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私が見た香港映画の感想文です。



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No.32  ラッシュアワー2  について

2001/10/27 (金)





さてさて、我らがジャッキーの新作であります。

ジャッキー自身、「気に入っていない」と言っていた「ラッシュアワー」の続編。

見終わった時に「な〜んでこんのがヒットしたんだろう?」と不思議でしょうがなかった前作に比べて、
一体どんな仕上がりになっているか楽しみだった。


そう、前作の何が不満だったかと言えば、やはりアクションが少なすぎたことだ。
「レッドブロンクス」を見たアメリカ人だって、恐らくもの足りなかったに違いない。

しかし、これはまだまだジャッキーがアメリカで新人だったからだろう。
熱狂的な日本のファンから見れば、ほんの「挨拶代わり」的なアクションで、
ご機嫌を伺おうと言うところなのかもしれない。

またアメリカでは、この映画はジャッキーの映画ではなく、まだまだ相棒である
クリス・タッカーの映画だと言う見方が強い。

日本ではあまり有名でないクリスだが、彼の放つマシンガントークが、
このシリーズの大ヒットの要因を大きく占めているらしい。
(ここではジャッキーの映画として感想を述べようと思う)


さて、どうだろう?
 ご覧になった方は、どんな感想をお持ちになっただろうか?

ハリウッドでのジャッキー映画としては・・・
んまぁ〜悪くないとワタシは思う。

ただやっぱり、もの足りない感があることは否めない。
前作と同様に、過去の作品で見たことのあるようなアクションを使っていて、
よ〜く見てみると、結構それを淡々とこなしているのがわかってしまったりするからだ。


だが、「ハリウッド映画」としては、まずまずの合格点をあげても良いんじゃなかろうか?

「この歳(47歳)で、よくまぁここまでやった!お疲れさま!ジャッキー!」
と労いの言葉をかけてあげたい。(ダメ?)

確かに、我々日本人にとっては、相変わらずストーリーも大味に感じるし、
お得意の小技を使ったアクション・シーンも正直見飽きている感もあるが、
大人から子供まで幅広く、最後まで安心して楽しめるエンターテイメント作品とでも言うんだろうか?
こういった映画の方が、アメリカ人向けでウケるのかもしれない。

数年先まで、ハリウッドや香港で映画を撮る予定がぎっしり詰まっているジャッキー。

我々のような日本のファンとしては、往年の香港(アクション)映画のような作品を望んでしまうところだが、
この先ずっと、アクションスターを続けて行くことを考えると、危険なアクション・シーンも少なくしなければ、
これからの仕事に支障をきたすことになるだろうし、CG、スタントマン、ワイヤー・・・もうどんなものに頼ることに
なっても仕方がない(必然)じゃなかろうか。


ワタシとしては、1本でも多く、良い(楽しめる)映画を世に残してもらいたい・・・・
そう願うばかりであります。
(死んじゃぁ〜なんにもならないからね)



総評:今回はちょっと厳しく、58点


言及しなければならないことはあると思うんですが、今回は総評として感想を述べてみました。
章子怡(チャン・ツーイー)のイメージの問題とか・・・やっぱり悪玉っぽい役が続いてしまうのか心配だ)


「無問題2」のポスターをベタベタ貼っているナイナイの岡村隆史が
写っているなんて噂で聞いたけど、ホントーかな?






No.31  ドリフト(順流逆流)  について

2001/6/27 (水)





さてさて、ヴァンダムさん主演映画から2年、
徐克(ツイ・ハーク)先生の監督作品である。

私のような「男たちの挽歌」や「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」を
リアルタイムで見ていた世代の人間にとっては、
この人が監督した映画と聞けば、やはり期待せずにはいられないだろう。

特撮やCGを駆使し、常にスタイリッシュな映像を見せてくれるし、
アクションはもちろんのこと、コメディーを撮らせてもウマイ。
お気に入りの監督の1人である。

公開当初の映像を見て、彼が得意とする、純粋なアクション映画かと思っていたが、
いささか考えていたものと違ったようだ・・・

まず、オープニングから、カッコイイイ。
何かやってくれそうな始まり方ではないか。

初っ端に登場する、謝霆峰(ニコラス・ツェー)も良い。
長い前髪を垂らしながら多くを語らず、退廃的な感じが良く似合う。

「特警新人類」以来、ニコラスを誉めちぎっている私だが、
ここでの彼も、(環境によって)激しく感情が変わる役であったのにもかかわらず、
それをうまく演じている切っているところにも、注目していただきたい。

