羊蹄山 1,898m
2019年9月5日 晴
真狩コース
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その他 比羅夫コース 京極コース 喜茂別コース
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GPSトラック
所要時間・10時間30分
登り・6時間10分(右回り・休憩時間含む) 下り・4時間20分(右回り・休憩時間含む)
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早朝に真狩村の中心部から見た羊蹄山。真狩側からはシンメトリーではありませんが堂々ととして威厳が感じられます。さすが蝦夷(えぞ)富士と呼ばれる山容です。
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真狩コース登山口のスタートは予定より1時間遅れの6時になりました。前夜からの車中泊で熟睡出来ず、寝直しで寝坊しました。入山届を見ると多くの人は5時前後から登り始めていました。
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登山口からすぐに始まる階段を上り切ると緩い登山道が続きます。山頂まで5時間少々を予定しています。今回の登山(羊蹄山は山歩きではありません)、とにかく無理をしないで歩くことを課題にしました。息が上がる前、鼓動が激しくなる前、意識してペースを落とすことを心掛けました。もう無理をしてまで時間を削る山歩きは卒業です。
三合目辺りからは山頂部の岩場コースが見えました。見た目では1時間少々で登れそうな感じですが、実際はここから5時間近くも掛かりました。
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登山道は最近笹刈りがされたのか、明るく広げられていました。コースも明瞭で朝露にも濡れません。感謝・感謝です。しかし刈られた笹が登山道の上を覆っているので所々で滑りました。登りよりも下りが要注意でした。
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3合目を過ぎて4合目が近くなると展望は一気に開けます。眼下に見える真狩村の向こうに洞爺湖や有珠山。雲海に埋まる噴火湾の向こうに駒ケ岳や函館山までが確認出来ました。
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少し右手に目を向けると田園の向こうに大きなすそ野を広げる昆布岳が確認出来ます。有名な羊蹄山に隠れて目立ちませんが、山頂部を天に突き上げる立派な単独峰です。
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5合目で一息ついていると二人の女性登山者が登って来ました。彼女たちもここで休憩タイムでしたが、この後先に立った管理人をあっという間に追い抜いて行きました。
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6合目を過ぎると登山道は細くなり、岩が目立ち始めます。勾配も急になり息が上がり始めます。ペースダウンして登っていると、荒い呼吸の若者三人が追い抜いて行きました。顔はまるで茹蛸(ゆでだこ)のように上気していますが、気にするそぶりもないようです。あんな無理が出来る若さが羨ましい!とオジサンは思いました。
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5合目から7合目辺りまでが勾配もあってキツイ所です。それでも段々と高度を上げることで広がる展望を楽しみ、まるでオブジェのようなダケカンバを楽しみながら登りました。
このダケカンバ、まるで「投網を打つ漁師」のように見えました。早くもボケが始まったのでしょうか。
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本当はこの8合目で腰を下ろして休みたいところですが、この先9合目までは緩いトラバース道で眺望も良いことから、そのまま進むことにしました。二組の若者たちに追い越されてからはまったくの一人旅です。自分のペースでゆっくりと登り続けました。
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足元のヤマハハコやエゾオヤマノリンドウを愛でながら歩いていると、前方にニセコの山々が現れました。アンヌプリの山肌を削ったスキー場が嫌でも目に入ります。今では外国人に「パウダースノーの聖地」と崇められ、地域の活性化に一役買っているそうです。
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9合目からは避難小屋の向こうに積丹半島が見え、右奥に積丹岳や余別岳を確認することが出来ました。そして左には岩内町と周りの田園が見え、その先に日本海が広がっていました。
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9合目から外輪山の縁まで上がるのがまた一苦労です。疲れた身体にザレた登山道、一向にペースが上がりません。唯一の癒しは秋色に色付き始めたお花畑、可愛いイワギキョウが風に揺れていました。
