北丹沢(大滝へ)

 

白馬尾根

地蔵尾根、馬酔木平

弁当沢ノ頭、棚沢ノ頭

雪の早戸大滝

北丹沢山岳センター発行の『北丹沢ガイドブック』を読んで、私がまだまだ知らない丹沢を訪ねて見たくなった。やま友達のTさんと将棋友達のKさんを誘って、連休最後の日を楽しもうと5月5日に出かけた。

今回のルートは、北丹沢を楽しむためのメインルートの一つの雷平を経由するので、その下見聞と、少し重量オーバーのKさんを気遣った距離の短いルートである。

尚、今回も写真はルートの雰囲気が分かるように撮っています。写真の自信作はありませんのでご容赦願います。

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宮が瀬入り口での待ち合わせ時間が9時半だった。これはKさんが決めたもので、時間が余れば必ず『少し歩けば○○まで行けるから行こう』と言う私を規制する為だったらしい。皆が時間通り到着し、魚止め橋についたのが10時を少し過ぎていた。

準備を終えて登り始めるとがけ崩れの場所があり、そこを過ぎて暫く行くと案内板のある場所に着いた。ここまで凡そ15分だった。

踏み跡が三つに分かれていて、沢を渡るのと真直ぐ進む道と、右に少し戻るようなルートがあった。TさんとKさんが色々考えていたが案内図の下側のコース説明を読んでいたKさんが『右のルートだ』と言った。ホームページを見ていたので直進は無いのは分かっていたが案内図の絵を見ると左ルートも可能性としてあったので皆で確認を行った。

少し登り始めると赤いペンキの上に黒く書かれた道標を見つけた。もう一度この赤い案内が出てくるがもう少し見やすい場所にあればもっと助かると思った。

少し進むと小さな沢を渡った。ここは地図にはなかったが分岐があり、赤いテープのマーカーは左に付いていた。しかし、右側でもいけなくは無いが左より更に急なので下山時にご利用願いたい。左の登りでも息が上がったKさんだった。

凡そ20分で造林小屋に着いた。Tさんは途中で『休憩』と言っても聞こえなかったらしくここで我々を待っていた。立ち止まらないTさんを称し、Kさんが『あなたの山仲間らしいですね。まったく人のことを気遣わない』と攻撃してきた。確かに歩き始めると止まらないし、忙しないのは認めざるを得なかった。

造林小屋を過ぎると細い道で、左は崖だが緑が多く凄く素敵な道である。また、殆ど平坦で歩きやすい。

ところどころに木橋があり真下が沢の所もあるので注意して渡って欲しい。一箇所右側にワイヤーが渡してあるところがあるが、素手で持つとささくれ立ったのがあるので手袋は必携です。

二つ目の沢渡り、小屋からここまで15分だった。ここでもKさんは休憩を言い出した。沢の水は冷たくて気持ちが良い。

ここからも登りらしい登りはないが写真のような岩越しが点在する。

空は青く山は緑で本当に清々しい日だった。風もここちよくたっぷりと昼寝が出来る気分だった。

歩いていてふと思った。この景色はどこかと似ている。そんなに沢山の山を歩いた訳ではないが----。

三つ目の沢を渡った。ここまですれ違った人は3名だけ。5月の連休でありながら訪れる人が非常に少ない。これも北丹沢が楽しめる要因なのかもしれない。

三つ目の沢を別グループが過ぎていった。僕らはここでも休憩をとった。ここまで二つ目の沢から凡そ15分だった。

この先でまた道が分からなくなった。上り口にあった赤い道標が今度は分かりやすいようにぶら下がっていた。しかし、固定されていないので書かれている矢印は沢を渡るように指していた。よくよくみると『×(バツ)川』となっていて、渡るなという事だった。少し進むと岩に張り付くように進む道があった。

ここがその先の登りである。

雷平にやっと到着した。(本当はこれは下山時の写真)大きな岩が点在する沢の合流地点でここからまた丹沢の奥深い山々に行ける。ここまで駐車場から1時間15分、われわれは休みが多いので、一般的には1時間コースと思われる。

芽吹きがきれいだったのでパチリ。

雷平からも緩やかな登りである。しかし、Kさんは殆どギブアップ、休み時間が多い。

ところでここは上高地と似ているのではないかと思った。梓川沿いに登って行くコースと槍に向かうコース、なんとなくそう思った。高い北アルプスの山々は見えないが新緑と沢の音はそう外れてはいないと思う。僕の好きな道のベスト10に入るルートである。

20分後右側に大きな瀧がありそこを過ぎると沢の合流地点にでた。小さい左の沢を渡りロープ伝いに登ると瀧の落ち口が見えた。雷平からなんと50分も掛かってしまった。駐車上からは約2時間である。

幻の滝、道志の大滝を目の前にしてまた一つ目的の遂行が出来た喜びと、次を達成する為の不安が一瞬よぎった。いずれにしても日本の100名瀧を見て呑んベー3人はビールで乾杯した。

滝つぼに行こうとTさんと向かったが、ここでも大木が根から倒れルートを難しくしていた。倒れた木を移動のベースとして瀧の下まで行ったが瀧壷の小ささには驚いてしまった。

幻の滝の所以である手前の大岩である。この岩の踏ん張りには驚くしかない。何年もここで水を受け止めているのだから凄い。

この瀧のあたりにはミツバツツジの木々が何本かあった。すでに盛りが過ぎてしまい、2本だけ僅かに残っていた。来年が楽しみである。

昼食を終えて下山に掛かった。最初の鎖場を下った。

雷平から見た丹沢方向の緑。

造林小屋への沢沿いの道を下る。

案内板のあるところで暫しの休憩である。せわしないTさんもリュックを枕に横になった。