ワールド工芸「クラウス10形 明治鉱業17号」キットの組み立てメモです。
同社のNゲージ蒸気機関車のキットとしては初めて、組み立て後の下廻りの可逆的な分解が可能となり、作業性やメンテ性がよくなりました。
2013.3.29
[1] 2
これは私が組み立てた結果のメモであり、組み立て手順の説明ではありません。途中の失敗もその順番どおり記載しています。
組み立て方法についてはキット付属の説明書でご検討ください。
小さいながらも本格的なキットです。部品も多く、入門用の簡単なキットを期待していると気絶するかもしれません。 修正部品も入っているので、出荷前にきちんと一度組み立てて確かめたものと想像します。それが当たり前のように思われるかもしれませんが、世の中には出荷まで一度も組み立てていないように見えるキットもあったんですよ…。何十年も前から。 |
添付の組立説明書からは組み立て手順をうまく解明できず、作業を進めながら考えました。
下廻りの手順はかなり詳しい文章で書かれているので間違いなくできますが(※注)、上廻りの説明は素っ気無く、どこから手を付ければいいのか迷います。
※2014年追記
3作目のクラウス26号から下廻りの組み立て手順は削除され、代わりに「特記のない部分の他は、特に組み立て順序を示しておりません」の注意書きが追加されました。なお上廻りで板の重ね具合が分かりにくい箇所は、断面図が追加されるなど、何らかの配慮はされています。
何かいい誤記ですね(笑)。 |
さっそく組み立てます。
簡潔に書くために現在形で書いているところが多々ありますが、やった結果を並べているだけです。
キャブとタンクを構成する部分です。
車体を壊さないように、まず内張りを重ね合わせて固定しました。 丸いハンダ穴と、スリット状のハンダ穴があるので、コテ先を細いドライバーのように平らに削っておくと使いやすいです。 |
|
後部の2本のスリットは、あとで床板をはめ込むときにやりやすいように用意されていると想像します。よって、ここにはハンダを流さないでおきます。 …しかし、あとで後部の板をハンダ付けするときに流れてしまったのでした。 |
|
炭庫の上部を、外側に45度ぐらい折り曲げました。 |
|
タンク後部の板は2枚重ねになっています。 |
|
|
|
いずれも、足を差し込んで、内側からハンダ付けしました。配管や手すりはすべて同じ要領です。 |
|
後部床板を山折りに貼り重ねて固定しました。断面からハンダを流し、ヤスリで整えます。 2個の丸穴にはM1.4タップを立ててネジ切りしました。 ネジを切ると穴の周囲が少しめくれ上がるので、それもヤスリで平らにしておきます。 |
|
ネジを切った後部床板を、タンク内側の穴とスリットにはめ込み、固定しました。 突っ張るような感じでうまくはまらないときは、無理せずに左右2本ずつのピンを少し削ります。しかし、削りすぎると固定の基準を失って苦労します。 |
|
|
|
炭庫仕切り板には修正部品があるので注意 後部妻板は山折に張り合わせました。その下部に炭庫仕切り板が付くようですが、どんな具合に付くのか様子を見ているところです。 |
|
ここでは両者を結合せず、ばらばらに取りつけることにしました。 |
|
後部妻板を曲がらないように合わせ、固定しました。 |
|
|
|
今度は前側です。始めに窓のひさしを曲げました。 まず曲げ筋のついた裏板を180度山折りして重ね(固定はしない)、2枚いっしょにヤットコで少しずつ曲げて丸みを付けます。曲げ終わったら裏板を切り離します。 |
|
前部妻板には修正部品があるので注意 前部妻板を折り重ねて張り合わせ、先ほど曲げたひさしを差し込んで固定しました。 |
|
ひさしを付けた前部妻板を、車体にはめこんで固定しました。 これでようやく車体が箱組みになりますが、まだサイドタンクの前方は開いており、そこは床板に固定するまでこのままなので注意が必要です。 |
|
窓の両側に、バタフライスクリーンを固定しました。 |
|
次は屋根です。
|
|
前後の妻板の突起を、屋根の前後の小穴に差し込んで固定しました。 |
|
サイドタンクの上部・内側側面を折り曲げて組み立てました。 上部の手すり取り付けは上級者向きとありますが、穴を開けて差し込むだけなので、時間のある人向けもしくはお好みでという感じでしょう。 |
|
組み立てたサイドタンクをぴったり合わせて固定。 |
|
反対側も同様に取り付けました。 |
|
キャブの扉に手すりを取り付け、入口に重ねて裏からハンダ付けしました。 |
|
キャブ下のステップを取り付けました。
しかし、踏み板から下側にはみ出した足をヤスリでゴリゴリやっているうちに、根本からステップがちぎれてしまい、真鍮線を沿わせて修理しました。不注意で度々余計な時間を取られます。 |
ボイラーに取り付けるロストパーツを下準備しました。
あとは、接合面をあらかじめ磨いて生地を出しておきました。 |
|
各ロストパーツをボイラーに固定しました。 |
|
前側の砂撒管は、床板を取り付けてから付けます。 |
|
|
床板に必要なパーツをあらかじめ固定しておきました。
|
|
|
|
ボイラーを本体に取り付けました。 先にボイラー側に赤線のパーツH1-36を引っ掛けておけばよかったです。あとでは付けにくい配管でした。 |
|
|
|
左右のステップを固定しました。 |
|
|
|
|
|
これで上廻りは終わったはずですが、 |
|
なんでもない |
ハンダ付けなので、失敗してもある程度は付け外しが効くのでした。ただNゲージの場合は板が薄く、再加熱して外すときにボコボコになりやすいです。
下廻りのうち、ハンダ付けが必要な部分・塗装が必要な部分を先に組み立てておきました。
どの部品も、「T」マークのある穴にはM1.4タップを立て、そのめくれも平らにしておきました。 |
|
車輪座の表には、車輪押さえを重ねてネジ止めする構造です。 |
|
加減リンクは固定式です。先端の角穴をエキセントリックロッドがスライドする構造です。塗装後に加減リンクの模様を磨き出し、ネジ止めします。 |
|
シリンダーブロックを組み立てます。
|
これで部材は全部できました。
こうして書くと、大きな問題もなくスッとできているように見えますが、実際は結構悩みながら組み立ての順番を考えておりました。
続いて塗装と下廻りです。
[1] 2