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D51の組み立て(やえもんデザイン)

2009.12.24

2009年末に発売された、「やえもんデザイン」のD51コンバージョンキットを組み立てましたので、このときの手順を書いてみました。
製作中の写真がなく(無心に作っていた)、組み立て後の写真を使い回していますのでご容赦ください。

※第2弾北海道タイプはこちらです。→D51北海道タイプの組み立て


基本的には付属の説明書のとおりに進めます。
ただし、D51をご存知の方にとって説明の必要がないような部品については、特に記されていないものもあります。

素組みでは番号や時代を固定したものではない、プレーンな形態になりますので、特定の機体にするときはあらかじめ資料を揃えて、別途パーツや材料を揃えておくと作業がスムーズにいきます。
実物のD51には本当に色々な姿があったので、適当に作ってもまったく構わないと個人的には思います。好きな形の模型にしたほうが楽しいでしょう。

●他に用意するもの

キャブの組み立て

キャブ1
  1. 妻板を模様が表になるように折り返して張り合わせます。ハンダ付けのときは合わせ目にフラックスを塗ってハンダを流します。
    上部・内側の突起は、キャブ本体やボイラーとの組み合わせに必要なので、残しておきます。
  2. 配管を追加するときは、妻板裏側のガイド穴を貫通させます(あとからでも開けられます)。 通風管、給水ポンプ、発電機を開けましたが、思うところあって給水ポンプしか使いませんでした。
  3. キャブ側板をぴったり重ね、裏の角穴からハンダまたは接着剤を流して張り合わせます。窓枠の後端は非常に細いので曲げないよう注意します。
  4. ひさしは切り離す前に、裏側の折り目となる部分にPカッターで折り線を入れておきます。
    ヤットコで軽く上部に丸みをつけてから、左右を先ほどの折線に沿って曲げ、キャブ妻板に固定します。
  5. 妻板の上部の突起を屋根前方の穴に差し込み、傾きのないように固定します。
キャブ2
  1. 天窓を固定します。上から見てまっすぐになるように、また前や横から見て水平になるようにします。
  2. 天窓のレールは1つのパーツを折り曲げ、屋根の裏側から差し込んで天窓の後ろに突き当てます。まず屋根裏側から固定し、突き当てた前方を固定しました。
  3. 暖房安全弁を屋根のカーブに合う向きに固定します。
  4. 信号炎管を固定します。
キャブ3
  1. 屋根後部のフチの中央の突起を、屋根後端の穴に差し込んで固定します。少しやりにくいかもしれません。
  2. (オプション)後妻も付属しているので、モーターを交換する場合などは取り付けることができます。
    指定の動力をそのまま使う場合は付けられません。
    後妻の左右をつないでいる上部の横棒はあとで切り取ってもよいですが、実物にもこのあたりに棒を渡しているものがあるので、残してもよいと思います。
  3. 非公式側の床板(A5)は、前方に三方コックの取り付け穴があるので、向きを間違えずに固定します。
  4. 公式側の床板(A6)は、後方に分配弁パーツの取り付け穴があります。
  5. 三方コックを取り付けます。
  6. 分配弁パーツを全体がまっすぐになるように注意して固定します。
  7. 左右の雨樋手すりは曲がりやすいので、最後に付けるよう指示があります。本当に機関車全体の最後に付けたほうがよいようです。 私はキャブの製作の最後に付けたので気合いを入れて温存しました。

後妻を付けたときは、手すりの取り付けの際に、合わせ目の差し込み穴を0.4mmくらいのドリルでさらっておきます。 このときドリルが折れて、残ったほうがキャブ屋根の表側を直撃してしまったのですが、じきに慣れて気にならなくなってしまいました(いつもそんな感じです)。

ランボードとボイラー

ワールド工芸のキットでは、最初に網目板を折り返して固定するよう指定されていますが、このキットでは最後になっています。ただ私はいくつか製作しましたが、最初にやっても特に問題はありませんでした。

ランボードの組み立て
  1. ランボードは、平らな状態で網目のあるほうを下にして(あとで折り返されて網目が上に出る)、前から順に角になる部分を折り曲げます。
    前方の傾斜と、コンプレッサー/給水ポンプの屈曲部は、付属のジグ(ゲージ)を当てて角度を決める参考にします。
  2. エアタンク取り付け部と、コンプレッサー/給水ポンプの取り付け部を、下側に直角に曲げます。
  3. 網目部分を表側に折り返してぴったり重ね、固定します。固定するには平らな台の上で、裏の角穴などにハンダや接着剤を流します。
    ここで、全体がまっすぐになるよう、ねじれがないよう一度調整します。
  4. 前方傾斜部の網目板を折り曲げ、重ねて固定します。このとき、あとで4つのステップが入り込む穴と、バネ箱を差し込む穴がずれてふさがらないようにします。
  5. 屈曲部の網目板を折り曲げて固定します。曲げ線の位置が難しいので、実際に折り曲げたランボードに合わせて見当をつけます。また、意外に固いので、ヤットコをしっかり押さえて曲げます。

