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  藤堂藩お家断絶の危機  
将軍家斉様の33番目の若君を花婿に迎え、鞠姫様はおかんむり。


 忍法帖シリーズ 山田風太郎の私設ファンコーナー21です。

        ★山田風太郎の忍法帖シリーズを是非ぜひゼヒ読んでネ★

んで、21回目の今回は、


        ***** 自来也忍法帖 *****        .
                   

    文春ネスコ 1,500円
  阿波流忍法月の羽衣(つきのはごろも)  
313p 表紙:西のぼる


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 『自来也忍法帖』は、謎の忍者「自来也」をめぐる、ミステリー長編忍法帖だ。

 『
柳生忍法帖』『魔界転生』の次に『自来也忍法帖』を読んだので、まるで気の抜けたビール。
ガッカリしちゃったオレ、ま、それなりに面白いんだけどね。

 オレのおせっかいな忠告。
 大傑作『
柳生忍法帖』『魔界転生』を読んじゃった人は、他の小説を10冊以上読んでから、忍法
帖を読みなさい。そうすれば、コクがあってキレがある忍法帖を楽しめるはずです。(バカだねぇ)

 えー、今回ボクが再読して、唖
(おし)で精薄の徳川石五郎クンと教育係の甲賀蟇丸(こうが がままる)
のおとぼけ珍コンビが、なかなかいい味出しててよかったです。

  将軍家斉
(いえなり)様には54人の若君と姫君
    家斉様の御前にて
      藤堂藩の若君蓮之介様
        精液を垂れ流して変死
          藤堂藩お家断絶の危機
            幕府の提案
              家斉様の33番目の若君を花婿に迎えること
                花婿は徳川石五郎様、23歳、唖
(おし)、茫洋
                  花嫁は鞠姫
(まりひめ)様、19歳、才媛美少女
                    鞠姫様はおかんむり
                      若君蓮之介様変死の謎が解けるまで
                        結婚初夜はおあずけ
                          藤堂藩に忍び寄る魔の手
                            服部蛇丸とくノ一たちの恐るべき忍法
                              謎の忍者「自来也」との死闘
                                自ラ来タル也
            
                      『自来也忍法帖
            
                        ***
            
                          ( 注:は手裏剣のつもり (^ ^; )

(これがいわゆる、”少年摩羅人アルク・コーガン”の
 『失笑・スピロヘータネッチョリ目線:流し目波状攻撃』part59
 っつーこと? あ、ごくろうさんpart59)

 謎の忍者「自来也」登場、『自来也忍法帖を読みたまえ、ボケット小僧君、むはははは。

◆オレのオモシロ度(初読)=★ (★5つが最高。)
◇ボクのオモシロ度(再読)=☆☆
                        2004.04.04.(また読者が減っちゃったかな)


