Nゲージ蒸気機関車2010年のメモ>2010.12.31(DE10・トミックス リニューアル品)

DE10・トミックス リニューアル品

トミックス DE10・リニューアル品

2010.12.31

2009年のKATOに続き、2010年にはトミックスのDE10もついにリニューアルされました。
旧製品に比べ低速始動が滑らかになり、外観も一新されました。

私が最初に実物のDE10に出会ったのは上の写真のような場でした。D51が延々と縦列駐機しているところに、突然見慣れない機関車が現れたのでびっくりしました。感想は、「わっ、ズレてる…」でした。


以下は新しいトミックス製品のご紹介です。旧製品の最終ロットと比べてみました(参考までに昨年のKATO製品も並べてみました)。
ちょっと感想を添えていますが、実物の資料があまりないので、まるでピント外れのことを書いているかもしれません。適当に流してください。

側面

トミックス旧

トミックス(旧・2208) (拡大写真)
1982年の初登場時から、プラ製の輪心パーツが入っていました。当時の製品は輪心の別パーツ化はないのが普通でした。
スプリングウォームが独特の大きめの音をたてますが、これがディーゼル機関車らしくて好きという方もいらっしゃいます。

トミックス新

トミックス(新・2222) (拡大写真)
旧製品に比べて車輪が小さくなり、台車も小ぶりになりました。黒色車輪化はされなかったので、旧製品の雰囲気がお好きな方にもあまり違和感はないと思います。
全体的には現代のトミックス製品らしく、すっきりした印象に変わりました。

KATO新

KATO(新) 耐寒形 (拡大写真)

今回のトミックス製品は動輪が小さくなったこともあり、旧製品よりもわずかに車高が下がっています。
KATO製品は車高が若干トミックス製品よりも高く、上から押してサスペンションを殺したときに、ランボードの高さがトミックスと同じぐらいになります。いずれも実物と比べてどうかは資料なくわかりません(どなたか教えていただけますか…)。

旧製品は全軸にギヤがあるものの、駆動は前後の2軸ずつでしたが、新製品では5軸すべてを駆動しています。これで3社とも5軸駆動になりました。

前面

トミックス旧 トミックス新 KATO新 マイクロエース
トミックス(旧)
(拡大写真)
トミックス(新)
(拡大写真)
KATO(新)
(拡大写真)
マイクロエース
(拡大写真)
トミックス旧 トミックス新
トミックス(旧) トミックス(新)
KATO新 マイクロエース
KATO(新) マイクロエース

旧製品に比べると、端梁や手すりの表現が格段に向上しました。
旧製品では台車マウントのスノープローにステップの最下段がモールドされていましたが(実物も最下段はスノープローについている)、新製品では本体側に一体化されました。そのためこのあたりの印象は旧製品と少々違っています。

マイクロエースも並べてみましたが、マイクロエースのみカプラー解放テコがついています。

前方から

1エンド側です。

トミックス旧
トミックス(旧)
マイクロエース
マイクロエース
トミックス新
トミックス(新)
KATO新
KATO(新)

新製品では旧製品より手すりがずいぶん細くなりましたが、きしめん形状のため、見る角度によってはやや厚みを感じます(それでも十分細いと思いますが)。非常に細かったDD51より少し太くなっていますが、破損が多かったということなのでしょうか。
ステップが白成型なこともあり、最下段の簡略化が目立つので、気になるようなら黒で塗るとよいかもしれません。

前方に見える黒いランボードの断面部分が、端梁に合わせてグレーに塗られているなど芸が細かいところもあります。テールライトのレンズの丸みも良い感じです。

眉毛(ライト上の手すり)とライトとの上下間隔の違いにより、トミックスとKATOの表情が変わっています。
KATOの見え方は、どちらかといえば実物の2エンド側の見え方に近いような気もしますが、実機によって見え方が違ったりするので私には何とも言えません。手すりはどの方向からでも細く見えるようにできています。

全体

キャブの高さや車高のバランスなど、模型によって印象が違います。
トミックスのほうが実物に似ているという人もいれば、KATOのほうが似ているという人もいます。 それぞれ違う部分にDE10らしさを感じ、模型でもそこに注目されるのでしょう。

●目の高さから

トミックス旧

トミックス(旧)

トミックス新

トミックス(新)

KATO新

KATO(新)

●やや上方から

トミックス旧

トミックス(旧) (拡大写真)

トミックス新

トミックス(新) (拡大写真)

KATO新

KATO(新) (拡大写真)

●上方から

トミックス旧

トミックス(旧)

トミックス新

トミックス(新)

KATO新

KATO(新)

キャブ

側面窓の表現が変わったため、新旧製品で結構印象の変わった部分です。どちらがお好みですか。
なおトミックスとKATOでも違いがあります。側面窓の真上のグレーの部分の立ち上がり方に注目してみるとわかりやすいです。

●1エンド側から

トミックス旧
トミックス(旧)
トミックス新
トミックス(新)
KATO新
KATO(新)

新製品では屋根の前後長がわずかに短いのか、旧製品に比べて妻板との隙間を感じるものがあります。
前面両端の縦長の窓にはHゴムの塗りが追加されました。側面窓には上端にもサッシの銀色が入りました。ただ実物でも隠れて見えなかったりするので、旧製品もあれはあれでよい表現だったと思います。

室内は緑色でちょっとしたアクセントになっています。ここには付属の補助ウェイトを積むことができます。

●2エンド側から

トミックス旧
トミックス(旧)
トミックス新
トミックス(新)
KATO新
KATO(新)

2エンド側のボンネットは1エンド側よりも少し高くなっています。KATOでは眉毛の高さでそれが強調されて見えます。

上面

トミックス旧

トミックス(旧) (拡大写真)

トミックス新

トミックス(新) (拡大写真)

KATO新

KATO(新) (拡大写真)

彫りの深い旧製品も良かったのですが、新製品ではランボード周辺が多色表現になったこともあり、非常にメリハリがきいています。


トミックス DE10(新)について

KATO、トミックスのリニューアル前は、マイクロエースの意外な走行性能のよさに驚いたものですが、2社がリニューアルしたためにいまや普通になってしまいました。結果的にDE10の模型の走行レベルは全体に数段向上したと思います。
ただ3軸+2軸の台車は集電のうえでも荷重の配分でもやはり難しいので、レイアウトの線形によっては相性のようなものも生まれるかもしれません。車体にもあまりウェイトは積めないので、蒸気機関車でいえばC11と同等の集電事情になり、余裕はないはずです。


《関連リンク》 DE10(2006年時点)

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