それでは、『注文の多い料理店』の第一話です。
* 『どんぐりと山猫』 12p * .
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いんだにゃぁ、『どんぐりと山猫』。
生前出版された唯一の童話集『注文の多い料理店』の中で、一番好きだね、『どんぐりと山猫』。
そしてイントロが、すっごく、いんだべさ。
っつーことで、『賢治童話を丸写しシリーズその1』だよん。(^ ^;
<イントロ>
おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
かねた一郎さま 九月十九日
あなたは、ごきげんよろしほで、けっこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいで
んなさい。とびどぐもたないでくなさい。
山ねこ 拝
(丸写しオシマイ)
『賢治童話を丸写しシリーズその1』でした。
『どんぐりと山猫』の漫画の紹介
@永島慎二:宮沢賢治漫画館(潮出版社)第3巻 .
Aますむらひろし:ますむら版宮沢賢治童話集
(朝日ソノラマ)
◆永島慎二の方が好きだにゃぁ。(^ ^;
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@永島慎二の『どんぐりと山猫』を読んだのはずいぶん昔。
たぶん『漫画のお弁当箱』永島慎二(青林堂)で読んだような気がする。
くせのないシンプルな絵、クールタッチ、ト書きの少ないカット、映画的ズーミング、
……なかなかよかったのら。
Aますむらひろしは、相当な宮沢賢治ファンだと何かのあとがきで読んだ。
ボクは『アタゴオル』のヒデヨシの大ファンなので、期待は大きかった。
読んでがっかりした。
絵が生臭いのら。これはアタゴオルじゃないよぉ。
っつーことで、『どんぐりと山猫』の漫画版、永島慎二の方が好きなのら。(^
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『どんぐりと山猫 』 お気に入りのオノマトペ
季節:9月19日(土)・20日(日)
◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆☆
(☆5つが最高。)
Hどってこどってこどってこ:【一本のぶなの木のしたに、たくさんの白いきの
こが、どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。】
▼ボクの好きなオノマトペ(再読)=★★★★★ (★5つが最高。)
Cうるうる:【まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうる
もりあがって、まっ青なそらのしたにならんでいました。】
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「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」
宮沢賢治の世界・イーハトーヴにひたってみたかぁ、っつー感じかなぁ。
例えば、
@がさがさ:【字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。】
とか、
Bにゃあ:【山猫のにゃあとした顔や、そのめんどうだという裁判のけしきなどを考えて、おそくまでね
むりませんでした。】
とか、
Cうるうる:【まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそ
らのしたにならんでいました。】
とか、
なんか、心地いいんだべさ。
宮沢賢治は、オノマトペの天才じゃなかんべか、少なぐども量的には。(^ ^;
んだば、賢治童話のオノマトペを、ほぼ全部集めてみたら、どうだべか、
っつーことで、オラは、はぁ、ごきげんよろしほで、けっこです。
このホムペで、めんどなオノマトペしますから、お読みんなさい。
ヒマな人おたよりくなさい。 スネオ 拝 (^ ^;
* 『どんぐりと山猫』のオノマトペ(ほぼ全部) * .
