【夢分析のための実践講座 基礎編-06】          NEXT-UP

 

 

 

 

 

 

 

tamay.gif   37歳 女性 : エレベーターに乗って!  「ラベンダー」さんの夢   chibiz.gif

イメージ添付の夢内容を見る時はここをクリック 

私は、エレ ベーターの前に立っている。
そこは、ただ
薄暗く、ひたすら陰鬱としている。 

どうやら、20年前に

生まれて初めて就 職した会社のエレベーターの様だ。


私はエレベーターの中に入ると、何故か64階のボタンを押してしまう。
間違ってではなく、はっきり
64 と言う数字

確認していたにも関わらずである。

 

私は、「この会社にそんな階はない。

最上階は5階だったけ、8階だったけ・・・?」と

あやふやな記憶をたどっている


8階だった、いや、5階だった、
と慌てて
二 つとも押してしまう。 

まぁ、5階にしろ、8階にしろ、
64階の前に止まるんだから、と安心していると、
エレベーターはどこの階にも止まらず、
 

しまいにはかなりな加速で駆け上がっていく。


私が最 初に押した64階
向かっているのだろうか、と思いながら、
それではビルを飛び越してしまう、と恐怖におののく。
 

そういえば、以 前にもこんな夢を見たな、と思いながら、
また恐い思いをするのか、とひたすら恐怖におののいて いる。


だが、ある一定の階までいくと、
エレベーターは
観覧車の様なシステ ムで、
エレベーターの箱が、場所を変える様に
 

少し横にずれたか と思うと、今度は下におりて行く。
それがまたかなりな加速で急降下していく。


このままでは死んでしまうのではないか、と思っている と、
エレベーターの加速度に比べて
私の体はそのスピードには
ついていけず 

風船がフンワリ浮く様に体が宙に浮いた。


このスピードではエレベーターが下についた時に、

私の体は床に叩き付けられてしまうのではないか、 

という恐怖心が募っていたところで目が覚めた


私は何故、最初の就職先のエレベーターに乗るのか。64階の意味とは。 

以前、時々、エレベーターに乗って、
それがビルの最上階をかなりの勢いで飛び越えてしまう状 況、という夢を見てました。
 

それが今回はそれを超える事なく、観覧車の様に下に降りだしたのは、

な んだか不思議に感じました。




今回のケース研究その6では・・・、

まずは、夢の構成要素
と いう視点から、分析してみましょう。


@夢ステージは「エレベーター」「20 年前の会社」

A登場人物は「夢見者の1人」
 

※問診しないと他の人物がいたかどうかは不明だがおそらく1人。

B夢見者の行 動は「立つ」→「中に入る」→「ボタンを押す」→「くりかえす」

C
夢見者の感情は、最初が「陰鬱」→「判 断がつかない不安」→「あわてる」
→「安心する」→「恐怖」
最 後が「MAXの恐怖」

※陰鬱(いんうつ)→鬱陶(うっとう)しく、、心が晴れ晴れとしない感じ。

D状況の変化は「上 昇する」→「加速する」→「横にずれる」
→「下降する」→「加速する」→「浮上する」



E事物として登場するのは、エレベー ター、会社、ボタン、最上階、5階、8階、観覧車、風船

F印象に残る数字や文字は「64」と いう数字5,8

G気になる夢見者の背景・事情   生まれてはじめて就職した「会社」 ・エレベーターの「夢」の別バージョンがある。

※問診することで、浮かび上がる「背景・事情」もある。

H気になる夢内容の表現  「二つとも押す」 「かなりな加速」 「ついていけない」 「叩きつけられる」


I夢全体の印象  「狭い空間」→広が りがない→出られない目まぐるしい加速


次に、夢の構造を確認しましょう。


ボタンを押すという「操作」上昇するという「作動」作動に対する「確認」
2つのボタンを押すという「修正」2つの操作による「作動の変更」
横移動と下降するという「作動」作動の変更によってもたらされる安心と恐怖の「生産」

※会社での業務内容と一致することがわかりますね。
つまり、この夢はエレベーターにおいて夢が展開していますが、会社の業務にかかわる夢だということ。






3つ目として、数字の意味。64と5,8。

64という数字は、退職直前の年齢。会社勤務なら、あり得る数字。
37才という年齢なら、退職はふつうありませんから、リストラまたは転職直前の心境を意味する数字。

加速するという「夢内容の文言」から、もしかしたら、32ビットから64ビット

あれこれ考えたが、
「横にずれる」、「観覧車」
2つキーワードから、
とつぜん、閃きました

「テンキーパッド」

会社勤務なら、固定電話を利用する。もちろんコンピュータ入力でテンキーパッドも使用する。
ご存じの方も多いでしょうが、電話の数字の並びとPCのテンキーの並びは違います。
ゲームをする方なら、
「6と4」は横移動とわかる。「観覧車」はゲーム。


123    789
456    456
789    123
   0        0
     左が電話・携帯   右がコンピュータ PC


5はホームポジション。夢見者は「5」か「8」で混乱していました。
「5」の上が「8」なのか、それとも「5」の下が「8」なのかと
迷うは、電話とPCのキーパッドの違いから発生しているのでは?

