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小さい照明塔を作る(3Dプリンター) Anycubic Photonによる出力

昨年作った照明塔を、低価格の光造形式3Dプリンターで出力してみました。
使用機種はAnycubic Photonです。ちょっと意外な結果にもなりました。

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3Dモデルを一部追加

照明塔全体

基本は前ページのデータと同じですが、中央部にハシゴを付けてみました。
今回は自分で出力するため、多少細い部品でも無理はききます。

ハシゴ部分拡大

ハシゴの縦棒は太さ0.4mm、厚さ0.6mmとしました。まあ大丈夫だろうという程度で、特に根拠はありません。

出力

出力結果

横倒しに出力したほうが早く終わりますが、このプリンターの水平造形寸法(約5.5インチの液晶パネル大)をオーバーするので、縦にしました。
サポート材を付けなくてもまっすぐに立てて造形できそうな形ですが、垂直では出力時間がかかって私の就寝時刻に1時間食い込むので(笑)、少し斜めにしました。

積層の厚さも基本の0.05mmより若干厚い0.06mmにして、少し早く造形が終わるようにしました。あまり厚くすると、各層の露光時間が長く必要になるので、気持ちだけ…。

ハシゴが曲がっている

一見、うまく造形できたように見えるのですが、




あれれれれ?

ハシゴがぐにゃぐにゃです。

しまった、ハシゴのデータを作っただけで安心して、鉄塔の内部にちゃんと固定していなかった!

ハシゴの歪み

モデリングのミスです。ハシゴの一番上と一番下のみ固定し、中間部がフリーになっていました。造形中の支えがなくて、ぐにゃぐにゃになってしまったのでした。

しかし、毎層ごとに樹脂バットの底から引き剥がされる力を受ける割には、ハシゴは途中で途切れたりせず、最後までつながっていたのは驚きです。

データ修正と再出力

ハシゴデータの修正

翌日、データを修正して仕切り直しました。
ハシゴの要所に、外側の鉄骨と連結する支えを付けました。

前日と同じようにサポート材を付け直し、同じ出力条件で再出力しました。

再出力したハシゴ

出来上がりました。今度はハシゴもまっすぐのようです。良かった…。

端のほうだけ歪み

ハシゴの一番端だけ、少々のたるみが残りました。このあたりは初めの方で造形されるので、最後まで繰り返し層ごとの引き剥がしの力を受け続け、何か伸びてしまったのかもしれません。
実は造形終了直後はもっとたるんでいたのですが、紫外線による二次硬化処理を行うと、これぐらいに収まりました。

この程度なら、この鉄塔の通常の使用には問題ないと思います。もっとサポートを強化したり、層ごとの露光時間を長くすれば防ぐこともできたと思います。

表面の様子

Anycubic Photonで造形した表面の様子です。
Anycubic純正の紫外線硬化樹脂(グレイ)を使用し、積層ピッチ0.06mm、露光時間8.5秒で出力しました。

下面側

造形時の下面側(サポート材の柱のない側)です。

0.06mmごとの積層が斜めに走り、規則的な線が見えますが、それほど乱れた様子はなく落ち着いて見えます。
リベットは層に沿って横長になってしまい、形は不明瞭ですが出っ張りがあることはわかります。

上面側

こちらは反対側です。サポート材が付いていた、造形時の上側です。

同じプリンター・同じ条件で出力したものには見えませんね。こちら側の造形は大体きれいには出力されません。何だかやっぱり、下面側に比べると不安定に凸凹した感じです。

しかし、つや消し塗装すると、色々なことがごまかされて一段以上きれいになります。ここが不思議なところです。

前ページの業務用機との比較

前ページで使った、Projet 3500HDMaxの出力と並べてみました。
ただしあのときは、最高解像度のExtreme High Definitionモードではなく、一段落ちるUltra High Definitionモードを使っていました。よって、やや解像度が落ちている状態との比較になります。
また、Projet 3500HDMaxのほうは、黒に着色済みであり、あとでつや消し黒に塗ったAnycubic Photonに比べると表面に艶があって凸凹が目立ちやすい状態です。

