C62山陽形(呉線)のATS車上子を移植の続きです。
最後にふれた、3Dプリンターでの作成も実際にやってみました。
2017.7.25/2017.10.14
C62山陽形(呉線)のATS車上子から、基本的な寸法を写し取って作図しました。
例によって少し太めに作り、支柱の形は単純にしました。実物にも色々あるので、こだわる方は3Dデータをガッツリ作り込めます。
ちょっと遊んで曲がったケーブルも付けてみました。
内側の台座部分は、C62北海道形のテンダーの中身にそのまま入るよう、幅7mmとしました。長さは11mm、厚さは1.4mmとしました。
使用した3D CADプログラムは DesignSpark Mechanical です。
Autodesk Fusion360に乗り換えようとしていたのですが、私のPCでは重くて快適に使えず、今回はあきらめました。
(無料アプリしか見ていないあたりがアレですが)
小さいので4個つないだ形で入稿し、黒でアクリル造形してもらいました。費用は2000円少々でした。
いつものように、インクジェット方式の Projet 3500 HDmax です。ふだんは Xtreme high definitionモードで出力してもらいますが、今回はそれより一段下の Ultra high definitionモードにしました。 モデリングが大雑把なので、細かい再現が必要なかったのと、着色済みにしたかったためです。私が利用した出力サービスでは、Ultra high definitionモードならカラー指定ができました。
ATS車上子の細い支柱が輪切り状に積層されると弱いので、写真のように置いた場合、上方向に積層されることを狙いました。
といっても具体的な方向の指定はできないため、Z軸が上下方向になると仮定してモデルを配置しただけです。結果は、その通りに積層されていました。
使う3D CADのプログラムによって、Y軸とZ軸が違ったりしますし、出力時に積層方向がどのように扱われているのかはよく理解していません。3D CADの編集画面上に出るXYZ軸の表示方向とは関係ないのかもしれません。
超音波カッターで慎重にツナギをカットして4個に分離しました。部品の準備はこれだけです。
テンダー底板の古いATS車上子はカットし、穴を少し切り広げておきます。
前回C62山陽形のATS車上子を移植した、C62 3 北海道形のテンダーをそのまま使ったので、すでに加工済みです(写真も前回のものです)。
3Dプリンターで作ったATS車上子を内側から差し込んでみたところです。
前回切り広げた穴の形は、特に問題なく合いました。
網目のような模様が付いていますが、これは造形時に垂直面についた何らかの痕です。ほか、積層の最上面にはさざ波のような模様が付きますし、垂直面にサポート材が付いたところには木材のような模様が付きます。
テンダーの中身の底板に合わせてみたところです。幅はぴったり合いました。
本当はこのままテンダー外装にパチンとはめ込めば完了のはずだったのですが、一部寸法の拾い方が間違っていて、重力で0.5mmほど車上子が下がってしまいました。
上面に両面テープを貼って、ウェイトの底に密着させました。
改めて、テンダー外装にはめ込んだところです。あとは台車を取り付ければおしまいです。
今回3Dプリンターで作ったものです。
こちらはオリジナルのC62 山陽形(呉線)です。
簡単なATS車上子の交換をいくつか試し、空気作用管の小加工も終わったので、C62 2・3 北海道形の私的リニューアルは終わりにしました。
LEDは以前に高輝度品に交換してあったため、ライトもオリジナルより明るく光ります。
C62 3 北海道形
C62山陽形(呉線)
3D CADの作図は画面をうんと拡大して楽にできますし、実際の加工(造形)自体は3Dプリンターが安定的に行ってくれますから、工作時に手元が狂うような失敗は少なく手軽にできます(別の種類の失敗は色々ある)。
ただ現状、私が3Dプリントを行うのは一年に数回程度なので、まだ自分で何らかの3Dプリンターを購入するよりは、業務用機での出力サービスを利用したほうがよいようです。
参考までに、細かなフィレットなどを除いた概形の寸法は次のようになります。私が作ったもので、寸法に妥当性はありませんのでご了承ください。
寸法線の入れ方がでたらめで申し訳ありません。