最初に何を揃えたらいいかを考えてみましょう。次ページでご紹介するような基本セットを購入するのが安上がりで一般的ですが、ここではお小遣いをこつこつためて少しずつ増やしていきたい方のために、Nゲージとして最低限必要なものは何かを考えてみます。
Nゲージの走行には、(1)車両、(2)線路とフィーダー、(3)パワーパックが必要です。(2)(3)は同じメーカーで揃えておいたほうがいいでしょう。
車両には、機関車のようにモーターの付いている動力車と、客車や貨車のようにモーターの付いていないもの(トレーラー)がありますので、まずは動力車が必要です。電車の場合、編成の中のどれか1両か2両(たいていは中間車)が動力車になっていて、あとはトレーラーです。
パワーパックは電源装置です。商品名としてパワーユニットやコントローラーとも呼ばれます。最近はACアダプターが外付けされているものが増えました。KATOのパワーパック スタンダードSXのように、ACアダプターが別売のものもあるので気を付けてください。
フィーダーとは、パワーパックの電流をレールに流すための部品です。
KATOの場合、「フィーダー線路」というリード線付きの短い線路を使います。
トミックスの場合、フィーダー部分に「D.C.フィーダーN」というコネクター部品を使います。ほとんどのレールに差し込めるようになっています。
これらは本当に最小限のもので、機関車が短距離を往復することしかできません。
参考までに、これらの価格構成は次のようになります(2024年10月現在)。ただし在庫の状況により旧価格で売られている場合もあります。
機関車は、小形蒸機としてKATOのC11形を例に上げましたが、実際に入手できる製品は時期によってまちまちです。
品番 | 品名 | 価格 |
---|---|---|
2021 | 機関車 C11 | ¥11,000+税 |
20-000 | 直線248mm 4本入り(S248) | ¥960+税 |
20-041 | フィーダー線路(S62F) | ¥550+税 |
22-018BK | パワーパック スタンダードSX ※ACアダプター別売 | ¥6,000+税 |
22-082 | N用ACアダプター | ¥2,600+税 |
計 | ¥21,110+税 |
品番 | 品名 | 価格 |
---|---|---|
2021 | 機関車 C11 ※KATO製 | ¥11,000+税 |
1802 | 直線280mm 4本セット(S280F) | ¥1,000+税 |
5534 | D.C.フィーダーN | ¥600+税 |
5507 | TCSパワーユニットN-600 ※ACアダプター同梱 | ¥7,000+税 |
計 | ¥19,600+税 |
線路はせめて機関車が一周できるくらいは欲しいものです。そのためには曲線レールを買い足します。2,000〜3,000円程度の追加で済むでしょう。
これらをお小遣いやお年玉でひとつずつ揃えていって、ついに車両が走れるようになったときの喜びは格別です。しかし総額だけを考えれば、何とか先にお金を貯めて、必要なものがすべて入っている基本セットを買うほうがお得です。これについては次ページをご覧ください。
Nゲージは一部の模型店や大手量販店、デパートの模型売り場などで売られています。鉄道模型を扱っている模型店は一時期に比べ少なくなってしまいましたので、地方では取扱店を探すのが大変かもしれません。
買いたいものがはっきりしている場合は、ネット通販が利用されるケースが増えていることと思います。しかし最初の1両だけは、どうしても店頭で実際に試走し、どういう動きが正常なのかを自分で理解してから買うことが望ましいです。そうでないと良品なのに「動きが悪い」と信じ込んだり、本当に不良品であることに気付かなかったりします。
単品のレールやパワーパックは、いつの時期でも大体入手できますし、店頭になくても取り寄せがきくことが多いものです。しかし、蒸気機関車も含め、車両はそうはいきません。10月や11月に店頭にあった模型も、たとえばクリスマスまで持つかどうかはわかりません。車両だけは事前に予約しておくか、見つけしだい買っておくことをお勧めします。「もっと安い店があるかも」などとぐずぐずしていると、急に売り切れてしまうことがあります。
もし買い逃せば、交通費をかけて探し回ったり、送料をかけて遠方から取り寄せたり、オークションでとても高い値で落札したりと、たいへん苦労するはめになります。
部屋の中にレイアウトがあり、いろんな列車が走っているのをひと目見たら、誰でもNゲージが欲しくなります。私の家で実物を見てNゲージを買った人も何人かいます。しかし、ずっと興味が続いた人はほとんどいません。意外に早く飽きています。
衝動買いしたものや、あまり苦労せず入手したものは飽きるのも早いものです。まずはカタログを入手して、買ったつもりであれこれプランを練ってみてはどうでしょう。2年近く興味が続いて、物を大切にするようになってきたら、小学生に買い与えても大丈夫かもしれません。