下面側

左が3500HDMax、右がAnycubic Photonです。Photonの下面側(きれいに出る側)と同じ面の比較です。

積層が粗いはずのAnycubic Photonのつや消し塗装のほうが、全体的には揃って見え、なんだかわからなかったリベットもそれなりに見えます。

※注:先にご紹介した8620形のリベットは直径0.2mmですが、この鉄塔のリベットは直径0.3mmと、1.5倍の大きさです。0.3mmくらいあればリベットも概ね出力されます。他にも色々条件がありますが長くなるのでいったん省略…。

側面

それぞれ90度横倒しにしたところです。積層の側面に相当するところです。

Anycubic Photonは、0.06mmの積層ピッチと、斜めの鉄骨の傾きの余りのせいで、斜めの線に乱れが見えますが、やはり全体的には結構見やすいです。全体にボヤッと出力されるので、表面の細かいギザギザが目立ちにくいのですね。 ただちょっと太めに出る傾向があるので、ややゴツい印象になっています。

左の3500HDMax(最高解像度ではない)では、この面には布目のような独特の模様が出て目立っています。このときの造形はベストな感じではありませんでした。

上面

こちらはAnycubic Photonが一番汚い面、すなわちサポート材が付いていた面です。

しかし、つや消し黒に塗ってしまうと、あまり悲惨ではなくなります。前のほうの未塗装の写真と比べると、なんだか別物に見えます。不思議ですね。

全体

左のProjet 3500HDMaxのほうが全体の寸法は正確に造形され、線も細く見えます。Anycubic Photonのほうは若干太めになりますが、フリーの建物ですし、あらかじめデータを少し細く作っておく方法もあるかと思います。

ついでに3500HDMaxのほうも、最高解像度で出力したものと比べてみたいものですが、そんなに照明塔は何本もいりませんので、このまま終わります。

というわけで他機種との比較はあまり参考になりませんが、Anycubic Photonで出力してつや消し塗装したものは、こんな感じになりました。
造形したものは結構固いです(使った紫外線硬化樹脂はAnycubic純正のグレイです)。ちょっとひねってみても、ねじれる様子がなく、無理にひねると折れそうな気がしてそれ以上はやっていません。Projet 3500HDMaxのアクリルのほうが、わずかに柔軟性を感じます。


ようやく設置

設置

私は線路わきの信号機もしょっちゅう壊してしまうので、背の高い照明塔をレイアウトに固定しても、たぶん手を引っ掛けるか何かで壊してしまうでしょう。
できれば使わないときに外しておけるよう、地面にそのまま接着するのは避けたいと思いました。

設置したベース面

結局、プラ板でスライド脱着式の電気接点付き台座を作りました。ちょっと分厚いですが、これが取り付けたところです。

横に引いて外す

片側に引くと鉄塔部分がベースから外れるので、使わないときには壊さぬよう、外しておけます。
とはいえ、使用時に手を引っ掛けるという根本的な問題は存在するので、ベース面も一応両面テープで地面に留めるだけにして、様子を見ています。

接点

地面の下からの給電を、鉄塔底部の接点により2個のLEDに通電しています。抵抗器は地面の裏側に付けています。

電源はKM-1の背面コネクタです。使っていなかったターンテーブル用の給電スイッチを挟んで、ON/OFFできるようにしました。

鉄塔の中央部には黒く塗った2本の金属線が上下を貫いており、頂上までの配線代わりにしています。

ポンチ絵

設計図?がこんな感じなので、それ以上のものも生まれなかったのでした。
しかし、ようやく光物をレイアウトにちゃんと設置しました。ただ、街のこれ以外の箇所は停電状態です。この先の電飾のめどは今のところ立っていません。


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