 
 ***** ボク「自来也忍法帖」データ ***** 

 えー、これはボクの個人的趣味です。
忍法名とか脇役陣とか時代とかをExcelで並べ替えして遊ぼっかな、っつーつもり。

忍法帖長編第14作目
初連載誌:週刊漫画サンデー(実業之日本社)1964年9月16日号〜65年3月17日号
                               (山田風太郎43歳:執筆時)
時代設定:天保7年10月〜天保8年夏(1836〜1837)
登場人物
@自来也(じらいや)謎の忍者:阿波流忍法死人谺(しびとこだま)(死人にとり憑き乗りうつり生きるが
        ごとく言語行動を支配する。)
        :阿波流忍法月の羽衣(つきのはごろも)(月光色の布をまとうと、月夜に姿が見えなく
        する。)
        :忍法血縄(ちなわ)(自分の腕を傷つけて血を縄の先端に塗りつけ、縄を投げると貼
        り付いて離れない。)
甲賀忍者
@甲賀 蟇丸(こうが がままる)甲賀忍者。徳川石五郎の教育係。40歳位。
        :忍法名不明(誰にでもそっくりに変身する。)
伊賀忍者
@服部 半蔵(はっとり はんぞう)初代服部半蔵、慶長元(1596)年に死去・八千石の服部石見守
        (いわみのかみ)・江戸城の半蔵門にその名を残す。:忍法名使用せず&不明
A服部 蛇丸(はっとり へびまる)伊賀服部郷無足人服部一族の首領。35歳位。
        :忍法名不明(忍法浮寝鳥を陽の忍法とすると、陰の忍法で、水面に足裏をふれ、水
        中に逆さに立って走る。)
B阿波 隼人(あわ はやと)伊賀服部郷無足人服部一族忍者。お貞の兄。茜の許嫁。
        :忍法浮寝鳥(うきねどり)(重量のない人間のように水の上を沈まずに走る。『忍法忠
        臣蔵』『忍者石川五右衛門』『忍者車兵五郎』の忍法浮寝鳥と同じ。)
C彦四郎(ひこしろう)伊賀服部郷無足人服部一族忍者。:忍法名使用せず&不明
D名は不明(なはふめい)伊賀服部郷無足人服部一族の忍者たち。:忍法血縄(ちなわ)(自分の腕
        を傷つけて血を縄の先端に塗りつけ、縄を投げると貼り付いて離れない。)
伊賀服部郷無足人服部一族くノ一
@お丈(おじょう):忍法精水波(せいすいは)(五人の女と性交すると毎夜性交しないと精液は止まら
        ず男は死ぬ。)
        :忍法蘭奢待(らんじゃたい)(斬った腕や足が生きているように自在に動く。)
        :忍法髪招き(かみまねき)(髪の毛を風に飛ばせて文字にして相手に読ませる。)
Aお塔(おとう):忍法精水波(せいすいは)(五人の女と性交すると毎夜性交しないと精液は止まらず
        男は死ぬ。)
        :忍法くノ一蝋燭(くのいちろうそく)(毛穴から油をしたたらせ壁や障子に塗りつけ、両
        手の爪と爪を擦って火をつけ、炎の海とする。)
Bお津賀(おつが):忍法精水波(せいすいは)(五人の女と性交すると毎夜性交しないと精液は止ま
        らず男は死ぬ。)
        :忍法乳しぼり(ちちしぼり)(血液をすべて愛液に変え、股間から放出して死ぬ。その
        愛液を浴びた女は二間以内に近づいた男を狂気淫乱させる。)
Cお戒(おかい):忍法精水波(せいすいは)(五人の女と性交すると毎夜性交しないと精液は止まら
        ず男は死ぬ。)
        :忍法髪招き(かみまねき)(髪の毛を風に飛ばせて文字にして相手に読ませる。)
        :忍法舌轆轤(したろくろ)(女と口吻をして、舌をろくろのようにこねくりまわして男根の
        ように変化させる。そしてその女と口吻をした第二の女の口は女陰に変化し、男を発
        情させる。)
Dお貞(おてい):忍法精水波(せいすいは)(五人の女と性交すると毎夜性交しないと精液は止まら
        ず男は死ぬ。)
E茜(あかね):忍法精水波(せいすいは)(五人の女と性交すると毎夜性交しないと精液は止まらず
        男は死ぬ。)
        :忍法髪招き(かみまねき)(髪の毛を風に飛ばせて文字にして相手に読ませる。)
脇役陣
@徳川 家斉(とくがわ いえなり)第11代徳川将軍。64歳。54人の若君、姫君がいる。
A藤堂 和泉守(とうどう いずみのかみ)32万3950石の伊勢の津の藤堂藩主。45歳位。
B藤堂 蓮之介(とうどう れんのすけ)32万3950石の藤堂藩主藤堂和泉守の息子。23歳位。
C中野 播磨守 清茂(なかの はりまのかみ きよしげ)向島の御隠居。中野石翁。徳川家斉の寵
        臣。将軍徳川家斉の寵姫お美代の方の養父。71歳。
D藤堂 内匠(とうどう たくみ)32万3950石の藤堂藩江戸家老。
E渡辺 主膳(わたなべ しゅぜん)32万3950石の藤堂藩江戸家老。
F綱手の方(つなでのかた)藤堂和泉守の御国御前。29歳位。
Gお美代の方(おみよのかた)将軍徳川家斉の寵姫。40歳。
H水野 出羽守(みずの でわのかみ)幕府老中。
I溶姫(ようひめ)お美代の方の長女。加賀へお輿入れ。
J末姫(すえひめ)お美代の方の次女。安芸へお輿入れ。
K藤堂 高虎(とうどう たかとら)徳川家の重臣。初代藤堂藩主。すでに死去。
L鞠姫(まりひめ)藤堂蓮之介の妹。19歳。
M徳川 石五郎(とくがわ いしごろう)将軍徳川家斉の33番目の子。寵姫お美代の方の息子。
        23歳。唖
(おし)
N感和亭 鬼武(かんわてい おにたけ)読本作者。文化3(1806)年「自来也説話」を著す。
O市川 団十郎(いちかわ だんじゅうろう)市村座の歌舞伎役者。七代目市川団十郎は天才とい
        われる。歌舞伎「自来也」を演じる。
P民谷 伊右衛門(たみや いえもん)歌舞伎の世話物「四谷怪談」の登場人物。
Q片岡 直次郎(かたおか なおじろう)御家人崩れの若者。
R河内山 宗俊(こうちやま そうしゅん)御数奇屋坊主。
S藤堂 仁右衛門(とうどう じんえもん)32万3950石の藤堂藩国家老。白髪頭。
21喜多川 歌麿(きたがわ うたまろ)浮世絵師。美人画大首絵で有名。
22竜丸(たつまる)綱手の方の息子。
23藤堂 采女(とうどう うねめ)32万3950石の藤堂藩重臣。老人。伊賀上野の白鳳城の城代。
24竜庵(りょうあん)藤堂采女かかりつけの町医者。35歳位。伊賀服部郷無足人服部一族の出身。
25荒木 又右衛門(あらき またえもん)柳生流の名剣士。寛永11(1634)年初冬伊賀上野鍵屋
        の辻で30人以上と戦いめざす敵を討ち取った。すでに寛永14(1637)年8月24日死
        去。享年41歳。
26楓(かえで)伊賀上野の白鳳城の新規採用の侍女。上野の町の組紐問屋の娘。
27宗三郎(そうざぶろう)上野の町の傘問屋の息子。楓の許嫁。
28紅葉(もみじ)伊賀上野の白鳳城の侍女。
29俊乗坊 重源(しゅんじょうぼう じゅうげん)鎌倉時代の奈良東大寺の僧。伊賀上野の阿波の宿
        に十一宇の大伽藍いわゆる伊賀の新大仏を建立した。
30松尾 芭蕉(まつお ばしょう)伊賀出身の後世の俳人。「むざんなや かぶとの下の きりぎりす」
        という句を詠んだ。