このあとランボード外側に出た数箇所の折り目を軽くヤスリ取ります。最後にもう一度ランボード全体の曲がり・歪みを確認します。このあとの工作でも1工程ごとに最後まで確認します。

屈曲部の折り曲げ具合はかなり重要でした。角度の違いによって、ランボードの全長が左右それぞれ微妙に変わるのですが、このためにキャブがまっすぐ付かなくなることがあります。 前後に傾いたり、上から見て左右どちらかに曲がったりします。

ボイラーの組み合わせ
  1. 組み合わせの前に、ボイラーに煙室前部(Lw13)がぴったり合うか確かめます。もしボイラーの円周のほうが長いときは、前からボイラーの断面が見えてしまうので、下部の合わせ目を少し削ります。
  2. ランボードの内側にボイラー後部(火室)を挟み込むようにし、ランボードの一番後ろのブリッジを、ボイラー後部の切り欠きに引っ掛けます。
  3. ランボードの中間の3箇所のブリッジを、ボイラーの左右3箇所ずつの切り欠きに引っ掛けます。
    キャブも合わせてみて、ランボードの長さ(屈曲部の曲がり具合)を調整したら、ごく少量のハンダでランボードを仮付けします。ランボードがまっすぐか、左右で高さのずれがないかを確認し、ずれていたら付け直しします。
  4. キャブを仮付けし、前後左右からよく見て曲がり・傾きを修正します。いよいよOKと決心(妥協?)したら本付けします。

赤い部分の4箇所のブリッジは、動力をはめ込む前に切り取ります。

各種パーツの取り付け・配管

他のパーツの取り付けのベースとなる大きな部品や、重ね合わせの関係で下側にくる部品から順に取り付けます。

パーツ取り付け1
  1. バネ箱は模様が表に来るように折り曲げて組み立てます。上部の網目板の前端は少し上に曲げます。デッキ傾斜部に差し込んで固定します。
  2. 給水温め器を固定します。前から見てまっすぐになるようにします。向かって左側にちょっとずれた感じになりますが、それでOKです(実物も)。
  3. 煙突は、下側のカーブがボイラーのカーブに一致するように、ヤスリで調整して固定します。
  4. ドームは煙突・キャブと一直線に揃うよう、前後から良く見て位置を決めます。左右にずれていたらボイラーの穴を少し削ります。フタはドーム上部に固定します。
  5. 砂撒管(6本)は、ドーム脇の取り付け穴を少し丸ヤスリでさらって差し込みます。下側はボイラーとランボードの間の切り欠きに通して固定します。
    あとで上側にハンドレールが付くので、その部分は浮き過ぎないようにします。また空気作用管を付けるときは、作用管の一部が下をくぐることがあるので、その部分の砂撒管を少し浮かせておかないとあとで困ります。
    ボイラーとランボードの境目に付属の配管カバーを付けるときは、砂撒き管を逃がす必要もあるので、取り付け順を考えます。

パーツ取り付け2
  1. 逆転機ボックスをランボードに差し込み固定します。
  2. 逆転機レバーは折り返して重ねます。模様のついているほうが表になるので、折れ筋を内側にして180度折り曲げることになります。つなぎ目はヤスリ取りました。
    下部の取り付け足は90度ボイラー側に曲げて、上から見て逆転レバーが一直線になるような深さで固定します。前端はランボードの角穴に通し、後端は逆転機ボックスにつなぎます。
  3. 小型オイルポンプ箱をここに付けるときは、ランボード裏側のガイド穴からドリルで開口して取り付けます。小型オイルポンプ箱の有無や位置は色々あります。
  4. 安全弁の台座をしっかり固定して裏側を平らにします。
  5. タービン発電機、ATS発電機を取り付け、裏側を平らにします。このあたりは内部に動力の後部が隙間なくはまります。
  6. 加減弁ロッドは2つのパーツを組み合わせて取り付けます。