しかし、この映画では、彼の上を行くカッコ良さ、
雰囲気をかもし出している人物が存在する。

伍佰(ウーバイ)である。

日本ではあまり知られていないが、
台湾では歌手として有名なスーパースター。

この映画でも、彼の曲が挿入歌として使われているのだが、
台湾語(?)の響きが、なんとも哀愁を帯びていて、
日本語字幕では伝えきれないメッセージがあるように感じてならなかった。

恐らく、ご覧になった方は、この映画の彼に引かれるに違いない。
寡黙に、そして表情を一切変えず、ひたすらに戦っている姿に・・・。

決して「善玉」では無いのに、いつしか、「ヒーロー」でも見ているかのような
錯覚に陥ってしまうだろう。

若干、彼についての説明不足が感じられるが、
まぁ今回は良しとしよう。(笑)

映画全体に関しては、特筆すべき点も多い。

アニメ映画の製作にも携わっているツイ・ハークだが、
何処かしら、マンガチックな手法を取り入れているところが面白い。
(金持ちオババが空港のカウンターでxxするシーンや、
場所が変わる際に現れるロゴなど)

そして、期待のアクション・シーン。
カー・アクション、銃撃戦、肉弾戦などが満載だ。

特に、終盤のマンション群での銃撃戦は圧巻である。

ワイヤーを使いながら、マンションの壁を縦横無尽に動き回ったり、
また、窓のガラスを突き破り、そのまま落ちて行くウーバイの姿を
カットを変えずに撮り続けたシーンは
素晴らしいの一言だ。

こういったアイディアに富んだアクションこそ、
香港映画の真骨頂ではないだろうか?

しかし、残念なのが、これらが多少長く感じたことだ。

銃撃戦について言えば、ただ単に撃ってるだけと言うシーンが多い。
それも、無駄に長い。
(いろいろな部分を削って、上映時間、1時間52分を、
12分ぐらいは短縮出来たのではないか?)

前述したように、何かひとひねりして見せてくれたのなら、
また違ったように思うのだが・・・

また、手足を使ったアクション・シーンでは、臨場感が無いように感じた。

従来の香港アクション映画ならば、演じている主人公達の
気合の声などが入るのに、あまり聞こえない。

打ち合う音は聞こえるのに、何故か本人達の「唸り声」が聞こえないのだ。
その他のシーンでも、SE(効果音)は、あまり入れていなかったように思う。

これは、何か意図があってしたことなんだろうか?
激しいアクションを、ぶつかり合う音だけで見せると言うのも、
また新しい手法なのかもしれないが・・・。

それから、不可解だったのが、ジョン・ウーの映画にも出て来る、
「白いハト」が、この映画でも登場する。

「MI:2」のDVDでの、ジョン・ウーの解説を聞くところによると、
この「白いハト」には、
「今から悪い奴らをやっつけに行くぞ!」と言う
メッセージが込められているのだそうだ。

世間一般には、「平和の象徴」としてのイメージがあるが、
私が考えるところ、無惨な闘いの前に行われる、一種の「儀式」を
この「白いハト」を用いて表現しているのではないか?と考える。

まるで、この「白いハト」たちが、
死者の霊を弔い、癒し、天界へ静かに導いて行く・・・
そんな意味合いがあるのではないだろうか。

では、この映画での「白いハト」は、どういった意味があるのだろうか?
やはり、ウー的なメッセージが込められているのだろうか?
それとも、ジョン・ウーに捧げるオマージュなのだろうか?
(そんなワケないか?)

最後に、ウー・バイの妻役の廬巧音(キャンディー・ロー)について。
試写会で初めて見た時には気づかなかったが、
一般公開で見た時に、彼女の演技がとても自然で印象に残った。
(最後のxxのシーンは、あまり現実的でないので、どうかと思うけど)

その他、突っ込みどころも多いが、このへんで止めておこう。(笑)
(なんでコンサート会場で、xxして平気なんだ!とかね)


総評: 62点。


この映画の「メッセージ」って何だったんだろう?

冒頭でのツイ・ハーク自身が語るモノローグや、
この映画の原題、「順流逆流」にヒントがあるような気がするのだが、
私の教養の低さ、知識の無さからか、感じ取れないのが悲しい。(苦笑)

私の中での、香港映画の定義は、
「余計なことを考えずに、心の底から楽しめるエンターテメント映画」
と言うことなので、今回は、いささか満足(理解)できない点があったと
最後に記しておこう。



ドリフト 公式HP




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