定。扉は開閉式ですが、私は閉状態で固定しました。
       (開状態で固定する人はいないと思いますが)
  2. 端梁に0.25mm線を差し込み、ヤットコで手繰り寄せるように曲げて解放テコを製作。注意してやらないと、テコ受けがちぎれてしまうことがあります。
  3. 端梁を前デッキに固定。前から見て傾かないように、また左右にずれないようにします。
  4. デフを固定。修正パーツ(点検口なし)を使いました。

キャブ下・ランボード下のパーツ

キャブ下
  1. ハシゴをキャブ床に取り付け。ハシゴは取り付けしろの広い、銀河モデルのパーツを使いました。内側に0.3mm真鍮線を斜めに付けて補強しました。
  2. 配管ブロックを固定。
  3. 三方コックを固定。

このほか動力火格子のシリンダーも付属していますが、付けませんでした。

この先は、実際に動力にかぶせてみて、当たる場所を確認しながら進めました。

スペーサーの取り付け

C57の動力ユニットに、高さ調整のスペーサーを付けました。

  1. C59のランボードはC57より0.5mm高いので、プラ板でかさ上げしました。シリンダーブロックもモーションプレートもC57のまま、まったくの未加工です。
  2. 後部には0.3mmプラ板を張り重ね、高さ調整と絶縁を兼ねました。この板の厚さは、バックプレート側の削り具合と関係して変わります。
ボイラー側の加工
  1. 煙室下部が、動力部の傾斜部に当たるので削り取りました。
  2. シリンダー部分のボイラー下部が動力に当たって車体が浮くため、ここも削りました。
  3. バックプレート下部は削りが足りず、機関車が水平にならなかったので、削り足しました。
公式側ランボード下
  1. コンプレッサーを取り付け。
  2. ブレーキ配管を1本だけ0.3mm真鍮線で追加。
  3. 調圧器付き配管を固定。
  4. ドロダメを固定。C59の場合、下側はカットしなくても大丈夫です。
  5. エアータンクと空気放熱管を固定。
非公式側火室下部
  1. 給水ポンプを取り付け。
  2. 給水ポンプから前方に伸びる送水管を0.4mm真鍮線で追加。
  3. チリコシを固定。
  4. 0.4mm真鍮線の給水管をチリコシに通して曲げ、前端を給水ポンプに固定。後ろ側は適当に曲げ、三方コックを利用して固定しました。さらに後端はハシゴの先端に重ねて補強しました。
  5. エアータンクと空気放熱管を固定。どう見てもタンクが逆さまです。まあいいや(笑)。
  6. オイルポンプ箱を固定。
端梁周辺
  1. 左右一体となっているステップを固定。前後を逆にして少し後ろ寄せにしました。先輪とのクリアランスはぎりぎりです。
  2. エアーホースを取り付け。裏側からハンダ付けしたかったので、足の長い他社製を使いました。
エンジン側部材完了

これでエンジン側の真鍮部材の組み立ては終了です。


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