パーツ取り付け3
  1. ドーム足場とステップ(片側各3箇所)を取り付けます。
  2. 2又ユニオンをボイラーに固定し、真鍮線で給水温め器とつなぎます。
  3. 汽笛を取り付けます。地金の色を生かすときは塗装後に接着します。
  4. 清缶剤挿入装置はランボードの穴に差し込んで固定します。小型オイルポンプ箱はこの前方にも付けられるよう下穴があります。
  5. 配管カバーを固定し、その後ろに逆止弁の配管が突き当たるように長さを調整して、逆止弁を固定します。
  6. 給水ポンプを内側に傾かないように固定します。
  7. 送水管は0.4mm真鍮線で説明書のとおりに曲げて作り、ランボード屈曲部の内側から前方に差し込みます。
  8. チリコシは、配管の真鍮線が差し込めることを確認して固定します。
  9. 真鍮線で給水ポンプ、チリコシを結んで給水管を作ります。後端はあとで従台車に当たらぬよう切り詰めます。
  10. 前デッキにステップ(4箇所)を取り付けます。

パーツ取り付け4
  1. 公式側の配管カバー(Lw17)を付けます。
  2. 煙室横に反射板ハンドルを付けます。

パーツ取り付け5
  1. 複式コンプレッサーを内側に傾かないように固定します。
  2. ドロダメを固定します。下側は従台車に当たらないよう、あとで切るか曲げます。
  3. 調圧器配管を取り付けます。私は適当に後部ランボードに沿わせて、そこをハンダ付けしているだけです。
  4. 空気作用管を取り付ける場合、塗装後に貼り付ける方法もありますが、ここで付けて一緒に黒で塗装してしまいました。 ボイラーの向こうに回る細い部分は、適当に曲げてドーム下の砂撒き管の下をくぐらせ、先端はドーム前ステップの下あたりに引っ掛けて終えました。
  5. 左右のハンドレールを取り付けます。

煙室まわり

煙室まわり1
  1. 扉は開閉可能にすることができます。煙室前部(外枠)に煙室扉をはめ込み、蝶番を上下から軽くヤットコで押さえて取れないようにします。
  2. 0.3mm真鍮線を棒などに巻きつけて直径10mm程度とし、台座付きのハンドレールノブを4個通します(この部品の細かさには驚き)。
    真鍮線の両端にテープを貼るなどして、通したノブが落ちないようにし、台座部分を説明書にしたがってカットします。
煙室まわり2
  1. まだ4個つながったままのハンドレールノブを、煙室前部の穴に差し込みます。 煙室前部の外周(ボイラーにはまり込んで隠れるところ)にも、外側に向いて4つの穴が開いていて、そこから差し込まれた足が見えるので、そこをハンダ付けまたは接着剤で固定します。
    固定後、ライトの付く部分の真鍮線をカットして、左右2つの手すりに分離します。
  2. 煙室扉ハンドルを固定します。これは煙室前部の中央にある、かんぬきの穴にはまるように調整します。
  3. ライトを取り付けます。レンズは塗装後に、丸みの付いているほうを前にして差し込みます。
  4. 組み上がった煙室パーツ一式を、ボイラーにはめこみます。前から見て傾きのないように、ライト・煙突・ドームが一直線になっていることを確認してから固定します。
  5. 端梁を取り付ける前に、カプラー開放てこ受けに0.25mmリン青銅線を通し、ヤットコの先で何とか少しずつこういう形に曲げます。説明書のとおりです。
  6. 端梁をランボード前端に固定します。このあたりでだんだん、ランボードとデッキ先端部が平行になっていないことなどに気付いて鬱な感じになってきます。
煙室まわり3
  1. デフの上部は内側に少し傾けて曲げるので、エッチング枠から切り離す前に、裏側にPカッターで筋彫りしておきます。
  2. 裏側の補強枠の上部を、デフの曲げ角度に合わせて少し曲げておきます。それから補強枠をデフ裏側に180度折り返して張り重ねます。
  3. デフを取り付ける前に、ランボードの前端が水平になっていることを確認します(曲がっていると、どうやってもデフが傾きますので)。
  4. デフ下側のピンをランボードの穴に差し込み、水平部のみ少量のハンダで仮付けします。まっすぐ付いていることを確認し、修正してから本付けします。左右両方を付けて歪みがなければ、デフの前側もハンダ付けして固定します。
  5. 後方のステーは先を少し上に曲げて、ボイラーに乗せてハンダ付けします。
  6. 前側手すりを、デフの前縁にある小さな2箇所のくぼみに乗せて、デフとの左右の間隔が等しくなるように固定します。
  7. デフ前方ステーは真鍮線で作ります。デフのふちと煙室前端に穴を開けて真鍮線を通すのですが、ぎりぎりで難しいので、私はデフ側は真鍮線を後方に曲げて、デフの内側に重ねて固定しました。反対側は真鍮線の先をヤットコで平らに潰し、煙室前面に重ねて固定しました。

