報徳社の部屋


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概要

報徳社とは本社・正門
報徳精神を実践し精神的、経済的に豊かになろうという活動を行う組織体、静岡県掛川市に大日本報徳社(本社)をおき、各地にある分社毎に活動を行っています。
この分社を単位報徳社といい平成22年7月1日現在全国に91社があります。
右の写真は本社講堂と正門です。正門向かって右が道徳(至誠・勤労)門、左が経済(分度・推譲)門と刻んであり報徳精神をあらわしています
 
報徳精神とは
二宮尊徳(金治郎)の教えで「至誠」「勤労」「分度」「推譲」をいいます
二宮尊徳
江戸時代末期の農政家、当時の産業の主力の一次産業である農業の生産性を高めた実践指導者です
このあたりはおいおい充実していく予定です
至誠
まことの道とは世を救い、世を益することをいいます。この意味においては仏教・神道・儒教・(キリスト教)も原点は皆同じです。宗教と違う所は理屈をこねるのではなく、まことを尽くし実行する所にあります。
勤労
二宮尊徳のとなえた説に天道・人道論というのがあります。
天道とは春夏秋冬、晴天・雨天等自然事象全てを指します。植物の種は全て土壌の上で発芽し日光と水の力で生育します。これを動物が食べ物とし生きてゆきます。これが天道です。この自然環境の基で人は種の中で米とか大根とか人間の役に立つものをより分け、生育中も雑草を除去し、灌漑を行い収穫を多く得ようとします。このように人が手を加え自分達の利益のためになすことを人道と呼びました。人道は作為的なものですから放置すれば自然に廃れてしまいます。これに歯止めをかけ人道を保持するのが勤労です。
分度
それぞれの分限を守り、相応の生活をするということ。これにより収支のバランスがとれた安定した生活ができます。至誠と勤労をもって収入を増やし、これに見合った支出をするのが順序で単に支出を押さえるけちけち倹約生活とは違います。見合った支出といっても贅沢やムダは戒めていますから当然収支過となります。この分を次に述べる推譲に回すわけです
推譲
分度を確立した上で行うもので、収入の一部を将来のために譲ることをいいます。自分の子孫のために譲ることは比較的簡単ですが、村おこしのために、社会のために譲ることはなかなかできないですね。しかし村や社会が豊かになれば必ず自分に還元される、そのために将来に渡る生活の安定幸福の保証のために必要なものが推譲です。例えば推譲金を灌漑事業に充てたとします。この結果干ばつ・洪水の心配もなくなり自己の作物の収穫量も増えるといった具合です。
報徳訓
報徳関係の会合で必ず唱和するもので報徳精神を説いたものです。原文は漢文で当然縦書きであるため横書きにすると感じが違ってしまいますが・・・
父母根元在天地令命 身体根元在父母生育 子孫相続在夫婦丹精
父母富貴在祖先勤功 我身富貴在父母積善 子孫富貴在自己勤労
身命長養在衣食住三 衣食住三在田畑山林 田畑山林在人民勤耕
今年衣食在昨年産業 来年衣食在今年艱難 年々歳々不可忘報徳

父母の根元は天地の令命にあり、身体の根元は父母の生育にあり、子孫の相続は夫婦の丹精にあり、父母の富貴は祖先の勤功にあり、我が身の富貴は父母の積善にあり、子孫の富貴は自己の勤労にあり、身命の長養は衣食住の三つにあり、衣食住の三つは田畑山林にあり、田畑山林は人民の勤耕にあり、今年の衣食は昨年の産業にあり、来年の衣食は今年の艱難にあり、年々歳々報徳を忘るべからず、と読みます

原文のままが味わいがあるのですがあえて今風に言うとこのようになるのでしょうか
お父さんがなぜいるかというと、お父さんの両親がいたからお父さんが生まれたのです。お母さんがなぜいるかというと、お母さんの両親がいたからお母さんが生まれたのです。その両親がなぜいたかというとそのまた両親が・・・という事でず〜っとさかのぼっていくと結局は天と地との命ずるところにあるとしか言いようがありません。さて自分がなぜ今こうしていられるかを考えるとそれはお父さんとお母さんが慈しみ育ててくれたからです。子孫が家風や財産を相続できるのは夫婦の丹精の結果にほかなりません。お父さんお母さんが心豊かなのは祖先が勤勉であった賜物です。自分が心豊かでいられるのはお父さんお母さんが行ってきた善行のおかげなのです。この徳を子孫に伝えるため自分は勤労に励むのです。ところで生活し長生きする秘訣は衣食住の三要素に在るのはご存知の通りです。この衣食住という生活基盤を確かなものにするのは付加価値を生み出す田畑山林(これは農業の場合であり、現在では職場)を大切にする必要があります。付加価値を大きくするには田畑山林(職場)で働く人々の勤勉な労力によって初めて可能になります。今の衣食住は昨年の結果です。来年の衣食住が今年より向上し、来年になって「ああ今年はいいなあ」といえるよう今の艱難があるのです。努力(=徳)は必ず報われるということを年々歳々忘れることが在ってはなりません。
更に余計な解説をすると、父母根元で天道の事を言い、身体根元で人道、分度の事を言い、人道を受けた衣食住からは勤倹、推譲を勧めているわけです。道徳と経済が一元化する報徳を良くあらわしたものです。

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