Nゲージ蒸気機関車2021年のメモ>2021.7.27

大滝製作所のD51について

先日大滝製作所のを組み立てた際(→レ7000)に並べてみたD51について。ちょっと見てみました。


大滝製作所 D51

有名なので改めて書くことはあまりありませんが、初出は昭和40年代のプラ模型です。初回品は動輪が輪心もろとも銀メッキで、早期にこのように改良されました。
私は昭和50年代に改良品を2度組み立てました。引っ越しのどさくさで1両目を失いまして(笑)。塩ビの陳列ケースとともに目立つ長い箱に入っており、外見的にわくわくする製品でした。

現在はアリイ(→マイクロエース)に引き継がれており当時の陳列ケースはなくなっています。細部の変化は存じません。

後方から

極力、説明書の指示どおりに組み立てていたと思いますが、何せ昔のことなので塗装などは本当にこの指示だったのか自信がありません。部品の接着方向を間違えているように見える箇所もあり、破損・脱落した部品もところどころにあります。

安全弁は2本とも失い、つまようじに紙帯を巻いて作った覚えがあります。

以上2枚の写真は拡大します。いわゆる鉄道模型ではなく昔のプラ模型です。外見的に謎なところは枚挙にいとまがありませんが、ばらつきこそあれ当時の鉄道プラ模型は概ねそんなものだと思います。
全長は大人の肘から指先までほどあり、大きさからくる全体的な迫力が一番の魅力になっています。

むかし部屋に飾っていた時は見慣れて大きく感じませんでしたが、久々に出してみるとやはり大きく、それだけで何だか嬉しいです。この体験は全然悪くありません。

…とはいえ不思議なところはホントに不思議です。別に嘆いているわけではないですヨ。作り変えたければ作り変えられるところはたくさんありますし、それもプラ模型の遊び方でしょうから。

前面

目立つところで扉の直径やふくらみ方も独特な気はしますが、ナンバーが大きくてビックリ顔なのが一番心配しちゃうところです。

下のばねカバーの前方が、ずいぶん大きくめくれ上がっているのはデフォルメの一環でしょうか。しかし全体的にはD51の顔になっています。

キャブ側面

キャブ側面です。ナンバープレートの下に札挿しが2つありますが、この表現では札が挿さらないのではないかなぁ。前側の小窓のふたも合わせて、いずれも細い角丸のフチになっているのが珍しいです。

清缶剤タンク

簡単な清缶剤タンクが付いています。上部のふたはたいてい中央にありますが、ここまでズレているのもあったのでしょうか。結構個体差もあった機器なので私の知識では否定もできず、単に知りません。

キャブ下

本来は分配弁や複雑なブレーキ配管のあるキャブ下に、潔く何もありません。

まあ設計も面倒くさいですものね(笑)。中途半端なディテールがあるより、何もないほうが作りやすいこともあるので、やる人はやる箇所かと思います。

ドームと汽笛

そんな中でドームはよくできていると思います。ちょっと砂箱部分のズレがC61 1号機風なのが惜しいぐらいですが、よくここまでまとめられたなという感じです。ドームってなかなか的確に表現されないんですよね。特にプラ模型では。

汽笛は独特な変形アレンジになっています。

テンダー

先日ご紹介した同じメーカーのレ7000は床下も力の入った作りでしたが、このD51のテンダーはそれに比べて大変簡素です。
ブレーキ装置の類はまったく見当たりません。妻面に手ブレーキハンドルもないという徹底ぶりです。

台車は標準形では少数派だった鋳鋼製です。台車は固定されており首を振りません。

大滝製作所 D51とKATO D51

写真の手前にあるのはKATOのNゲージのD51です。大滝のボイラー内にいくつか入ってしまいそうです。

細部は物足りなさもあるものの、当初2000円台だった価格の割に全体のシルエットは整っており大きさも立派なので、アリイに引き継がれて現在まで生き延びてくれてよかったと思います。 いつもお店にあるのが当たり前のようになっていますが、今後もそうかはわかりません。
この1/50シリーズには形式によって出来栄えに結構なばらつきがあり、最近見ても絶句したものもありました。

私はこのD51が特に組み立てにくいと感じたことはありませんが、今の設計のプラ模型と比べるとどうでしょう。私は逆に今のプラ模型をほとんど知りません。


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