Nゲージ蒸気機関車2010年のメモ>2010.6.2(関水金属カタログのレイアウト)

関水金属カタログのレイアウト

2010.6.2

先日ご紹介したトミーナインスケールの「大ターミナル駅のあるレイアウト」に先んじること5年、関水金属時代のカタログ表紙を飾った「あの」レイアウトです。 ベテランの方なら誰もがご存知と思います。これを想像で現代のユニトラックにアレンジしてみました。


「リバース線と転車台のあるレイアウト」

40年前のカタログ(有限会社関水金属・150円)より引用のうえご紹介させていただきます。

関水金属 カタログ表紙
(※関水金属 N GUAGE SCALE MODELカタログ1971より画像引用)

1970年代、関水金属のカタログやレイアウトプラン集の表紙を飾っており、当時の関水金属製品の象徴のようなレイアウトです。

製作者は保里 康太郎様という方で、同サイズのレイアウトの詳細な製作方法を、当時の本「Nゲージ」(「模型とラジオ」別冊・科学教材社発行)にて発表されていました。

およそ1000×600mmという机に乗るサイズに雄大な風景やターンテーブルが作られており、ショーティーではない4〜5両の編成が走れます。当時主流だった16.5mmゲージではほぼあり得ない光景で、これを見ただけで「9mmゲージとはこういうものなのか!」と理解できる印象深いレイアウトです。

まだ日本型の建物やNゲージ用のレイアウト用品もほとんどなかった時代に、製作者様の見事なセンスでまとめられています。

建物やヤード照明灯には灯りが点ります。デュアルキャブ・コントロールで、左端には50cmの折りたたみヤードまであります。 建物にはヘルヤンの貨物駅、製材所、そして盆景用の農家なども利用されているようです。
当時のひとつのスタイルである山岳・農村風景になっていますが、現代なら右手の山を林立するビルに置き換え、都会の高架をイメージしたレイアウトにしてみることもできそうです。


ユニトラックでの構成

実物の詳細な紹介が過去になされていたかもしれませんが、ここでは表紙写真からの想像で配線を考え、事務机に載る1000×600mmに敷設しました。
実物はフレキシブルレールが主体のようで、現在の同社直系の規格であるユニトラックで正確に再現することは困難ですが、なるべく実物の感じが出るようにしてみました。

関水金属カタログのレイアウト ユニトラック版

4番ポイントの制約により、ポイントの集合部分は未加工で同じに組むことはできません。ここでは道床を加工して実物と同様につなぎました。
全体的にはなじませつなぎの強烈なもので、理屈には合っていませんがつながります。

実物では一番手前の横ラインは一直線ではなく、中央部が若干内側に寄っているようで、ポイントのL・Rの使い方も逆に見えるところがあります。しかしユニトラックで同一にするのは難しいので、そこは直線としました。

橋脚はトミックス製のジョイントを外して仮に使いました。左側の勾配が下側の線路に重なる部分があり、橋脚の7番が置けません。きちんと作るなら下側の線路をまたぐような橋脚を工夫する必要があります。

青色のリバース部は両ギャップ(▲印の部分)を設けて本線と分離し、別のフィーダーにします。昔のパワーパック・デラックスやKC-1なら、逆転スイッチが2個あるので簡単に配線できますが、 現在のユニトラック製品にはリバース用の逆転スイッチがありません。リバースにはパワーパックを2個使わせる方針のようです。または自分で別途スイッチを工夫します。
本線の赤いフィーダー2箇所は、分岐コネクターでひとつにまとめてパワーパックに接続しました。

なお、実物では手前のラインもリバース区間の一部となっていて、本線とは2箇所の渡り線の中央に両ギャップを置いてブロック分けされているようです。このあたりは運転の方法に応じて色々考えられると思います。

実際の敷設例

ターンテーブルは手ごろなものがないので、先日作ったワールド工芸の下路式を置いてみました。

組みあがった様子1

勾配は結構きついので機関車は一苦労ですが、カタログどおりちゃんとC11+オハの編成が走ってくれて感激します。

組みあがった様子2 リバースなので、反対の駅に到着して戻ってくると、出発前とは編成の向きがそっくり入れ替わっているのが面白いです。

ポイント部分

手前右のポイント密集地帯が問題です。4番ポイントの道床がじゃまでつながらず、補助線路も使えないので、矢印の部分をカットしました。

ポイント

道床をのこぎりでカット
その方法は極めて乱暴で、のこぎり(タミヤのカッターのこ)でゴリゴリ切っています。もちろんあらかじめ中を調べて、切ったらヤバいものがあるかどうかは確かめてあります。
基板のジャンプ
基板の一部まで削った箇所があり、分断したプリント配線はリード線をつないで直しました(このままではフタができないので付け直しましたが…)。

なおレイアウトサイズを20センチ程度大きくしてやれば、こんな切削をしなくても、補助線路を使い一部の配置を調整して組むことができます。

運転の方法

本線を外側から回ってオーバークロスするリバース線になっています。

本線を走行

本線は内側のエンドレスです。
たとえば機関庫から出てターンテーブルで向きを変えたC11は、手前の駅で客車を連結して本線を周回走行します。

リバース線に進入

終点に近づいたら、上部のポイントを切り替えてリバース線に進入します。

列車全体がリバース区間に入ったら、すぐ本線の逆転スイッチを切り替えて、極性を逆にしておきます。

終点に到着

リバース線を抜けた列車は終点に到着します。

なお、リバース線を抜けたら、すぐ最初の渡り線を通って再び本線に合流することもできます。最初は反時計回りの周回だったのが、時計回りの周回となり、 列車全体の向きがそっくり逆転しています。

机に乗るぐらいのサイズにローカル風景を作り込んだレイアウトは、すぐ日本のNゲージの典型的なスタイルとして多くの人に取り組まれるものになりましたが、 そのイメージ作りにこのレイアウトが果たした功績は大きかったものと思います。Nゲージの黎明期に苦労の末レイアウトを作り上げて来られた方々のご努力に感じ入ります。

長編成の電車には向きませんが、蒸気機関車がお好きな方なら、これぐらいのサイズで無理なく楽しめる列車の姿をいくつでも思い付かれると思います。 そして、こうしたレイアウトで活躍するのに最適なC11のフルリニューアルなども期待したいですね。←結局、そこかい(笑)。

今これをユニトラックやファイントラックで組むなら、思い切って横幅を1,400〜1,800mmぐらいに長くしてやると、少し余裕のある運転ができ、トミックスのターンテーブルも楽に置けるようになると思います。


「Nゲージ蒸気機関車」トップページへ