2023.5.13
アルナインの「とても簡単な古典Dタンク」の動力に先輪・従輪を加え、9700形風にしてみました。
ボールドウィン社がこの機関車の受注にあたり、軸配置1D1を“MIKADO”と名づけたと言われます。その意味で印象にはありました。
技量が不十分な私は難易度の低いデジタル製作にしました。9700形は過去の鉄道模型雑誌でも見事なご作品が発表されています。取り組まれた方は他にもいらっしゃると思います。
ワールド工芸の8100形の3Dデータを基に車体の形を作りました。8100形のデータはなぜか作ってありました(→8100形 原形タイプ)。
寸法は「蒸気機関車スタイルブック」の2面図を参考にしました。実際の3Dデータ化はボールドウィン社の他形式なども参考にしたり、適当に作ったりした箇所も多いです。
使った動力ユニットのホイールベースは9700形より長いため、従輪もずらして周辺の寸法を少し詰めました。本物の9700形の特徴は十分出ていませんが、市販品の動力が流用できるだけでありがたいです。
動輪径は約7mmです。全長は約11cmでKATOの8620形と同じぐらいになります。
Dタンクの動力で一度は何かを作りたかったので、かろうじてそれはかないました。
キャブやテンダーの平面部も含め、造形物の表面仕上げは何もしていません。
塗装は真っ黒にしました。動輪も塗ったほうがよいかもしれません。
実物の車体には当初緑色も使われ、金色や黄色の装飾も施されていたそうですね。
バッファー先端はこの写真でいえば手前をグー(曲面)、向こう側をパー(平面)としました。実物写真によっては逆のものもありました。
改造用の古典Dタンクは新たに買いました。元々持っていた同製品に比べ、モーターのコギングがかなり強くて出発時にギクシャクしますが、動き出せばスケールスピードで走りはするので我慢しています。
ボディー形状に合わせ、主に赤で塗った部分を切り取りました。 特にモーターの載っている床板は寸法が厳しく、モーターベースの取り付けネジの頭まで削れてしまいました。これ以上削るとネジ穴が露出しそうです。
薄い板にエッチング表現されている輪心を立体化するのは簡単ではなさそうで、そのまま使いました。説明書によると輪心は動輪表面にゴム系で接着されており、クランクピンも外せない構造だそうです。
モーターはキャブ内に収めるために2.5mm後退させました。
モーターベースの前面板は床の下側にも貫通していて、ウォーム軸後端の軸受けを兼ねていました。 そのためモーターベースは残し、モーターのみ外して後退させました。ピニオンはその分前にずらして元の位置にとどめました。
いつも動力ユニットの採寸が甘いので、ボディーを下半分だけ作って組み合わせの具合を確認しました。
組み合わせ箇所が上からも見えるので、想定通りに合わない原因はいくらか突き止めやすかったです。
幸い2トライ目でうまく合うようになり、このあと本番造形をしました。3DプリンターはまだSonic Mini 4Kを使っています。
メモ: Phrozen Sonic Mini 4K, peopoly, xUltrat Black t0.035 5s, temp. 28℃
仮組みした車体の裏側です。小さい先輪・従輪は光造形で、シャフトは1mm真鍮線です。精度はよくありません。昔の鉄道プラ模型程度?
従輪は首を振る台車構造をあきらめ、台枠の内側に軸受けを固定しました。台枠が妨げになり左右にもほぼ動きませんが、台枠を車輪の形に削り取れば横動はできると思います。
これでも何とかR280を走ります。R249では時々先輪が浮くものの、脱線はめったにしないので一応走れはします。
ドローバーは連結穴を2個用意し、1/150ぴったりの機炭間隔と、それより2mm広い間隔を選べるようにしました。
9700形 古典Dタンク動力使用
9700形 古典Dタンク動力使用
今回作ったDタンクの着せ替えです。
D52 やえもんデザイン
D52 やえもんデザイン
国鉄の大型ミカド。Nゲージでも複数のメーカーから多数発売されてきました。
USRA 2-8-2 Heavy MIKADO(ヘビーミカド) KATO
USRA 2-8-2 Heavy MIKADO(ヘビーミカド) KATO
一段と大きいです。この模型は縮尺1/160なので(ですよね)、もし1/150で作ればもっと大きいです。
以上です。アルナインの古典Dタンクは2018年の製品ですけども、2023年になっても売っている店があったのは助かりました。
●おもな参考書籍(書籍名のみ・一部)
・蒸気機関車スタイルブック(新版) 機芸出版社
・明治の機関車コレクション 機芸出版社
・1号機関車からC63まで ネコ・パブリッシング
・国鉄蒸気機関車史 ネコ・パブリッシング