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ランボードに白線を入れる

烏口と白線を入れた模型

2008.7.18

烏口(からすぐち)を使えない人間に、烏口で白線を入れさせる実験になってしまいました。

ランボードの白線入れや、Hゴムの色差しは烏口を使えばよいとは聞きます。しかし私は食わず嫌いで烏口を使ったことがありませんでした。デザイン会社で先輩のスパルタ教育を受けないと使えなかったとか、烏口をまともに研げるようになるまで10年かかったとか、恐ろしい話も聞きます(どこまで冗談なのかわかりません)。
でもよく考えますと、烏口を本来の製図やデザイン用に使うのではなく、ランボードの側面にただ白を入れるのに利用するだけです。それだけなら、たいした熟練度はいらないだろうと思い直し、すぐ画材店に行きました。

[1](烏口編) 2(テープ編)


面相筆で白線を入れたことがある方ならおわかりだと思いますが、結構難しいものです。すっきりした直線になりにくいですし、細い筆先の塗料の粘度がすぐに高くなってゴテゴテになり、うまく塗料が伸びません。何度も塗り重ねているうちに表面が凸凹になります。白テープを使ってもまっすぐになりにくく、ランボード側面に段差があるために、思ったほど手軽にはできません。

逆に、白線が入ったものを黒にするのは簡単です。白はほんの少しはみ出しただけで見苦しくなるのに対し、黒ははみ出しても目立たないからです。

素人の一発塗り

練習

悲惨な練習をご覧ください。

買ってきた烏口を使って、不要なCDケースに定規で白線を引いてみたものです。右側から順に練習していますが、大量に流れ出したり、線のエッジが波打ったりして、どれひとつとしてまともになりません。全然使えておらず、初めてにしても下手すぎます。

赤い星印のあたりまで来たところで、あまりにも道は遠いなと思い、現状で塗ってみることにしました。

練習2

塗料を入れる前に、ランボードの側面に空の烏口を滑らせて、イメージトレーニングしています。

烏口は垂直に立てて使うなどと書かれていますが、どうしても滑らせにくいので、斜めにして試しています。何となくうまくいきそうです。

ランボード塗装のイメージ

プラ製蒸機のランボードは、ランボード側面(この図では上側)の上部に細いフチが出ているので、ここに烏口の定規に当てる側(ネジのない側)を引っ掛けるようにして滑らせることにしました。

もう一方のくちばしは、ランボードの下側の角に引っ掛けます。2枚のくちばしが両方接しないと塗料が出てこないのですが、たぶん同一平面でなくても大丈夫だろうと考えました。でないと、細いHゴムなんかは烏口がずれてしまって塗れないのでは?と思いまして。

多少塗料が散っても、ランボードのフチに沿って流れたり、表面張力でとどまったりして、うまくいきそうな気がしてきました。

さて、もう塗ってみます。こんな状態で記事にするなとも言えますが、初めてのことに格好つけても仕方ないのでそのまま晒します。

塗料を入れる

ネジで烏口の幅を適当に調整したら(ここでは0.5mmくらい)、筆や細い紙の先に塗料を少し付けて、くちばしの間に入れます。

インクと違って塗料は烏口に粘りつきやすいと聞いたので、乾きにくいエナメル塗料の光沢を使いましたが、ちょっと薄めすぎました。あまりたくさん塗料を入れると、最初の写真のようにボタ落ちもします。初めは塗料をごく少量にして、くちばしの間も狭めにしておくとよいのかもしれません。何しろ使い始めてから5分も経っていないので、よくわからないのです。

なんだか、チンパンジーに見慣れない道具を与える実験みたいです。

ためし引き

レコードに針を下ろすように緊張します(若い方は意味がわからないでしょうけど…)。

塗料が少し出たと感じたところで、ランボードに沿ってすーっと烏口を引くと、びっくり!拍子抜けするくらい簡単に塗れました。多少、烏口の先で塗り広げながらという感じになりましたが、うまく塗料が乗ってくれました。

1本引くのにたった数秒です。作業性のよさが歴然としているのはすぐにわかりました。

白線を入れたC55

そのまま、余っていたC55の車体に白線を入れてみました。マスキングはせず、ランボードのフチにひっかけて、サインペンで線を引くようにただ烏口を動かすだけです。

拡大写真(別窓)を付けましたのでご覧いただきたいのですが、これは1回引いただけで、何の修正もしていません。ランボード後端に少々のにじみや、前のほうに少しのむらがありますが、その程度です。私が面相筆で下手に入れるのとは比べ物になりません。

テンダーのフチ

次はテンダーのフチです。これは表面から少し出っ張っており、下側に白がはみ出してはいけません。そこで、烏口の定規に当てるほうのくちばしを、フチの上側に引っ掛けるようにしてみました。

テンダーのフチを塗る

やっぱり、難なく塗れます。曲がりくねっているところで、くちばしが外れないよう気をつけるぐらいです(エナメル塗料なので、下地が無塗装またはMr.カラー系の塗装なら、はみ出しても溶剤で拭き取れます)。

このあと、エナメル塗料ではなく、普通のMr.カラーのつや消し白や、水性タミヤカラーなどでも試しましたが、どれも同じように塗れました。下地の塗料の種類を考慮して適切な塗料を選べばよいだけで、普通の面相筆による色差しと変わりません。

はしゃぎすぎ

白線を入れた機関車

今までの苦労は何だったんだろうというほど簡単で、とても楽しくなり、使っていないボディーに次々と白線を入れてしまいました。憂鬱だった白線入れは烏口を使えばもう、何でもないことがわかりました。

目的はランボードに簡単に白線を入れることだったので、それはさしたる練習なしにすぐできました。烏口を使えるようになったわけではありません。平らな板にまともな直線ひとつ引けないので、電車の模型を作っておられる方々のように、車体に細帯を入れることすらできません。

●感想
こんなに使える道具なら、もっと早くから使っておけばよかったと思います。熟練した方が使うと、1mmの幅の中に極細の線を10本近く引くことさえできるそうです(それなりの目力やルーペも要るのかもしれませんが)。私には残りの一生の間にはできそうにないです。
(半年後)だいぶマシになりました。要するに烏口の先端がきちんと研がれていなかったようです。研ぎ直しただけで相当改善しました。当初、先端がガタガタと引っかかっていたんですよね。

関係ありませんが、ずっと昔に修学旅行で京都に行ったとき、「烏丸(からすま)」を、「とりまる」と読んでしまったな…とか、そんなことを思い出しました。


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