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@がさがさ:【字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。】
Aそっ:【はがきをそっと学校のかばんにしまって、うちじゅうとんだりはねたりしました。】
Bにゃあ:【山猫のにゃあとした顔や、そのめんどうだという裁判のけしきなどを考えて、おそくまでね
むりませんでした。】
Cうるうる:【まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそ
らのしたにならんでいました。】
Dざあっ:【すきとおった風がざあっと吹くと、栗の木はばらばらと実をおとしました。】
Eばらばら:【栗の木はばらばらと実をおとしました。】
Fごうごう:【笛ふきの滝というのは、まっ白な岩の崖のなかほどに、小さな穴があいていて、そこから
水が笛のように鳴って飛び出し、すぐ滝になってごうごう谷におちているのをいうのでした。】
Gぴーぴー:【滝がぴーぴー答えました。】
Hどってこどってこどってこ:【一本のぶなの木のしたに、たくさんの白いきのこが、どってこどってこど
ってこと、変な楽隊をやっていました。】
Iぴょん:【すると一本のくるみの木の梢(こずえ)を、栗鼠(りす)がぴょんととんでいました。】
Jちらっ:【ただくるみのいちばん上の枝がゆれ、となりのぶなの葉がちらっとひかっただけでした。】
Kぽとぽと:【一郎が顔をまっかにして、汗をぽとぽとおとしながら、その坂をのぼりますと、にわかに
ぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。】
Lぱっ:【にわかにぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。】
Mちくっ:【眼がちくっとしました。】
Nざわざわ:【そこはうつくしい黄金(きん)いろの草地で、草は風にざわざわ鳴り、まわりは立派なオリ
ーヴいろのかやの木のもりでかこまれてありました。】
Oぴくぴく:【その男は、片眼で、見えない方の眼は、白くぴくぴくうごき、上着のような半纏(はんてん)の
ようなへんなものを着て、だいいち足が、ひどくまがって山羊のよう、ことにそのあしさきとき
たら、ごはんをもるへらのかたちだったのです。】
Pにやっ:【するとその男は、横眼で一郎の顔を見て、口をまげてにやっとわらって言いました。】
Qぎょっ:【一郎はぎょっとして、一あしうしろにさがって、「え、ぼく一郎です。けれども、どうしてそれを
知っていますか。」と言いました。】
Rにやにや:【するとその奇体な男はいよいよにやにやしてしまいました。】
Sはあはあ:【男はよろこんで、息をはあはあして、耳のあたりまでまっ赤になり、きもののえりをひろ
げて、風をからだに入れながら、「あの字もなかなかうまいか。」とききました。】
21にたにたにたにた:【すると、男はまたよろこんで、まるで顔じゅう口のようにして、にたにたにたにた
笑って叫びました。】
22どう:【風がどうと吹いてきて、草はいちめん波だち、別当は、急にていねいなおじぎをしました。】
23ぴょこっ:【山ねこはぴょこっとおじぎをしました。】
24ぴん:【山猫はぴんとひげをひっぱって、腹をつき出して言いました。】
25しゅっ:【「ふふん、まだお若いから、」と言いながら、マッチをしゅっと擦(す)って、わざと顔をしかめ
て、青いけむりをふうと吐きました。】
26ふう:【わざと顔をしかめて、青いけむりをふうと吐きました。】
27しゃん:【山ねこの馬車別当は、気を付けの姿勢で、しゃんと立っていましたが、いかにも、たばこの
ほしいのをむりにこらえているらしく、なみだをぼろぼろこぼしました。】
28ぼろぼろ:【いかにも、たばこのほしいのをむりにこらえているらしく、なみだをぼろぼろこぼしまし
た。】
29パチパチ:【一郎は、足もとでパチパチ塩のはぜるような、音をききました。】
30ぴかぴか:【黄金(きん)いろの円いものが、ぴかぴかひかっているのでした。】
31わあわあわあわあ:【赤いずぼんをはいたどんぐりで、もうその数ときたら、三百でも利かないようで
した。わあわあわあわあ、みんななにか云っているのです。】
32ざっくざっく:【腰から大きな鎌をとりだして、ざっくざっくと、やまねこの前のとこの草を刈りました。】
33ぎらぎら:【どんぐりどもが、ぎらぎらひかって、飛び出して、わあわあわあわあ言いました。】
34がらんがらんがらんがらん:【馬車別当が、こんどは鈴をがらんがらんがらんがらんと振りました。】
35ひゅうぱちっ、ひゅう、ぱちっ:【別当がこんどは、革鞭を二三べん、ひゅうぱちっ、ひゅう、ぱちっと
鳴らしました。】
36ぴかぴか:【空が青くすみわたり、どんぐりはぴかぴかしてじつにきれいでした。】
37がやがやがやがや:【もうみんな、がやがやがやがや言って、なにがなんだか、まるで蜂の巣をつっ
ついたようで、わけがわからなくなりました。】
38しいん:【どんぐりはしいんとしてしまいました。それはそれはしいんとして、堅(かた)まってしまいまし
た。】
39ぱちぱち:【一郎が「ええ、かまいません。」と申しますと、やまねこはまだなにか言いたそうに、しば
らくひげをひねって、眼をぱちぱちさせていましたが、とうとう決心したらしく言い出しました。】
40ばたばた:【山ねこの陣羽織が風にばたばた鳴りました。】
41ぐらぐら:【木や藪(やぶ)がけむりのようにぐらぐらゆれました。】
42だんだん:【馬車が進むにしたがって、どんぐりはだんだん光がうすくなって、まもなく馬車がとまった
ときは、あたりまえの茶いろのどんぐりに変っていました。】
『どんぐりと山猫』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
2005.12.15.
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