Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>伊予クラウス1号機の組み立て
トーマモデルワークスの小型機のシリーズです。いわゆる坊っちゃん列車の機関車です。
2014.7.16
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これは私がキットを組み立てた過程をメモ書きしたものです。よってかなりずさんな部分があります。正しい組み立て手順については説明書をご覧ください。
車体の板部分はすべて洋白で、サイドタンク部分は曲げ済みです。 ボイラー関係はホワイトメタル、シリンダーブロックと煙室扉ハンドルは真鍮ロストとなっています。
クロスヘッドとメインロッドはカシメ済みなので、細かなクロスヘッドピンをなくす心配も少なく安心です。
トーマモデルワークスの小型蒸機の標準的な構造で、モーターから分離できる動力フレームを、外見上の台枠(ダミーフレームと称されています)の内側に装着するつくりです。
動力フレーム自体は車輪を引き離さない限り分解できませんが、ギヤはネジ留めではなくはめ込みなので、分解が必要になる場面のひとつであるネジの緩みが発生しません。
左右の動力フレームの底部のフチを、ラジオペンチで直角に折り曲げました。
要所のネジ穴には、1.4mmタップを立てました。説明書に赤丸の印が付けられています。
接合部のネジ穴には、平プラワッシャーをゴム系で接着しておきました。
細かい真鍮ピンをなくす前に、中間ギヤにはめ込んでおきました。ピンの平らなほうを下にして台に置き(両面テープで止めると安心)、その上から中間ギヤの穴を当ててゆっくり押し込みました。
反対側にも差し込みました。
同じ要領で、中間ギヤ(小)にもピンを差し込みます。
4個付属している真鍮スペーサーは、ギヤ付き車軸の外側にはまるので、圧入のときには入れ忘れないようにします。
金属の車軸の中央に、ギヤ付き車軸を曲げないように軽く差し込みました。これをあとで圧入するのですが、指だけで最後まで簡単に入ってしまいました。
手前には忘れぬように真鍮スペーサーを置いています。
手前側のフレームをかぶせ、車輪をギヤ付き車軸に軽く差し込みました。
こちら側の車輪も指だけで最後まで入りそうでしたが、万一何かあって車軸を曲げるとイヤなので、気持ちだけ万力を使って圧入しました。圧入しながら、真鍮スペーサーがきちんと金属車軸の外側に被さるよう、ピンセットで時々直しました。
左右を留めるネジのうち、前方ネジに段付きプラワッシャーをかぶせ、軽く留めました。
左右のフレームを壊さない程度に広げ、間に中間ギヤ大をはめ込んで、前方のネジを再び締めているところ。
ところが何か具合が悪く、さっぱり転がらなくなってしまいました。
ヤスリでギヤの軸穴を整えているところですが、実はそこには問題がなく、ただ左右のフレームの間隔が狭くなっていてギヤとの摩擦が強くなっていたものでした。軽く外側に膨らませるつもりで調整し、よく転がるようになりました。
広がりすぎると、逆にギヤが穴から外れてしまう恐れがあるので注意が必要です。
同じように中間ギヤ小を取り付け、後部のネジも段付きプラワッシャーに通して左右を留めました。
レールに乗せて傾けてやると、軽く転がります。
ここで集電シューをネジ留めしました。
最初は固すぎたので、少し曲げを調整して車輪が回りやすいようにしました。ただ素材の関係で弾力がなく、最終的には接触しているのかしていないのか、よくわからない状態になりました。
なお集電そのものは、軸穴からも直接なされています。
ダミーフレームA5(外から見える主台枠)と、床板A4をラジオペンチで折り曲げ、要所にネジを切りました。
床板A4の後部にある、カプラーの取り付け座※は直角に起こし、付け根をハンダで補強しておきました。ここの使い方は最後の最後に少々悩みました。
スライドバーは、折り溝が内側になるように各部を折り曲げました。特に後方の折り曲げ向きに注意が要ります。
その後、折り曲げ部の内側をハンダで補強しました。補強前に折り曲げ部をちぎってしまわないよう、十分注意が必要です。何しろクロスヘッドが往復する重要部分です。
ダミーフレームの両脇のくぼみに、組み立てたスライドバーをぴったり合わせてハンダ付けしました。
ここでダミーフレームと床板を固定しました。写真のように前後のネジで床板をダミーフレームに仮留めし、下側から要所をハンダで留めました。