ランボード下のパーツ

ランボード下1
  1. ランボードの裏は平らに仕上げておき、歪みがないようにしておきます(最後のチャンス)。
  2. 冷却管の取り付け部を直角に折り曲げて要所を補強ハンダし、ランボードに重ねてからエアータンクを所定の位置に合わせます。
    うまく合ったらエアータンクを固定し、冷却管の取り付け部をランボードに固定します。
ランボード下2
  1. 前ステップに中段をハンダ付けし、デッキ裏に前まで寄せてハンダ付けします。左右がつながっているので簡単です。
    凝る方は、ステップの両端を少し上に曲げたりされるかもしれません。
  2. エアーホースを端梁に差し込んで固定します。
  3. 排障器を折り曲げて組み立て、端梁下部に固定します。先輪との間がぎりぎり、もしくは当たってしまうので、取り付ける際は注意します。
    ちなみに、私はこの部品の取り付けに一番時間がかかりました。なかなか、まっすぐ付かなくて…。
  4. 非公式側ランボードの下にオイルポンプ箱を取り付けます。
組み立て終了

最後に左右のランボードをつないでいた仮ブリッジをすべて切り取ります。ボイラー内側上部と、火室(テーパー部)内側全周を平らにして完了です。

テンダー

解放キャブのD51の場合、テンダーの前部の両側に手すりがついていますので、それを真鍮線で作ります。 手元になぜか、手すりを取り付け済みのテンダーがあったので、それを使いました。

ほか、ドローバーに持ち上げられてテンダー前部が上がることがあるので、その部分の床板を削りました。さらに内部にある前後の台車の集電シューの角度を調整して、前後左右の傾きが少なくなるようにしました。

動力組み込み

出来上がった金属ボディーを、用意した動力にかぶせてみて、左右・前後から見て水平が出ているかを調整します。

もともと、マイクロエースの動力にかぶせることを前提として大きさが決められている模型なので、基本的にはポンとかぶせればすみます。

組み立てによっては色々と寸法に違いが出ることがあるので、適宜動力も加工したほうが無理なく水平が出せることがあると思います。車体は薄い金属でできていますから、せっかく歪みなく組み上げたものを削って調整するのはあまりやりたくないからです。

この例ではモーターをBトレインショーティー用に交換し、キャブ内に収まるようにしてあります。ドローバーも4mmほど詰めました。

動力部の加工
  1. そのままでもよかったのですが、私の作例ではわずかに頭がつかえて、左右どちらかのシリンダーの上に紙1枚の厚さ程度の隙間ができたので、動力ユニットの上部をヤスリで少々削りました。ヤスリでゴリゴリと数回やっただけでぴったり収まりました。
    この程度ならシリンダーブロックの取り付け部を少し削っても合いますが、どうせBトレモーター交換のためにダイキャストを削るので、ついでにやりました。
  2. 後部にある、上下を留めるピンを低く削り、金属ボディーに触れてショートしないようにします。
  3. エアタンクの前方と、モーションプレートの取り付け部が当たって、ボディーが後ろに少しずれることがあるので、ここも少し削っておきました。
  4. 従台車の後部(後部台枠表現のところ)が、分配弁配管に当たってしまうので、その部分をL字型に削り取りました。

上下の固定は、ちょうど写真で赤く表示したあたりに両面テープを貼って、絶縁と固定を兼ねることにしました。

塗装

組み立てた金属ボディーのほか、色を揃えるためにテンダーとシリンダーブロックも塗装します。
今回は、いさみやロコ・ワークスのカラープライマー(黒)を使って、プラ部分もろとも塗りました。プラ部分は元の塗料を落としたりせずに、塗り重ねました。

マイクロエース、KATOのD51にも色々あるので、テンダーを塗装するときは床板など目立たない位置に少し塗ってみて、素材や下地の塗膜が侵されないか試したほうがよいと思います。一応、私もテストのうえで塗装しました。

完成

ちょっと駆け足でしたが、ともかく無事にできました。機関部の上廻りが交換されただけなのですが、がらりと雰囲気が変わりました。

やえもんデザイン D51

非公式側後方

非公式側前方

昔から、目の前を走っているD51の模型をいつか自分で組み立てたいと思っていたので、それが実現して嬉しいです。エンジン部の上廻りだけなので、必要な組み立て時間などのボリュームもちょうどいい感じでした。


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