Nゲージ蒸気機関車2022年のメモ>2022.1.28

銀河鉄道999 プラ模型(バンダイ)の客車

銀河鉄道999 プラ模型の箱絵の完成写真

1979年にバンダイ模型(当時)が発売したアニメ系プラ模型です。同年の映画公開とともに各種発売された「銀河鉄道999」シリーズの中では異色で、中身はほぼ国鉄車両の鉄道プラ模型(縮尺1/80)ということでよく知られています。
手持ちのキットは映画2作目のときに再販されたもので、商品名も「さよなら銀河鉄道999」となっています。その中の客車のみを組み立てました。


当時ありふれた品でしたから組み立てた方は多くいらっしゃると思います。私も発売時に模型店で積まれていた様子を見ていますけども、ここで組み立てたのは10年以上経ってから中古店で購入していたものです。中身があんまり普通の鉄道プラ模型なもので、組み立てればできるんだろうな〜と思ってしまい、安心して放置していました。

客車ランナー

客車は国鉄スハ43をもとにしているようです。これだけ見れば普通のスハ43の鉄道模型プラキットに見えます。
ちゃんと側板と屋根板が色分けされているのがいいですね。

私はこれが1976年に発売されていた鉄道模型メーカーの客車プラキットと同じ金型だと聞いたように思うのですが、確実な情報に行き当たらず再確認できませんでした。
見たところ似ている箇所もありますが、ランナー配置や部品形状には差異も多いように感じました。色々な製品について聞いた話が私の中でごちゃまぜになっているかもしれません。

なおバリがほとんどありません。一部小パーツにヒケがみられる程度で表面もきれいです。

というわけで組み立てます。

組み立て

車輪の打ち込み

車輪はプラ製ですが、シャフトは金属製です。

シャフトを打ち込むための台も付属しており、これを使うとシャフトを決まった深さで打ち込むことができます。

完成した車輪

プラ模型の車輪には車軸までプラ製のものが多く、まっすぐ接着できなかったり車軸にバリがあったりするものも珍しくありません。
それらに比べると、このキットの車輪は大変しっかりしたつくりで好感が持てます。平軸なのでピボット車輪ほど軽く回転しませんが、安定はしています。

台車の組み立て

台車は前後左右の4ピースで、枕梁は中央で左右に分断しています。

左右を合わせる際、位置決めになるようなポッチはありません。車輪を入れ、車軸の平行を確認しながら接着しました。

組み立てた台車

ちょ〜っと疑問もありましたが説明書とまったく同じに組みました。

はっきりしなかったのは軌間で、私の作例では約15mmといった感じでした。写真はKATOの16.5mmゲージ線路に載せており、向こう側の車輪はすべてレールに届かず落輪しています。

車輪をもっとシャフトの外側にずらせば16.5mmにできそうですが、台車枠の幅が狭いため、いくつか加工しないと車輪が接触して具合が悪くなりそうです。

床板

長い床板には、水タンクなど大部分の床下機器が一体成型されています。

床板のパーツ

蓄電池箱など数個のパーツを接着すれば終わりです。

台車取り付け

台車は下から差し込んで90度回し、つまみ付きのCリングをパチンとはめ込んで留めます。

1方の台車はこれがきつくて台車が回転せず、少しずつ削って調整しました。

カプラー

カプラーはNゲージとほぼ同サイズのアーノルドタイプです。

ネジで留めますが、その袋穴が浅くてネジがつっかえ、しっかりねじ込めませんでした。ドリルで穴を貫通させて対処しました。

復元機構はないのでぶらぶらしており、360度回ります。まっすぐにしてネジでしっかり固定したほうが使いやすいかもしれません。

ベンチレーター

一般のプラ模型としてはディテールもしっかりしたベンチレーターです。しかしヒケはすごいです。

ベンチレーター

屋根は黒成型で、表面が梨地仕上げされており悪くありません。

ベンチレーターの取り付け部に小さい突起があり、位置を合わせて接着します。取り付けの際に部品で突起が隠れるのでちょっと合わせにくいです。

妻板と幌枠

妻板はぶどう色2号です。茶色の成型色なのではなく、ちゃんと塗装されています。

接着面の塗装をはがし、幌枠を接着します。

妻板の接着

説明書の順番通り、まず先ほどの屋根板に前後の妻板を接着しておきました。

妻板と屋根板には接着しろが十分あり、固定しやすいです。確かにこのキットの場合、先にこのように形作っておくと、あとで側板を接着する際に箱形にまとめやすくなるような気がします。

側板

側板も塗装済みです。ムラもなくいい感じの塗装です。いくつかの鉄道模型の完成品より滑らかなほどです。

ガラスパーツ

ここまで見ると低価格の鉄道模型プラキットと呼んでもよいほどですが、驚いたのが窓ガラスで、成型色がクリアーイエローでした。

裏側には曇りガラス風的な加工もされており、半透明の仕上げです。座席など室内装置が何もないので、中が見えにくいようにしたのかもしれません。あるいはより黄色味が感じられるように加工したのかもしれません。

箱絵

箱絵を見ると、作中の客車の窓は黄色のようなので、それを忠実に表現したのかもしれませんね。窓の色というより照明の色でしょうか。勝手に鉄道プラ模型のつもりで組み立てていますけども、本来はあくまでもアニメグッズですから、アニメ表現が優先されているのは理解できます。

というわけでそのまま組み立てました。

ガラス接着

ガラスパーツ自体は合いもよく、平滑度もプラ模型としては結構よいです。取り付けは快適でした。

あとは側板を屋根・妻板に接着し、床板を取り付けるだけです。

全体の組み立て

車体が長いため、少しの反りなどで合いが悪くなり、きれいに組み合わせるには少々手間がかかりました。
(どうしてモザイクかけたのかさっぱりわかりませんが)

輪ゴムやテープで押えながら30分ぐらい格闘しました。何となくここが一番大変だったでしょうか。

完成

組み立ては楽しく進められました。窓が黄色いほかは普通に国鉄スハ43のプラ模型に見えます。
KATOのプラ製のスハ43(縮尺1/80)も並べてみました。

銀河鉄道999 客車

銀河鉄道999 客車(バンダイ)

スハ43 KATO

スハ43(KATO)

写真のレールはナガノのプラ模型に付属していた16mmゲージ(16.5mmではない)のレールです。バンダイの客車(15mm?)も、KATOのスハ43(16.5mm)も何とか無理に載せました。

バンダイ KATO
バンダイ KATO
バンダイ

バンダイ

KATO

KATO

以上、かつてバンダイが作った普通の鉄道プラ模型のようなアニメ模型というものでした。

このキットは機関車付きで1500円でしたから、当時の1/80スケールのプラ製客車キットを1両買うよりも安かったのですよね。台車を工夫すれば16.5mmゲージの線路を走れますから、このキットをいくつも買って、窓ガラスは透明プラ板などを利用し、安価に編成を仕立てた方もいらっしゃったのかもしれません。

機関車は組み立てていないのですが、これがなかなか当時の他社のプラ模型と併せて考えると興味深いものです。商品のねらいについて色々迷いがあったのではないかな〜などと思ってしまいます。


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