     目 次
   序の幕
   第三十三号
   鞠姫様はおかんむり
   無足人
   おあずけちんちん
   待った
   自来也初の登場
   朧
(おぼろ)問答
   東西
(とざい)東西(とうざい)
   髪まねき
   第一波
   妖春風
   舌轆轤
(したろくろ)
   第二波
   第三波
   伊賀のぬれ仏
   危険物
   綱手
   蟇丸
   女人蝋燭
(にょにんろうそく)
   反間苦肉
   第四波
   波切大鼻
(なきりおおはな)
   玉石
(ぎょくせき)(とも)に焚(や)
   阿呆鳥
   自来也最後の登場

    ボク「自来也忍法帖」データ おしまい
                          2004.04.04.(まだ読者が残っているかな?)

 
 
ではでは、出羽の守、大変長らくお待たせいたしました。
今週のメイン・イベント
(^ ^;  あんまし期待しないでね(^ ^;

 
ボクの忍法ローリング・スクラッチ・ホールド又の名を
忍法いつもの丸写しシリーズその37だよん。 (^ ^;

 なかでは蟇丸が、ひざの上に裸の茜を抱いて坐っていたからである。のみならず、──頬ずりをし、身をゆさぶり、はあはああえぎ、狂態のかぎりをつくしているのだ。
 声に出して読めたらエライ禁断の自来也忍法帖 (^ ^; .

 いちど鞠姫は、座敷牢ができたときいて見にきたが、一目中をのぞいたかと思うと、すぐに顔を
そむけて立ち去った。
 なかでは蟇丸が、ひざの上に裸の茜を抱いて坐っていたからである。のみならず、
──頬ずりを
し、身をゆさぶり、はあはああえぎ、狂態のかぎりをつくしているのだ。
 この蟇丸が、まぶたがたれ下がり、こぶしまで入るような大きな口をして、ひらべったい、滑稽
な顔をした四十男であるのにくらべて、茜という女が、見たところ清純で可憐な容貌と姿態をもっ
ているのが、いっそういたましかった。
──
 いや、それは一瞬の印象だけで、実はいたましいどころではない。
頬ずりをし、身をゆさぶり、
はあはああえぎ、蟇丸以上に狂態のかぎりをつくしているのは茜の方なのだ。
 茜はすでに羞恥はおろか、正気をすら失っている。彼女はただ肉欲の化身であり、五尺の白い肉
体はクリトリスそのものであった。そして、その欲望の嵐は七日間
──お津賀の「乳」の香の消え
るまで吹きすさび、彼女を責めさいなむのであった。
「ねえ。……ねえ。……」
 唇も眼もぬれひかり、きくにたえない
──というより、舌ももつれて何をいっているのかわからない
言葉を蟇丸に吐きかけながら、身もだえしている娘の姿は淫らというより、凄惨であった。
「おう。……おう。……」
 これに対して、蟇丸も意味不明瞭なうめきをもらしながら、ひざの上で彼女をもみしだく。顔は
歓喜とよだれでダラダラにぬれている。

                                       
(丸写しオシマイ)
 
ボクの忍法ローリング・スクラッチ・ホールド又の名を
忍法いつもの丸写しシリーズその37』でした。(バカだねえ)

 何だこりゃ?っつー肩すかし、だったら、ごめんネ。
 『声に出して読めたらエライ禁断の自来也忍法帖』
(^ ^; でした。

オレのゴックン度(初読)= (5つが最高)
ボクのゴックン度(再読)=

     
***** 「自来也忍法帖」の巻 おしまい *****
                         2004.04.04.(またまた読者が減っちゃったかな)

 
 


おあずけよ                                鞠姫様はおかんむり                           ps.イラストは、T胡画伯に描いてもらいました。              感 謝!   忍法乳しぼり

 

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 (貴重なほんのわずかな読者の方々&明智君&小林少年君&ボケット小僧君へ)
目次の掲示板に、ご意見、ご批判、おたよりなどお待ちしています。



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伊賀の聴恋器




22回配本は「伊賀の聴恋器」です。


 

 この蟇丸が、まぶたがたれ下がり、こぶしまで入るような大きな口をして、ひらべったい、滑稽な顔をした四十男である。                      by 『自来也忍法帖』

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