PCなら、
「8」は上に移動。電話なら、「8」は下に移動
エレベーターが横にずれたのは、「6」と「4」によるボタン操作。


恐怖を感じる「対象」が電話とコンピュータ(PC)ということかもしれません。




夢の構成要素のB
行動C感情組み合わせて推移をながめると見えてくるものがあります。

「立つ」「陰鬱」⇒「中に入る」「判断がつかない不安」⇒
⇒「ボタンを押す」「あわてる」⇒「くりかえす」「安心する」
⇒「恐怖」⇒「MAXの恐怖」

入社したての頃の印象
がただよう「会社のエレベーター」という場面設定ですから
上記の推移から、会社の前に「立つ」ことに「陰鬱」すなわち、心が晴れ晴れとしない感じ。
「中に入る」ことに「判断がつかない不安」を感じている。登社拒否?

業務内容は「ボタンを押す」ものだが、「あわてる」から間違いや失敗が多かったのかもしれない。
PC作業や電話対応が主な業務だったのだろう。
でも、「くりかえす」ことによって、技量もあがり「安心」できるようになった。
そのように、入社したての頃から、いまを振り返っている。どうしてなのか?

上昇の加速があって、
めまぐるしい業務であったということなのだろう。
そして、事態は急変した。横移動があって、上昇していたものが下降しはじめた。

横移動はたぶん、
部署の異動

上下の違いがあるが、これも加速がましている
「忙しさ」に混乱しながら
恐怖はマックスに達している状況を展望している夢なのだろう。

恐怖の対象が電話やPCですから、部署の異動という状況を目の当たりにし
「強い驚き」があって、「逃避か回避」の判断をすべき事態が発生したのでしょう。

※恐怖は、「強い驚き」がまずあり、危険な状況において、逃避・回避の行動を選択します。


「観覧車」「風船」のようにフンワリと「体が宙に浮く」という状況を
エレベーターが
下降する前段階下降の最中に組み入れている。

そのような業務においても、「観覧車」のような
周囲をながめる時期もあったし、
「風船」ような
解放された気分を味わったこともあったと
振り返ることで、現時点で起きつつある、またはすでに発生している
「事態」
「観覧車」と「風船」という対応で、備えようとする
夢見者が作り出した夢。


37才という年齢なら、キャリアを積み、有能なスタッフとして、バリバリと働いているはず。
それでも、新しいプロジェクトや担当者の入れ替え等により、仕事への不安が増えることもある。

そんなときに、はじめて「会社」という組織に組み入れられたときの状況
「エレベーター」の
恐怖というシチュエーション再現することにより、
変わる業務内容、仕事のあらたな展開に適応するための「リハーサル」をしているのでしょう。

ここに、
「弱いつながり」の記憶再構成が実施されているのが分かるでしょう。



ところで、この夢では数字がとくに意識されていました。おそらく「明晰な夢」だったからでしょう。

何回か繰り返す
「ノンレム睡眠」の最後のステージの夢であり、起きる直前ですから
前頭葉が活発に活動しており、ちょっとした
身体の動きも夢にとりいれることがあります。

寝返りの動きがエレベーターの「横移動」に相当するのかなと想像じました。
「脳」は、そのような浅い眠りのおける身体からの感覚が
パルスとして届けられれば、
夢に「その動き」をとりれようとします。
結果として、エレベータの動きに観覧車のような横移動をさせて、
シナリオを変更し、
夢独特の「つじつまあわせ」を実行したのかもしれません。
空を飛んだり、高いところから飛び降りたい、跳ね上がったりする夢は
最後のノンレム睡眠時に身体の感覚パルスの刺激を受けた脳が生成する夢だとエリカは感じています。

※エレベーターは古代ローマ時代にはすでに人力のものが使用されていたようですが、
一般に普及したのは、日本でいえば明治以降。それ以前は、当然のことですが、エレベーターの夢はありません。

※エレベーターの夢を見る方は大変多く、夢内容も豊富です。
浅い眠りであり、間もなく起きるというときに、みている夢だから、思考的な夢ともいえるでしょう。
「典型夢」として、さまざまな夢が報告され、分析されていますので、
興味のある方はユング系の書籍に目を通してみてください。エリカ的には、「うさんくさく」感じますが。



今回のケース研究6においては、

夢の構成要素から行動と感情の推移を比較するというアプローチで分析しました。

by エリカ      


     




