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樺太鉄道60形(鉄道省7720形)の組み立て その1

樺太鉄道60形(鉄道省7720形)

ワールド工芸から発売された真鍮バラキットです。
金属製品はプラ量産品とは異なり極めて少量多品種で、蒸気機関車でも従来あり得なかったような形式が発売されてきています。

2018.12.15

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この記事はキットの組み立て方ではなく、単に筆者自身による組み立て結果をご紹介するものです。途中の失敗や間違いもそのまま記載しています。
製品にも出荷時期によって違いがあるかもしれません。

説明書からは組み立て順を一見読み取れませんが、よく読むと最初に取り付けるもの・後に取り付けるものがメモされていることがあるので、目を凝らしておきます。

キャブとランボード

たいていのキットで、テンダー機のキャブは構造上独立しているので、よくわからないときは先にキャブから手をつけています。
本当にわからないときは、各部を仮組みにとどめ、全体の構成が見えてきてからきちんとハンダ付けしています。
(わかっていると思い込んでいて、実は正しくわかっていなかったときに失敗します)

キャブ内張りの折り曲げ

キャブ外装は期待通り曲げ済みになっています(そうでないキットが多い中、いつもながら本当に感謝)。
内張りになるA1-1は、折線を内側に谷折りして、四角い枠にしました。
A1-1の下側には、あとでランボードに差し込むピンが左右2本ずつありますが、うっかり片側2本を短くカットしてしまいました。多少取り付けにくくなりますが、まあ何とかなりそうです。

内張りを固定

キャブ外装の内側に内張り(A1-1)をぴったり重ね、裏側のハンダ穴からハンダを流して貼り合わせました。

写真は貼り合わせ前のものです。このキットのハンダ穴の周囲は、薄くエッチングされているため、ハンダごてが穴の底にきちんと命中しやすく、熱を伝えるのが楽でした。

キャブ外側のディテール

キャブの外側に、妻板(A1-2)・天窓(A1-3)・左右の手すり(H2-13)を取り付けました。
キャブの部品は比較的少なく、これで終わりです。

ランボード貼り合わせ

ランボードは真鍮板の2枚重ねです。途中に屈曲部がない直線状で、前方のデッキ部はあらかじめ曲げられているので簡単です。
写真はランボードの組み立て後、裏側から撮ったものです。要所にあるハンダ穴などにハンダを流して貼り合わせました。

デッキ部分の組み立て

前デッキには、網目のエッチングされたエプロン板(※)と、台枠先端部(A1-5)、端梁(H2-1)をハンダ付けしました。カプラー解放テコも端梁と一体化しているので、折り曲げて形を作りました。

デッキの曲げは実物に比べて少し浅いのですが、プロがやっても難しいところを私が曲げ直して成功するはずがありませんので、そのまま使いました。

キャブと缶台の取り付け

ボイラーは何度もランボードに合わせながら部品を取り付けていくことになるので、先にキャブと前方の缶台(A1-4)をランボードに仮付けしました。
キャブがちょっと曲がってしまったので、あとで修正しています。

ボイラー周辺

ボイラーの仮合わせ

ボイラーはきれいな円筒状に曲げられています。初めに煙室扉のロストパーツがぴったりはまることを確かめてから、ボイラー下側にある継ぎ目をハンダ付けして閉じました。

ランボードに載せてみて、前後左右の傾きを確認しているところです。ボイラーはほぼ水平に取り付けられることがわかりました。

ボイラー上パーツの取り付け

ボイラーをランボードに合わせた状態で、煙突・サンドドーム・安全弁の位置を決め、ハンダ付けしました。

ボイラー側面に左右2箇所ずつ、ステップを取り付けますが、説明書にある部品番号 H2-6 は間違いです(H2-6は逆転レバーです)。
同じH2板にあったH2-9が正解だろうと思って付けたのですが、どうも別の板にあるA1-6が正しいようです。というのはテンダー下やキャプ下にも似た形のステップが付くことになっており(テンダー下の部品番号も間違っています)、すべてに同じH2-9を使うと数が足りなくなるのです。

ボイラー上配管の取り付けと穴開け

次に2本の配管 H2-16とH2-17を付けました。

H2-17のほうは、2箇所ある取り付け足と、ボイラーに開けられている穴の間隔が合いません。とりあえず、前方のピンが入る穴を前側に開け直して取り付けました。元の穴はハンダで軽くふさぎました。