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頑張って登ったご褒美はこの光景、大きく深い大噴火口跡の「お釜」の向こうに山頂が見えました。中旬を過ぎればもっと鮮やかに色付くのでしょうが、これでも十分過ぎるご褒美でした。
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大きな外輪山を1周する「お鉢巡り」は時計回りに歩きました。先ずは「旧非難小屋跡」に上がりました。風を遮る物もない外輪山の一角に建っていた非難小屋、台風時や厳寒時はどのような状況になったのでしょうか。今では基礎部分しか残っていませんが、それも雪の融解と凍結の繰り返しで徐々に崩壊して行くようです。
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「旧非難小屋跡」からは右に大噴火口跡の「父釜」、左に「母釜」「子釜」を見ながらお花畑の中を歩きました。秋のお花がたくさん咲いていましたが、名前を知っているのはヤマハハコやエゾオヤマノリンドウ、そしてイワギキョウ程度です。
前方にひときわ高い岩コブが見えますが、これは旧山頂で、現在の山頂はそれより5メートル高いその奥の岩コブです。三角点はそのコブとの中間にあります。
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外輪山の北側は気持ちの良い稜線歩きです。眼下に京極の街並みが見え、その奥先に無意根山や余市岳といった札幌近郊の山々が望まれました。
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三角点を過ぎた辺りから山頂部を見ました。数人の登山者が休憩中でした。外輪山の中のひとつの岩コブですが、見る角度によって立派な山頂になります。
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山頂での休憩は1時間を予定していましたが、出発が遅れたこと、スローペースで時間が掛かったことなどを考えて30分にしました。岩に腰かけて冷たい赤飯おにぎりを食べましたが、米が硬くてすんなりと喉を通りませんでした。
山頂写真は標柱だけと思っていましたが、「写真を撮りましょうか?」というご婦人のご厚意に甘えて写して頂きました。優しい言葉に気が緩んでしまったのか、油断でお腹がテプテプになってしまいました。
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山頂から尻別山を見下ろしました。ふもとの喜茂別町からは相当大きく見える山ですが、羊蹄山から見下ろすと可愛い小山のように見えてしまいます。その背後に白老三山、徳舜瞥山・ホロホロ山、オロフレ山等が確認出来ました。
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帰りは時計回りで岩場を経由しました。難しい所は南側を巻いているので危険な個所はありませんが、それでも岩場は注意が必要です。間違ってもつまずいて転ぶようなことは出来ません。場所によっては命に係わります。
途中、父釜越しに母釜、子釜方向を見ました。
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岩場はもう少しで終わります。岩間には可愛いイワギキョウが風に揺れていました。しかし岩場を通過したからと言って気を許すことは出来ません。鞍部に下るザレ道で滑り、危うく尻もちをつくところでした。
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9合目からは無理をしないで下りました。歩き易いからとペースを上げると、突然太ももが痙攣したり、膝に痛みが出る経験をしたことがあります。そういった痛みは一旦出ると簡単には治まりません。とにかく山中ではアクシデントを引き起こさないことが大事です。ゆっくりと確実に下る。そう自分に言い聞かせながら下りました。
すぐ目の前を雲が流れて行きます。こんな光景は羊蹄山だから経験出来るのだと見入ってしまいました。
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刈り込んだ笹が登山道を覆っているので、下りは登りよりも注意が必要でした。油断すると笹に乗った靴がズルッと滑りました。
何とか明るい内に登山口に戻ることが出来ました。あと1時間遅ければ薄暗い登山道を歩く羽目になったことでしょう。ヘッドランプを持ち忘れたことが一抹の不安になっていました。
管理人の最後の課題はここから自宅までの夜間走行です。睡魔は襲って来ませんでしたが、疲れた身体では注意力の低下が心配でした。神経を研ぎ澄ますようにして運転しましたが、中山峠付近では結構飛ばす人が多く、何度もウインカーをあげて道を譲りました。
家に着いてシャワーを浴び、ビールを飲んだらバタンキューでした。それでも充実度は満点以上でした。
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