固定したらネジは外しておきます。内側には動力フレームが収まるので、ハンダがデコボコにはみ出さないように気をつけました。
シリンダーブロックの穴を、1.0〜1.3mmドリルで少し深くしているところです。ピストン棒の長さがシビアで、少しでも長いとつっかえますし、短いと抜け落ちるため、少しでも穴を深くして余裕を作っておこうということです。
なお私が買ったキットは、このシリンダーブロックの鋳造が悪く、歪みの修正に時間がかかりました。完全には直せなかったかもしれません。
歪みを直して穴を深くしたシリンダーブロックは、ダミーフレームの内側にはめ込み、合わせ目をハンダ付けして固定しました。
床板の前側上部には、左右の担いバネをハンダ付けしました。
前後の端梁は塗り分けのため、塗装後に接着することとし、ここでは本体に取り付けていません。
モーターベースは2つ折りに貼り合わせ、モーターにネジ留めしました。モーターには極性があるので、端にある目印の突起の向きに注意して取り付けます。
モーターの接点板をモーターの端子にハンダ付けします。写真手前の長いほうは、モーターベースの突起に接触させますが、あとでハンダ付けしました。
この箇所のハンダ付けは金属用フラックスを使わず、電気配線用のヤニ入りハンダで直接ハンダ付けしました。
なおモーターとキャブ妻板の間隔がほとんどないので、接点板もなるべくモーター側に寄せておかないと、つっかえてしまいます。特に向こう側の接点は、車体内側やモーター外装に接触するとショートしそうなので、テープを貼って絶縁しました(手前の接点は、接触しても同極なので問題ないはず)。
組み立て済みの動力フレームを、ダミーフレームの下からはめ込んでネジ留めしました。
このとき片側のフレームの接点ラグが床板の角穴から顔を出します。互いに接触するとショートするので、ラグを曲げないように注意します。
モーターを床板にネジ留めしました。片側の接点板を、角穴から顔を出している接点ラグに接触させます。どちらも他の金属部分に触れてはいけません。
ウォームはモーター軸の先端から、0.0〜0.3mm程度の位置に取り付けるとありますが、違いが生じていることもあるので必ず確かめます。
この作例の場合は、その通りでいいことがわかりました。
一度モーターを外し、先ほど確認した位置にウォームを合わせてエポキシで接着しました。
一度外した理由は、間違ってもエポキシ接着剤がギヤなどに付いては困るためです。
再びモーターを取り付けてから、動力フレームの前後位置を微妙に調整して、ウォームとの噛み合わせ深さが最良になるようにしました。
といっても、指でギヤや車輪を少し動かしてみて、多少カタカタと遊びがあるのを確かめた程度です。作例の場合、動力フレームを目いっぱい前方に寄せたぐらいでちょうど良くなりました。
これでもうレールに乗せて走ることができるのですが、モーターが相対的に重いため、下廻りだけではしりもちをつきがちです。テストするためには前方にも何かオモリを載せます。
キャブの構造は、前回のボールドウィン9号機と同様です。最初に前後の妻板のベース板を折り曲げて形を作ります。
キャブのベース板B1を著角に折り曲げ、取り付け部のネジ穴にタップを立てました。
これを床板にネジで仮留めしました。真上から見て歪んでいないかどうかも確認します。
なお前後をつないでいる帯板の部分は、外側に飛び出している切り口をヤスり落としておきます。そうしないとあとで側板がぴったり合いません。
側板は2枚重ねになっています。裏の角穴からハンダを流して貼り合わせました。
上下のフチにも断面からハンダを流し、折り曲げの小さいつなぎ目をヤスリで平らにしておきました。
側板をずれないようにぴったり合わせ、妻板との合わせ目を内側からハンダ付けしました。
左右の側板を取り付けたところです。
サイドタンクの内側にはホワイトメタルのパーツがはまります。ぴったり入るよう、前方の角の丸みをヤスリで整え、後ろ側も少し削っておきました。
後部妻板は2種が付属しているので、選んで付けます。こちら(保存機用)は後部が大きく開いているので、モーターの放熱が良さそう…?
次は憎らしい屋根の曲げです。私は絶対に(あえてそう書かせていただきますが)失敗します。
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