夢見者は 生まれてはじめて就職した「会社」には、たぶんいないのであろう。
転職をしているはず。それが横移動。(※うららの見立て 部署内異動ではなく、転職)

問診すれば、すぐにわかりますが、今回も問診もなし、回答もなしなので、
うらら独自の夢感覚でケース研究その6を診断していきます。

エリカとは別の見立てでスタートしました。そこが、うらら独自の夢感覚。単なる直観ですが。

エリカが、行動と感情の洗い出しをしてくれました。
エレベーターの夢では、「恐怖」がメインですので、そこに焦点をあてて、診断していきましょう。



夢見者が、他のバージョンでも夢を見ている。

以前の別バージョンの夢では
屋上を飛び越えてしまうのではないかという恐怖があった。

今回の夢では

指定した「階」に止まらないのではないかという不安があり、

やはり、エレベーターが飛びぬけてしまうのではないかと恐怖の予期もあった。
しかし、今回は違ったという「驚き」の感情が挟み込まれている。

一連の「エレベーターの夢」「繰り返しみている夢」ならば、
夢見者の夢に対する「反応」があったはず。

以前の夢でも「怖い思い」をしたと、夢見の中で、あえて「反応」を提示している。

夢の中でかつての夢を振り返っていますから、おそらく明晰夢。
明晰夢
であるから、そのような振り返り思考が、可能なのであって、
その場(夢見の最中)に、夢のシナリオの「結末」を変更したのではないか。

ここに、この夢の価値がある。※現実認識の枠組みの組み換え。


「振り返り思考」において、「弱いつながり」の記憶の再構成が行われたと指摘しておきたい。

拾われてきた「記憶」は「観覧車」であり「風船」である。

観覧車は上昇運動を、回転することにより、下降運動へと切り替える
そればかりか、やがてはホームポジションに戻ることもできるはず。
夢見者にとってのホームポジション、この夢に関していえば、それは20年前の会社であろう。
これが、最初に示した「うらら」の見立てとつながる。

下降の加速度によって、「叩きつけられる」という恐怖が、
この夢ではまだ存在しているから、夢見者はそこで目を覚ますことになった。
目を覚ますことで、恐怖を回避したのだ

今回の夢で、夢見者は、エレベーターの下降時に、「身体をフンワリ浮かせている」
その連想が「風船」のイメージとむすびついた・・・ように感じるが、そうではない。

夢では「風船のように」と風船イメージだけようになっているが、実は「風船」がまず存在る。
風船のイメージでもって「身体が浮いた」のではなく、「風船」登場したから、「身体が浮いた」ということ。


※これが、夢の「つじつま合わせ」、事物の提供に合わせて、夢のシナリオが変更される。


おそらく、次の「エレベーターの夢」においては、「風船」が、あるいは同様の効果をもつ事物
夢見者の「叩きつけられる」という恐怖回避する手立てとして登場するだろう。

そのように、夢は夢見者の反応に呼応して、シナリオを変える
シナリオを変えることにより、夢見者の「認識の枠組み」が改善される


※「認識の枠組み」が「弱いつながりの記憶」の再構成によって、改善されていくということを意味する。


夢見者は、かつての会社で勤務していた「自分」を思い出している。
そこでは「観覧車」のようなゆっくりとした動きで、業務が進行していたのだろう。
出勤すれば、やがて一回転し、勤務が終わる。地上に着けば、下りられる

※確かにそういう時期があったと回想をすることによって、出現する「感情」。
 夢ステージに、「かつての会社のエレベーター」を出現させた「発端の感情」である。


(うららの見立て)→夢見者は別の会社に転職している。その会社の業務はめまぐるしい。
エレベーターに乗ると、つまり、会社につけば、仕事の上限に際限がないように忙しく、
指定した「5階」「8階」には止まらない。
つまり、定刻の5時か、残業終了の「8時」になっても終わらない。
上限を突き抜けてしまうような「勤務風土」なのでしょう。エレベーターが屋上をつきぬけるイメージ。

回避したいが回避できない。それが「恐怖」の正体

これは、悪夢ですから、夢見者なりに、解消しようと、シナリオ変更を試みてきたのでしょう。
夢の掲示板に載せたことで、つまり、夢を露出させたことで、次のステップに進むことができるだろうと思われます。

想像ですが、風船のような事物がエレベーター内に出現し、マットレスのような効果をもたらし、
加速度的に降下する「エレベーター内」にいたとしても、
「叩きつけられる」こともなく、無事に1階へと到着できる・・・そして、飛ぶように

