Nゲージ蒸気機関車2013年のメモ>2013.4.8(ED79 50番台)

ED79 50番台

ED79 トミックス+マイクロエース

明るい塗装で当初の赤色とは趣の異なる50番台も、複数の会社がプラ量産品を販売しています。

2013.4.8


全体

マイクロエース製品とトミックス製品を比べたものです。発売順に並べています。

マイクロエース

マイクロエース (拡大写真)
2002年製品です。53号機と59号機の重連セットです。

トミックス

トミックス (拡大写真)
マイクロエースの9年後の製品です。定評のある動力ユニットが引き継がれています。

上廻りのブルーは、マイクロエースのほうがやや軽めの色調です。ブルー部分にも濃淡2種の塗り分けがありますが、色調差はマイクロエースのほうが大きくなっています。天候や光線の向きによって、どちらにも似ている場面があるかと思います。
腰壁の白い部分はマイクロエースのほうがくっきりしています。トミックスは全体に薄く滑らかに塗られていますが、白部分には若干のスケが見られるところがありました。

マイクロエース製品は本来53号機がモーター車ですが、私のは色々いじっている間に入れ替わっていまして、59号機がモーター車になっておりました…。
なおM車とT車の違いはモーターとギヤの有無だけです。内部のダイキャストブロックや基板などはまったく同じで、外見の違いはナンバーと、台車の底にある車軸ギヤの有無だけです。

やや上方からの写真です。

マイクロエース

マイクロエース(拡大写真)

トミックス

トミックス(拡大写真)

正面から

マイクロエース
マイクロエース
トミックス
トミックス

窓の上下サイズは、マイクロエースのほうがわずかに広くなっています。白の塗り分けの高さはトミックスのほうがマイクロエースに対して高めです。どちらが実物に似ているように感じられるでしょうか?

車体幅はこの写真ではマイクロエースのほうが広く見えますが、これは若干の成型の歪み(膨れ)があるためで、設計寸法自体には違いはないようです。スカートの幅にもかなり差があるように見えますが、実際の差はわずかなものです。恐らく高さの違いや、ジャンパ栓のモールド位置などの違いのためにそう感じるのだと思います。

テールライトはトミックスがレンズはめ込み、マイクロエースは赤塗装です。

前方から

マイクロエース
マイクロエース
前面手すりはこの頃はプラモールド表現です。写真のカプラーはKATOカプラーアダプターに交換しています。
トミックス
トミックス
前面手すりはユーザー取り付け、カプラー解放テコは工場取り付け済みです。カプラーは付属のTNカプラーに交換しています。

マイクロエースはナンバーが印刷済みです。もう少しそれらしい書体であればもっと良かったのですが…。
トミックスは選択式のはめ込み式で、51・52・55・57が付属します。

上方から

パンタ周辺です。

マイクロエース

マイクロエース 
ちょっとパンタの作りが弱く、姿勢が安定しにくいです。碍子に白、高圧配管は色プラでアクセントが付いています。

トミックス

トミックス 
信号炎管・ホイッスル・ヒューズ箱はユーザー取り付けです。1エンド側のGPSアンテナを付けるときは、付属の治具で穴開けします(0.6mmドリル使用)。

私は、Nゲージのパンタグラフのバラバラ事故は各地で多数起きているに違いないと思っていますが、修理扱いで持ち込まれる例もたくさんあるのでしょうか。
昔に比べて繊細な作りのものも多いので、慣れた人でも泣きそうになるくらい、組み立てが厄介なことがありますよね。
私の場合、パンタをたたむときに壊しやすいです。このED79は別ですが、パンタが水平に畳まれてくれないものがあって、無理に指で押さえつけてバラバラにしてしまうというもの。

反対側から屋根全体の写真です。

マイクロエース

マイクロエース

トミックス

トミックス

実機を反映したものかどうかはわかりませんが、屋根上の各部の塗り分けはメーカーごとに違います。
トミックスはランボードとその延長上の機器が車体と同じブルー、マイクロエースはそれらがグレーです。マイクロエースは信号炎管が銀色に塗られています。

側面

マイクロエース

マイクロエース 
エンド表記の数字が一般の書体のようです。運転席の肌色のパーツが少し盛り上がっていますが、この下にウォームのギヤケースがあるためです。側面明り取り窓は、一部が向こうまでシースルーになっています。

トミックス

トミックス 
運転席の見通しがよいです。JRマークはプラの浮き出しにホットスタンプ表現です。
ちなみにED75/79シリーズは、側面の明り取りから内部のウェイトの銀が見えるので、暗いグレーで塗ってやると落ち着くかもしれません。

どちらも寒色系の車体と、窓から見える暖色系の運転席のパーツがよくマッチしていて、彩的に楽しいです。

台車

マイクロエース

マイクロエース 
下廻りのグレーは少し水色がかっています。車輪は黒色で、輪心パーツはありません。

トミックス

トミックス 
色調はねずみ色1号といった感じです。成型はシャープなものです。車輪は銀色で、プラ輪心がはめ込まれています。

台車の長さや全体の感じは両社でかなり違いがありますが、動輪の軸距離は同じのようです。
なおトミックスには台車側のステップが軸箱の一方にモールドされています。

全体のモールドは、どうしてもマイクロエースのほうが若干甘い感じです。プラ成型についてはよくわかりませんが、コスト的な判断か何かで、これぐらいの解像度?に抑えているのかもしれません。 もちろんレイアウトを走らせて遊ぶに当たっては、別段問題ありません。このページの写真は異常な倍率の拡大になっています。

その他

写真のマイクロエースの模型には、KATOの電気機関車に以前付属していたKATOカプラーアダプターを付けてありました。
別にこれを狙ったわけではありませんが、トミックスのTNカプラーと無理やり連結できました(穴開け不要です)。

連結

なおM車同士を連結した場合、方向によってうまく走らないことがありました。トミックス+マイクロエースT車なら問題ありません。色も表現も不ぞろいですし、やる人は少ないとかもしれませんが…。

トミックス+マイクロエース

トミックスの走りは相変わらず異次元の域で、ほとんど無音でするすると走り出し、ぎこちなさは皆無という運転性能です。小型なのに、同社の他の電気機関車シリーズと比べても過走が大きいため、人により好みの差はあるかもしれません。私は好きです。
マイクロエースの走りは発売当時けして悪くはなかったはずですが、比べられてしまうとどうしても1〜2段落ちてしまうのはやむをえないと思います。まだ2002年当時のマイクロエース製品ですから。比べれば音は大きく、細かい振動やぎこちなさを感じる場面はあります。しかしレイアウトを重連で走らせる楽しさは、今になっても変わりません。


●比較した模型
・マイクロエース A0190 ED79-53・59重連セット(2002年)
・トミックス 9116 JR ED79 50形電気機関車(2011年)


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