Nゲージ蒸気機関車2009年のメモ>2009.9.11(EF65 500・KATOリニューアル品)

EF65 500(P形)KATOリニューアル品

EF65

Nゲージの黎明期からの、やや大きめのサイズで走ってきたKATOのEF65が、フルリニューアルされました。


全体

KATO 旧

KATO(旧) (拡大写真)
またまた大きい先輩として登場していただきました。ようやく後輩に役目をバトンタッチして、ゆっくり休むことができるのでしょうか。

KATO 新

KATO(新) 意外と短い (拡大写真)
約40年ぶりに大きさを見直し、Nゲージの登場時に自ら取り決めた1/150に近づけられています。前回の素晴らしいトミックス製品に悔しさいっぱいだったファンの方がいらっしゃれば、これでスッキリという感じでしょうか、はてさて。

6個の動輪の間隔も変わったので、ジョイント音も実物に近くなったかもしれません。

トミックス

トミックス (拡大写真)
2006年に登場した、トミックスの最新鋭シリーズのひとつです。ついこの前発売されたような気がしますが、もう3年目になります。KATOより若干濃い目の塗装で、それぞれお好きな方がいらっしゃると思います。

今回のKATOの製品情報では、「意外と短い車体長をリアルに再現」という言葉が使われていますが、これは2006年のトミックス製品が使ったのとほぼ同じ言葉です。

全長オーバーのKATOを挑発した言葉のようにも取れましたが、実際KATOは相当頭に来ていたのかもしれません。今回のは単なる冗談返しかもしれませんし、「今作れば誰でも小さく作れるに決まってるだろうが!」という気持ちも込められているかもしれません。

KATOは40年以上前に、ほとんど何もなかった状態から日本型のNゲージを自力で作り上げるという大変な努力を重ねてきましたからね。しかし決して1社だけでここまで発展してきたわけではなく、トミーを初め各社がそこに参入し、市場を盛り上げて現在に続いてきたこともまた見逃せません。

正面から

KATO 旧 KATO 新 トミックス
KATO(旧) KATO(新) トミックス

KATOのリニューアル品は、EF65の特徴である前面窓の狭い間隔が再現されており、非常に細くできています。逆に窓から上のクリームの幅は少し広くなって見え、ここのバランスはトミックスがなかなかいいセンいっているように思います。何にしても引き伸ばした写真での話で、実際の模型ではほんの微妙な違いです。全体の雰囲気にはやはりそのメーカーらしさが表れ、気のせいか、やっぱりKATOはKATOの顔、トミックスはトミックスの顔をしているように感じられます。

私は蒸気機関車中心なので、電気機関車の印象把握にはそれほど自信はありません。また、正面から見るのと斜め前方から見るのとでは結構印象が違って見えます。

本来の見え方とは違いますが、一部をクローズアップしました。

Nゲージの通常の用途から外れた異常拡大なので、単なる興味ということで軽く流してください。

KATO 新
KATO(新)
KATO 旧
KATO(旧)
KATO トミックス
トミックス

以上、異常拡大終了です。

前方から

KATO 新
KATO(新)
最近の流行にならい、別パーツの前面手すりなどがついていますが、すべて取り付け済みです。ナンバーは選択式で、パチンとぴったりはまります。
KATO 旧
KATO(旧)
この製品ももう20年近く経ちますが、モールドはしっかりしており、きちんとした品質の模型です。ナンバープレート周囲の隙間が今となっては目立ちますね。
トミックス
トミックス
手すりはユーザー取り付けですが、解放てこは取り付け済みでした。KATOの新製品が出ても全然古くは見えません。ナンバープレートはインレタ式です。
マイクロエース
マイクロエース
KATOがパーツ取り付け済みになったので、買ってすぐ走らせられるという優位性はちょっと薄れました(ナンバーは印刷済み)。見かけによらず走りは結構滑らかです。

KATOのリニューアル品では、マグネ・マティックカプラーはオプション対応されていません。スカートのカプラー開口部の幅は旧製品と同じくらいですが、ナックルカプラー対応のため少し高い位置に開口しています。スカートの下部は閉じています。 写真はナックルカプラーにピンを取り付けて自動解放可能にしたものです(国内製品にはピン穴がない)。

そこそこの実感的な形態を持っているのに、自動連結機能を失っていないのがナックルカプラーのよいところですが、こうして見ると根本には結構厚みがあったのですね。

上方から

KATO 旧 KATO(旧)
この頃のロットは、避雷器と信号炎管がユーザー取り付けパーツでした(これらを別パーツで添えるのが流行った時期の製品です)。その昔は屋根と一体モールドでした。
KATO 新 KATO(新)
避雷器、ホイッスル、信号炎管の三点セットは取り付け済みになりました。モニターのHゴムは太めの色入れで、いつものKATOの表現です。窓ガラスの平面性は全体にわたって非常に高いです。
トミックス トミックス
避雷器は取り付け済みで、ホイッスルと信号炎管はユーザー取り付けです。無線アンテナを付けたいときは自分で屋根に穴を開けるようになっています。側面の明かり取り窓の縦桟が強めの表現です。
マイクロエース マイクロエース
本物らしさよりも何よりも、とにかく別パーツを増やすという事実が重要方針だったようです。喜ばれたのかどうかはわかりませんが、手間がかかっていたのは確かです。

フライホイール

KATO 裏側 新しいKATO製品をひっくり返すと、台車の間にフライホイールが見えます。フライホイールの効果は、トミックスのED75/ED79ほど感動的な絶大さではありません。現在の製品としては普通な感じで、大柄な旧製品のほうが滑らかさに余裕が感じられました。私の手持ちのトミックスのEF65と比べると、停止の過走はほぼ同じですが、発進はトミックスのほうがやや滑らかで音も静かなようです。

KATOは旧製品のEF65でかなりのバリエーション展開をしてしまったので、長さが正しくなったリニューアル品で同じくらいのラインナップを揃えなおすとしたら、相当時間がかかりそうです。KATOとトミックスで、うまく重ならないようにバリエーション展開されていけば早く揃いそうですが、実際には特徴的なものに製品化がかち合って、うまくはいかないかもしれません。

軍艦のプラモデルのウォーターラインシリーズで、複数のメーカーが共同でバリエーション展開をしていましたが、人気のある艦船は奪い合いになって調整が大変だったそうですね。また、自分の好きな車種は、やはり自分の好きなメーカーに作ってもらいたいというのが人情かもしれません。

《関連リンク》
EF65 500(2006年トミックス)
EF65 500(マイクロエース)
EF65 500(P形・F形)


●比較した模型について


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