ボイラー上の残りの配管

付属の0.3mm真鍮線を曲げて砂撒き管を作りました。向こう側の砂撒き管は先に付けた配管H2-16の上になり、こちら側の砂撒き管は配管H2-17の下になります。が、こちら側も上側にしてしまったため(やりにくかったです)、最後に修正しました。

最後にハンドレールH2-15を折り曲げ、ボイラー両脇に差し込んで固定しました(この写真は固定前のものです)。

内側の脚を削り取る

ここで、ボイラー内側に出ている取り付け足やハンダを、ヤスリで平らに削り落としておきました。
最終組み立ての際に、ボイラー内側にウェイトが入り込むためです。

ウェイトの仮合わせ

ウェイトを差し込んで具合を見ています。
ウェイトの下部には、あらかじめ1.5mmドリルで下穴を開け、M1.7×2.5タイトネジをねじ込んでネジを切っておきました。ここでは、取り付けられることのみ確認し、ウェイトはいったん外しておきました。

ボイラー固定

ここでボイラーをランボードとキャブに固定しました。
しかし、キャブの妻板に差し込まれているボイラー上の配管類は、まだキャブ側には固定していません。あとでキャブの前傾・後傾が発覚したときに、修正しにくくなるためです。

フロント周辺〜その他

煙室扉とデフ

左右のデフレクター(H2-4・H2-5)は、それぞれ上部を少し斜めに曲げてから、内側の補強枠を折り重ねて貼り合わせ、ボイラーとランボードに固定しました。

デフを付けてから、煙室扉ハンドル(H2-19)を付けた煙室扉をボイラーに固定しました。煙室扉の上部の突起は、手すりのライト台座(※)に重ねてハンダ付けしました。
最後にライトをハンダ付けしました。

フロントの残りパーツ

2本のつかみ棒(※)を取り付けてから、左右のステップ(H2-10・H2-11)を折り曲げて組み立て、デッキ下に固定しました。このステップは1枚の部品を折り曲げるだけで、中段も含めたステップが丸ごと完成するうえ、取り付けもしやすいです。

端梁に残っている小穴には、テンダーを参考にホース部品(H2-14)を付けておきました。これは説明書に記載がありません。

ランボード上の残りパーツ

ランボード上にロストワックスのバルブ(※)と、逆転レバー(H2-6)を固定しました。
公式側の砂撒き管は他の配管の下側を通るように付け直しておきました。

仮付けのまま様子を見ていた箇所を、すべてしっかりハンダ付けし直してから、熱に弱いホワイトメタルのスチームドームを接着しました。
これでエンジン部上廻りは終わりです。

テンダー上廻り

外板貼り合わせ

テンダー車体は曲げ済みです。内外の板を合わせ、ハンダ穴からハンダを流して貼り合わせました。

折り目になっている下側の縁にも、めくれないように少々のハンダを流し、平ヤスリでまっすぐにしておきました。

炭庫仕切り板

炭庫の底板(A2-8)を折り曲げ、後方に仕切り板(A2-9)と、水タンク蓋(※)をハンダ付けしました。

テンダーの箱組み

テンダー本体に、組み立てたA2-8と、炭庫妻板(A2-4)を挟み込んで、テンダー全体を四角い箱にしました。
底が平らになるよう注意が要ります。

テンダー前側の部品

まず左右に手すり(H2-13)を取り付け、裏側に出っ張った足を平らに削ってから、A2-5とA2-6を付けました。

テンダー前端

テンダー前端の枠(A2-7)を付けてから、曲げ済みのテンダー屋根を上からかぶせました。仮付けして具合を見ているところです。
最後にRの合わないところをハンダで埋めたり、削り合わせたりしました。

テンダー後部

今度は後部です。カプラー解放テコ(H2-3)の次にハシゴ(H2-12)を付け、最後に熱に弱いタンク(※)を裏側から素早くハンダ付けしました。接着のほうが安全かと思います。

テンダー底板

熱に弱いタンクを最後に付けたつもりが、底板(A2-10)を付け忘れていまして、ここでハンダ付けしました。
これでテンダー上廻りは終わりです。


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