Nゲージ蒸気機関車2008年のメモ>2008.5.4(EF510)

EF510

EF510とD51

2008.5.4

最終的に3社競作となった機関車で、1号機と量産機がマイクロエース・トミックス・KATOでそれぞれバッティングしています。例によって電気機関車はよく知らないので、写真と各社の違いで気付いた点のみ書きました。あまりに悲惨な間違い等ございましたらご指摘よろしくお願いします。
非常に長く見える機関車ですが、全長はD51とほぼ同じくらいです。


ここで比較したのは、マイクロエース(旧アリイ)の2号機、トミックスの量産機、そしてKATOの1号機です。KATOのみ他とプロトタイプが違いますのでご了承ください。

2010.7.1 その後追加された北斗星色では動力が変更されました。→EF510北斗星色の動力だけ

全体

マイクロエース

マイクロエース EF510-2(拡大写真)
2005年、最初に発売されたEF510です。

トミックス トミックス EF510(量産機)(拡大写真)
マイクロエースの少しあとに発売されました。ナンバーは2、3、4、5からの選択です。
KATO KATO EF510-1(拡大写真)
2006年に発売されました。ナンバーは厚みのある文字のみを転写する転写シール式で、1号機は貼り付け済みです。

写真ではあまり上手に表現できませんでしたが、全体の色合いはトミックスのみ微妙に違っていて、若干マゼンタ寄りです。逆にマイクロエースとKATOが朱色寄りともいえます。

白の印刷はマイクロエースが最も白くなっています。そこだけやや厚くなっているほどです。他に「JRF」ロゴの斜体の傾斜の角度が、マイクロエースとその他では違います。

正面から

マイクロエース トミックス KATO
マイクロエース トミックス KATO

マイクロエースのみ格好が異なりますが、何度も確かめたので写真サイズは間違いないと思います。実際に他社と比べて横幅寸法が1mmほど広く、逆に屋根は一番低くなっています。屋根両端の角度やカーブも3つとも違います。
KATOのみ1号機で、カプラー解放テコの形や、手すりの高さ、ライト間のフックの位置・色などが他と違います。

前方から

マイクロエース
マイクロエース
油断してちょっと太っちゃいましたという感じですが、実物を見る角度によってはいいポイントがあるのかもしれません(まだ見つけていません)。前面両側の手すりは取り付け済みです。ワイパーのアームは2本で車体側にも表現されています。ナンバーとJRロゴは平面の印刷です。
トミックス
トミックス
ナンバーはブロックタイプのはめ込み式ですが、隙間なくはまるので肉眼では継ぎ目がわかりません。JRマークは唯一浮き出しています。前面手すりは別パーツです。正面窓下の手すりのモールドは少し弱いので、これをもう少々下にはっきり付ければもっと似たことと思います。
KATO
KATO
手すりは別パーツですが、垂直部にもランナーがついているので、トミックスより少し削る手間がかかります。JRマークは平面の印刷です。ナンバーは最近のKATO製品にならって文字だけが浮き出した転写シールです。

マイクロエースはパーツやインレタをユーザーが別付けする必要はありませんが、KATOの1号機もユーザー取り付けのパーツは前面手すりだけで、その他はすべて取り付け済みになっています。トミックスは前面手すりのほかにホイッスルも別付けの必要があります。

ライト点灯

ライトを点灯させた様子です。3社で少々色合いが違います。あまり出力を上げると動き出してしまうため、明るくありませんがご了承ください。

マイクロエース トミックス KATO
マイクロエース トミックス KATO(1号機)

トミックスは穏やかに笑っているような表情で和ませます。この機関車は一見いかめしい姿ですが、カプラー解放テコの中央が口に見えれば、一転して柔らかい表情になります。実物と似ているか似ていないかもすぐにわかります。
KM-1+KC-1を使って撮影しましたが、トミックスとKATOは低電流でも動き出してしまうので、後ろを手で押さえています。トミックスはトラクションタイヤの摩擦がとても強くて、手を離れてぐんぐん動き出そうとします。重量も一番重くていかにも強力そうです。KATOはその場で空転するので撮影は楽でした。
マイクロエースはこの程度の明るさでは動き出しませんでした。

パンタ周辺

マイクロエース
マイクロエース
パンタ摺り板の両端が、3社で一番細く分離表現されています。アーム下部の細い棒はエッチングですが、外れやすいので慎重な取り扱いが必要です。碍子と配管は白成型で、屋根上ディテールは簡素で少々甘めです。
トミックス
トミックス

碍子はマイクロエースより少し細く、配管とともにグレー成型です。ヒューズ箱は別パーツで上面ディテールもあります。
KATO
KATO(1号機)
碍子が緑色になった姿で、配管は金色の金属製です(これはマイクロエースが得意そうな表現のように思えます)。モールドは大変シャープです。屋根両端のランボードはシボ加工で滑り止めを表現しています。

側面ルーバー

マイクロエースとトミックスでは、3個並んだルーバーの大きさや形がかなり違っています(これは実機を反映したものなのでしょうか?知識不足で申し訳ありません)。

マイクロエース マイクロエース
トミックス トミックス
KATO KATO(1号機)
ルーバーの彫刻 KATOではルーバーのひとつに、いかにも中に何かありそうに見える巧みな彫刻表現があります。フィンの間の深さを変えてあるようです。これだけ、明らかに他と様子が違うので、わざとやっているのでしょう。

Red Thunder ロゴ

ここで比べたマイクロエースとトミックスは量産機のため、Red Thunderロゴがついています。KATOのも比べると面白いのでしょうが、手持ちがないので無理でした。

マイクロエース
マイクロエース
文字の縁取りは黒で、一番右のモニター窓の真下についています。

トミックス
トミックス
文字の縁取りは青で、マイクロエースより少し左についています。

台車

マイクロエース マイクロエース
モールドは全体に甘めです。輪心パーツはありません。乗務員扉のステップは太いですが、実物同様に分離した最上段が表現されています。
トミックス トミックス
台車枠表面のディテールは一番細かく表現されています。台車以外の床下機器は逆にモールドが甘く、表面の質感も他と不釣合な感じなのが残念です。
KATO KATO(1号機)
軟質素材とは思えないほどエッジが立っていて最もシャープに見えます。タイヤは少し薄くて、ここはトミックスのほうが実物に近いような気がします。

余談

たいていの客貨車をカトーカプラーかマグネ・マティックカプラーにしてしまっているので、トミックスの機関車を使うときはいつもカプラーを何とかしないといけません。
いつもはMカプラーを分解し、カトーカプラーAタイプを削って挟み込むのですが、今回はTNカプラーの先端を少し削って、カトーカプラーやマグネ・マティックカプラーと連結できるようにしました。KATOのナックルカプラーとも一応連結はできます。

TNカプラーの加工


●比較した模型について


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