Nゲージを始めるには(11)

レイアウトの中にあって車両を引き立たせるのには欠かせない、建物について見てみましょう。


建物(ストラクチャー)

レイアウトに配置する建物は、色々なものが市販されています。建物といっても色々ありますが、家や駅のような建築物をストラクチャーといい、信号機や電柱のようなものはアクセサリーと呼ぶことが多いようです。

Nゲージの車両の縮尺は1/150が基本なので、建物もそれくらいの大きさで作られています。建物も車両と同じくらいの値段がしますが、簡単な建物は紙やプラスチックでを使って作ることもできます。初めは好きな建物をひとつ買ってきて、それに大きさを合わせて作ってみるとよいでしょう。物置や倉庫なら窓がなくてもよいので簡単です。

建物は、車両と同じくKATOやトミックスからたくさん売られていますが、ほかにグリーンマックスのプラキットが昔から有名です。組立・塗装を自分でしなければなりませんが、古くから商品があったため、蒸気機関車にも似合う建物やアクセサリーがたくさんあります。 最近はトミーテックの「建物コレクション」などが急速に普及し、模型店にも多数置かれています。

駅・ホーム

トミックスの駅

駅とホームはレールの形に適合して作られていることが多いので、購入したレールシステムと同じメーカーのもので揃えると便利です。他のメーカーのものがまったく使えないというわけではありませんが、複線間隔の間に置いて使うホーム(島式ホーム)などは、他のメーカーのものだと寸法が合いません。

上の写真はトミックスの「木造駅舎セット(グリーン)」(¥1,200+税)で、初代は1976年にさかのぼる商品ですが、大きさが手ごろなため今でも使われます。このほか、橋上駅舎や高架駅などの近代的な駅舎も、各メーカーからたくさん売られています。

ホームには、複線の中央にひとつ置かれる「島式ホーム」と、複線の外側に向かい合って2本置かれる「対向式ホーム」があるので、用途に合わせて選びます。ホームからホームに渡る跨線橋もあります。

小さいレイアウトでは直線部分が長く取れないので、曲線部にホームを置くと便利です。ただし市販の曲線ホームは、建物コレクションの「カーブホーム」など少数です。使用する車両がホームにぶつからないよう、確かめながら位置や寸法を決めてください。

駅・鉄道関連施設

KATOの鉄道関連施設

蒸気機関車の時代でも現在でも、駅や機関区には様々な建物があります。KATOからは木造の建物もたくさん発売されていますので、蒸気機関車の現役時代のレイアウトに利用できます。

上の写真はKATOの「給炭・給水セット」(¥5,400+税)、「機関区施設セット」(¥7,300+税)の一部です。機関区施設セットには、百葉箱や蒸気機関車の動輪のモニュメントなど楽しいアクセサリーも含まれています。 給水のためのスポートや各種機関庫、構内を照らすヤード照明塔も発売されています。トミックスやKATOの機関庫はプラットホームと同様、自社のレールのサイズに適合するよう作られています。

鉄道関連施設使用例

最近の完成品の建物は、かなり細かく彩色されているため、そのまま使用しても観賞に耐えますが、固定式レイアウトに配置するときは少し汚してみるとよいでしょう。タミヤの「ウェザリングマスター」など、プラ模型に簡単に汚しを施すための材料が各種売られています。最初は汚れているかどうかわからない程度にして様子を見、少しずつ濃さを調整していくとよいでしょう。自分で彩色するときもそうですが、あまりベタベタと濃い色を使うと不自然になります。

組立式のレイアウトに使うときは、テーブルの上など高いところに線路を敷いて建物を並べ、目線をテーブルと同じくらいの高さにして眺めてみましょう。テーブルの表面が見えなくなり、カーブが急なのもわからなくなって、車両や建物がまるで本物そっくりに見えてきます。

住宅・商店

コレクション玩具を利用した住宅

住宅は、古い農家から近代的な二世帯住宅まで非常に多くの種類が売られています。商店も個人商店から商用ビルまで数多くあります。 現在ではトミーテックの「建物コレクション」「情景コレクション」が、魅力的な品揃えで大変充実しており、特に昭和の情景を作るには重宝します。成型は簡易的なものが多いですが、彩色済みで組み立ても簡単です。

小さいレイアウトの場合、遠近感を出すために、遠くに配置する建物を少し小さく作ることがあります。また、色を塗るときは、遠くの建物ほど淡い色にしていくと、晴れた日の空気感のようなものを出すことができます。

アクセサリー

アクセサリーとは、人形・車・電柱・標識など、建物以外のアイテムです。線路を敷いて建物を置いただけでは、何となく殺風景な感じがすることがありますが、これらのアクセサリーを配置すると、急にレイアウトが生きて見えます。

アクセサリー類はとても小さく、人形など身長1センチ程度しかありません。その割に値が張るので、なかなか揃えられないパーツでもあります。建物は組立式のレイアウトにも置けますが、アクセサリーは接着などでしっかり固定する必要があるので、パネル上に線路を固定して作ったレイアウトに配置するのに向いています。

アクセサリーを配置した街

自動車は各メーカーから販売されており、旧来の製品より彩色が細かくてリアルなものが増えてきました。時代に応じてさまざまな車種が揃っています。人形も季節や情景に応じて多くの種類があり、ここでご紹介することはとてもできないほどです。

レイアウトを作るには、まず実物をよく観察せよと言われます。それはその通りですが、あまり実物にこだわっていると作れなくなりますから(レイアウトとは、あくまでも線路配置を中心とした都合のよい世界です)、それほど神経質になることもないように思います。こういう街もあるかもしれない、という程度に考えて楽しく作ってください。


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