KATOのD51標準形のデフには点検口が開いていますが、これがない原形のデフが欲しくなったときはどうしましょう、という感じのことです。
もともとKATOの旧D51のデフは点検口がありませんでした。その頃はデフに点検口を開ける改造が流行りましたが、今のように普通に点検口付きになると、逆に点検口のない模型も欲しくなったりします。
金属製のデフを入手したり、プラ板などで自作して取り付けるのが順当だと思いますが、もしかしたらプラ板やパテで埋めて平らにしたという方もいらっしゃるかも…。
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先に発売されているD51 498のデフには点検口がないので、もしこのパーツを利用できれば簡単です。フロントデッキと煙室前面、それにデフが一体のパーツになっています。
ただしボイラー部のAssyを丸ごと買うことになるので無駄も多いです。塗装の光沢が違うので、気になるようなら塗り直しが必要です(気になる…と思います)。
フロントデッキは煙室扉のツメでボイラーに固定されているので、裏側からツメを外して煙室扉を取れば分離できます。
あっさり交換できます。この写真ではD51 498のスノープローも一緒に持ってきています。
ただの組み替えですが、点検口のないスタイルもなかなかいいものです。
またか(笑)。
デフパーツだけのためにボイラーのAssyを丸ごと買うのはもったいない気がするのと、せっかく3Dプリンターがあるので、似た形のものを光造形してみました。
色々と精度がよくないため、まるでキチンとできる気がしません。
元のパーツを3D CADで複製し、デフの点検口をなくすという作業になります。
パーツのあちこちを測って寸法を調べるのには結構手間がかかるので、ずるをしてパーツそのものをスキャナーで読み取ってしまいました。
だんだん手口がダイレクトで悪質?になってきたような気がします(笑)。
(これにボカシをかけても仕方ないと思いますけど)
スキャンデータをトレスして楽に作った…つもりが、全体の立体構造まで取ってこれるわけではありませんので、それほど楽にはなりません。
設計図では斜め45度になっているデッキ傾斜部やデフの切り落としが、スキャンすると微妙に違う角度になったりするなど、気持ち悪さもあります。そのままでもまあ、見かけはわからないでしょうが…。未修整です。
それでもたったこれだけですから、ほどほどの作業量でできます。 私の安い3Dプリンター(Anycubic Photon)で出力すると、寸法の狂いはスキャン画像以上に大きく出ますので、結局は出力してからの現物合わせで再調整が必要です。
最初の試作ができました。実は新しく買ったUV樹脂のテストを兼ねているので(白は初めて使いました)、これから色々な形で出力条件を変えて比べようと思っている、そんな段階です。
特に何か作品を作ろうというわけでもなかったので、積層ピッチはあまり細かくなく0.47mmとし、短時間で出力できるようにしました。
ただ、これは基本部分のみを作ったので、カプラー、解放テコ、バネ箱のパーツは製品から移植する必要があります。テストのたびにそれらを移植するのは何かと面倒です。
そこで次はこれらの細かいパーツも一体化してしまいました。
KATOのD51との表現の互換性?のため、デッキ傾斜部やバネ箱の上部には網目模様を付けました。元の模型と同じパターンのピッチにしたつもりだったのですが、今見ると少し粗いかも。もともと模型の記号的表現なので、製品もハッキリ見えるように多少オーバーにしてあるようです。
出力して黒で塗りました。どうしても、精度の関係でねぼけた印象になりますが、素人の造形としてはまあ許せる感じです。
D51標準形に取り付けたところです。
そこだけ3Dプリンター製だということがわかっているので怪しさはありますが、まずまず使えそうです。
網目模様も、何かあることが分かる程度には出ました。
元のパーツとは微妙に寸法が違っていることもあり、前面の表情も製品とは若干変わった印象です。
この作例はご覧の通り詰めが甘いのですが、追い込めばもっと寸法もきちんと合うと思います。興味をお持ちの方はやってみてください。安いプリンターでそのまま出力しても、この程度には出ます。
もっとも、これぐらいのものを1つ作るなら、プラ板などを切り貼りして形を作っていっても十分それらしくできると思いますし、表面もきれいです。
というか素直にデフだけ作ったほうが早いです(笑)。
少し続きます。
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