Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>伊予クラウス1号機の組み立て

伊予クラウス1号機の組み立て(2)

1 [2]


屋根

屋根の丸め

屋根は曲げ済みではありませんが、裏側に細かいスジがエッチングされていて、一定方向に曲げやすいようになっています。
ゴム板の上で丸棒などを転がして曲げることになっています。少しずつ慎重にやります。

屋根の丸め(表から)
が、どうして失敗するんでしょう(笑)。よりにもよって真ん中に折り目が。いつもこんな稜線がどこかに付いてしまいます。
屋根の取り付け
修正するつもりでさらに折り目が付いた屋根を何とかごまかし、キャブに載せてハンダ付けしました。
キャブ周辺のパーツ

残りのパーツを接着しました。後ろのレバーは丸い部分の折り重ねを忘れています(だいぶあとで気付きました)。

ボイラー・煙室

ボイラーの穴あけ

ボイラーはホワイトメタル製です。あとで部品を付ける穴を開けておきました。
頂上の1.0mm穴は、あとでスチームドームを接着する際に位置決めしやすくするもので、接着時に短い1.0mm真鍮線(付属しましせん)を立てました。対応するドームの裏側にも1.0mm穴を開けておきました。

ボイラー後部の接着

床板に仮留めしたキャブにボイラーを載せ、後部をエポキシでキャブ妻板に接着しました。
ボイラー底部も、少量のエポキシでキャブ前方に伸びたベロに接着しています。床板もろとも接着されるとマズいので、ここでは仮留め程度です。

ボイラーの固定と砂撒管
  1. 床板を外しました。少量のエポキシで留めていたボイラーの底部とキャブ前方のベロの間に、瞬間接着剤を流して完全に固定しました。
  2. 砂撒管を接着。下端は床板の上に載せて接着しました。
煙室

煙室には左右側面と煙突後部に穴を開け、それぞれの配管を差し込んで接着しました。
前側には煙室扉ハンドルを差し込む穴を開けておきました。

煙室を置いたところ

煙室パーツを床に置いてみたところ。上下分離の必要があるので床板には接着せず、塗装後にボイラーに接着します。両サイドの配管もシリンダーの弁室蓋の突起に軽く載る程度に調整し、接着はしません。

黒塗装するパーツ

ここまでで各部材の準備は終わったので、塗装しました。
写真のパーツはすべて黒塗装しました。

緑塗装するパーツ

キャブとボイラーは緑塗装にしました。

車体組み立て

下廻りの組み立て
  1. 後部のフチを赤塗装して接着しました。
  2. 床板のフチに面相筆で赤線を入れました。
  3. 前後の端梁を接着しました。なお接着はすべてゴム系で行っています。
  4. モーターを取り付ける穴にもう一度M1.4タップを通し、通電のために塗料をはがしておきました。
ボイラー周辺の組み立て

塗装したパーツ1〜4を接着しました。
配管1の公式側は砂撒管の下をくぐらせましたが、非公式側は隙間が足りず上を通しました。なおキャブ内に出っ張る部分は切り落としておかないと、モーターに当たります。

車体はアクリジョンの緑に黒を少々と、白を数滴混ぜてくすませたという感じです。細かい装飾塗装は実力的な問題で省略しました。

煙室周辺の組み立て

煙室周辺も、塗装したパーツを接着して組み立てました。1のパーツは現役タイプの大きなものも付属しています。

モーターの再取り付け

再びモーターを床板に固定しました。最終的にキャブとの当たりなどがないか調整するためです。

煙室の接着

キャブとボイラーを床板にネジ留めし、前から煙室パーツを接着しました。このとき煙室パーツを床板に接着してはいけません。

上廻り完成

完成した上廻りです。

下廻りの組み立て(2)

輪心の接着

黒で塗装した輪心を車輪にゴム系で接着しました。
この模型はロッド連動はしないので、前後の輪心の向きはあまりシビアでなくても構いません。

非公式側の輪心

反対側は90度先行した位置に接着しました。

クランク軸のカット

クランク軸は、付属のプラパイプ短に通し、はみ出す部分をカットしました。
このプラパイプ短は単なる長さの目安として使うだけであり、カットしたら外します。

クランクをプラパイプに接着

実際に接着するのはプラパイプ「長」のほうです。瞬間接着剤でクランク軸に接着しました。

プラパイプの固定

前側(1)にはプラパイプ短を、後ろ側(2)にはクランクのプラパイプ長を、それぞれエポキシで接着しました。

クロスヘッドの取り付け

クロスヘッドとスライドバーはよく磨き、ピストン棒は説明書に従い4.0mm弱にカットしました(作例では3.8mmくらい)。

クロスヘッドをスライドバーの後方から差し込み、メインロッドのビッグエンドをクランクの根元にはめ込みました。この状態でスムーズに動くか、指で回して確かめます。
クロスヘッドが一番前に出るあたりで何か引っかかりを感じるようなら、ピストン棒がまだ長い可能性があるので、少しヤスって様子をみます。削りすぎると抜け落ちて走れなくなります。

弁装置

弁装置も一部再現されています。2つの部品を組み合わせて、接合部を軽く閉じ、動くようにします。

弁装置の取り付け

1のリンクを横にしてフックに引っ掛け、2をクランクにはめ込みました。

モーターの取り付け

今度こそ最後のモーター取り付けです。動力フレームの前後位置を調整して噛み合わせを最適にし、通電して動くことを確認しました。

カプラーの取り付け

最後にカプラーですが、後部の取り付け座の穴が大きく、ネジがすっぽり入ってしまい、ネジ山が切れませんでした。仕方なくエポキシで穴を狭めて取り付けました。
しかし、これは下からネジを差し込んで、カプラーの穴にタッピングビスのようにねじ込んで使うことが想定されていたのでは?と、一度これを書き終えた今になって思いました。

完成

できました。組み立て時間はのべ8時間ぐらいでした。

伊予クラウス1号機 完成

伊予クラウス1号機 前から

伊予クラウス1号機 後ろから

R80の路面軌道も通過しました。機関車だけ到着しても乗れませんけど…。

伊予クラウス1号機と併用軌道

その他の機関車と

大きさをKATOのチビロコ、津川洋行のコッペル1号機と比べるとこんな感じです。

チビロコ
KATO チビロコ
これは自走しません。動力客車に押されて走ります。
伊予クラウス1号
トーマモデルワークス 伊予クラウス1号
今回の模型。低速から静かで安定した走りです。従来のBタンクの走りをよくご存知の方なら特に、走りの良さに驚かれると思います。
有田鉄道コッペル
津川洋行 有田鉄道コッペル1号機
先月発売されたばかりの小型機。あまり低速はききませんがちゃんと自走します。

ボールドウィン9号と伊予クラウス1号

今年発売されたトーマモデルワークスの2機。どちらも、小型機ながら良く走る模型で、小レイアウトには重宝すると思います。組み立ても比較的簡単でした。
Bタンクは非常に小さいため、古いポイントでは無電区間にすっぽり載ってしまうことがありますから、その点は注意が必要です。

しかし、今やチビロコより小さい模型機関車が普通に走り回るようになったのですから、時代は変わったものです。


[←前ページへ]

1 [2]

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る