ポケットカメラ・スクールワンテン その2

1 [2] 3


外装の組み立て

シャッターボタンの貼り付け

シャッターボタンは、最初に取り付けたレリーズ板の上に取り付けます。

シャッターボタンの裏側には両面テープがついているので、はくり紙をはがして貼り付けます。
古いのでのりがだめになっていると思ったのですが、黄色くはなっているものの、粘着力には問題がありませんでした。変なべとつきもありません。これは驚きました。

ネームプレート

アルミ製のネームプレートも同様に、裏のはくり紙をはがして貼り付けます。
表面には保護用の透明フィルムが密着していますが、これははがさずにおきました。ケータイの液晶画面など、他人が温存しているこういうフィルムを、はがしたがる人っていませんか?

レザー2種

ケース外周に貼り付けるレザーが、黒・白の2種付属しています。

しかし、ご覧のようにもうフチのほうがめくれ上がってベロベロです。はくり紙もはがれてしまっています。これはもうダメかも…。

レザーの貼り付け

ところが、これまた何ともありません。
はくり紙ははがれていますが、その部分のテープの粘着性も特に問題ありません。ほんのわずか、レザーが収縮しているようですが、苦労せず貼ることができました。もう33年前の品なのに、当時のメイド・イン・ジャパンもなかなか捨てたものではありません。

あとは、ストラップを付ければ終わりです。

ストラップを付けて終了

「さあ、外に出てみんなを写してあげましょう」とのお誘い。
ここでキミらの出番か…。
ポケット仲間?

完成

ものの30分でできてしまいます。

完成したスクールワンテン

スペックは固定絞り固定焦点で29mmF11、シャッター1/60固定、ファインダー倍率0.7、視野率90%です。電池は使いません。
フィルム室に感度判定用のツメがないので、ISO100のフィルムしか使えないようです。

この形の平型カメラは手ぶれしやすいので、本当はシャッター1/200は欲しいところですが、ISO100でF11固定ですからこのへんに落ち着いているのでしょう。
ストロボのホット・シューやフラッシュキューブはありませんし、三脚穴・ケーブルレリーズ穴もないので、晴天の屋外での手持ち撮影のみです。

裏側

裏側はいたってシンプルです。開閉ぶたの裏には細長い透明の窓があって、ここからフィルムカートリッジの背中の枚数表示を読み取ります。フィルムカートリッジのラベルも見えるので、入れてあるフィルムの種類も一目でわかります。

シャッターチャージ

シャッターのチャージは巻き上げつまみの連動ではなく、フィルムのパーフォレーションに引っかかるフィルムストップアームによって行なっています。
フィルムを巻き上げると、1コマに1つ開いているパーフォレーションが移動し、それに引っかかっているストップアームが動いてシャッターがチャージされます。

シャッターを切る

シャッターボタンを押すと、ストップアームが開放されます。

一応、シャッターはきちんと開閉しているようですが、正しいシャッター速度が出ているかどうかはよくわかりませんでした。

写してみましょう…が。

さあ、どんな風に写るんでしょう。
その前に。最近の110フィルム事情はどうなっているのかわかりません。

付属のフジカラーF2

一応、12枚撮りのフィルムが1本付属しています。

フジカラーFIIとは懐かしい。
だが待てよ。

付属フィルムの有効期限

有効期限が1977年。
色が変でも粒子が粗くても、何か写ればいいとは思いましたが、これはちょっと厳しいです。

この有効期限、発売当時のことを考えても結構ギリギリっぽいんじゃないでしょうか。安く仕入れたのかなぁ。

 

そこで思い出しました。
確か会社の机の引き出しに、新品が1本入っていたような!

フジカラーSUPER HR

やっぱりあった!(ついでに5インチフロッピーの新品発見)

これはさっきのに比べれば、見るからに新しそうです。
有効期限は…?

フジカラーSUPER HRの有効期限

だめだこりゃ(笑)。土中に20年。
蝉でさえ7年。

特価50円

…しかも50円。

作戦会議

新しいフィルムを買いに、ものすごく大きい写真用品店に行ってみますと、

わたし:「すみません、110フィルムはありませんか」
店員氏:「110ですか!申し訳ありません、もうなくなっちゃったんです!」
わたし:「えーーーっ?!まさか、もう製造中止なんですか?」
店員氏:「昨年の秋に製造中止になっちゃいまして…。在庫ももう切らしてしまったんですよ…。」
わたし:「じゃ…じゃあ、ポケットカメラはもう使えないんですか?」
店員氏:「そうですねぇ、どこかに在庫があれば少しの間は。ウチでもポケットカメラまだ売ってるんですが、フィルムないんですよね」(おいおい)

別に撮るものもないんですけど、とりあえず撮影は古いフィルムで試せるとして、現像の問題もありますよね。
まあ最悪、現像は自分でやりますか。
もうちょっと考えなければならず、ぼちぼち手配進行中です。

それまで、同時代のカメラと一緒にお休みです。
(左のカメラの前面にNikonなんてありますがそれはウソ。フジカです)

当時のポケットカメラ

レンズ前の透明板の曇り具合も気になるので、一度何かで撮影してみて、まずいようなら透明板を取り去ったほうがいいかもしれません。
でも。きれいな写真が欲しいなら普通にデジカメを使えばいいわけで、このカメラの現在の状態をありのままで捉えたほうがいいかな…。

その後…なんと新品のフィルムをお譲りいただきました。ありがとうございました!
これで何も写らなかったらどうしましょう。次ページに続きます。


[←前ページへ] [次ページへ→]

1 [2] 3

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る