飛んでいるかもしれませんが、エレベーターから抜け出る夢次回はみるのではないかと思います。



夢の中に登場する「事物」 ここでは「観覧車」や「風船」が、
どのような役割をもって登場しているのか、
「修飾的なイメージ」でもって、表現されていたとしても、実はその瞬間の主役。
ここでは、「風船」のように〇〇〇〇「観覧車」の様な〇〇、・・・付随的に登場するが、
「事物」は、その瞬間の主役であり、「事物」が特定の感情を引き出す役割を果たすことに注目すべきだろう。

「事物」がまず登場したということ。それによって「感情」が生起する。

シナリオという夢による「後付け」「つじつま合わせ」がされるが
見過ごしてならないのは「事物」という存在と夢見者の関係性であると強調しておきたい

今回のケース研究その6では、

夢ステージに登場してくる「事物」の取り扱いについて、うららなりの見解を説明しました。


以上でうららの「講義」は、終了とします。
by うらら      





エリカの 行動と感情の推移から夢分析する手法は見事です。
うららの、  夢感覚もそれなりの成果を上げ、実に的を射た夢診断となっています。


ここで、確認したいのは「三半規管」の機能についてです。

耳の内部には3つの「半規管」があり、内部はリンパ液で満たされています。
そのリンパ液が回転運動によって、動くことにより、信号を脳に送ります
3つの「半規管」がそれぞれX軸、Y軸、Z軸を担当し、3次元の回転運動を感知します。
いわゆる平衡感覚(回転加速度)をつかさどる感覚器官です。


浅い夢において、感覚器官からのパルスが夢見に影響を与えるとはよく知られています。

※「レム睡眠」時においては、感覚刺激は遮断されています。脳に伝わりません。

※起きる直前のノンレム睡眠時は、つまり浅い夢では、感覚刺激を夢に取り入れることがあります。


滑空するように飛んでいたり、
鳥のように見下ろす位置
で景色をみていたりするなど
位置関係に奇妙な感覚を表現する夢は、
ノンレム睡眠最後のステージで展開されることが多いのもしれません。


いくつかある「ノンレム睡眠」の最後のステージでは覚醒状態に近い「脳であるため、
身体の各部分から送られてくる「パルス」に反応し、その意味を確かめようとします。

寝ている体の状態は、たいてい「横になっている」でしょうから、
その身体の位置関係を、三半規管は「いま、横になっている」と伝えます。
寝返りをうって「うつぶせ」になれば、「うつぶせに変更する」とパルスをおくります。
もちろん、重力の方向皮膚の圧迫感覚として、脳に送られてきます。
寝ていいるときは、膝や足に垂直方向の重力がかかっていませんから、浮遊感が生じます。

「横になっている・うつぶせである」→夢の中の飛行姿勢そのものではないでしょうか?
「回転している・浮遊感がある」→夢の中の飛行運動感覚ではないでしょうか?


※夢見において、水に潜る感覚も、水に浮いている感覚も同様です。空中が水中に変化しただけです。



横になる身体の位置感覚が発生したり、「ふわふわ」とした身体感覚が生じるのも
寝ているときだけです。そこに「特別な意味」をもたせるのですね。
つまり、滑空する動きや浮遊するイメージ、つまり、宙に舞う「感覚」を脳は表現します。

はるか上方から見ているイメージは、例えば山に登って下界を見下ろした視覚記憶を利用します。
あるいは、「漫画」や「風景写真」などの「平面記憶」を「空間記憶」に切り替えて、利用します。
映画やテレビで見た「スパイダーマン」や「スーパーマン」の映像も、飛行感覚の材料としてのイメージとなりえます。
そのような「素材」から、脳は「宙に舞う感覚」にぴったりの「イメージ」を創りだすのでしょう。

飛ぶ夢の報告数が、増えているのも、
そのような「映像」による視覚刺激が多くなっているからかもしれません
脳は、とにかく「つじつま合わせ」をしたがるのです。
それらしい「イメージ」で夢を展開します。




さて、ケース研究その6においては

エレベーター内で、「上方に突き抜けるような加速度」があり
「横にずれた」程度の動きのあとに、
「下方への叩きつけられるような加速度」を体感しています。

加速度「身体の位置関係」「皮膚の圧迫感」表現されます。

加速度程度は、感情の評価によって、決定されます。強弱の部分です。



つまり、仰向けの状態での浮遊感が、「上方に突き抜ける加速度」→
→仰向けから、寝返りによる、身体位置関係の変更が「横移動」→
→寝返りによってうつぶせの状態での浮遊感が「下方への叩きつけられるような加速度」

夢見者は、「宙に舞うような浮遊感」エレベーターの夢に持ち込み、
さらに「恐怖という感情」で意味づけをしました。
「事物」としての「エレベーター」がまず存在し、あとから恐怖という「感情」が添加されたのです。

このように「事物」と「感情」の関連は、夢見者の「弱いつながり」の記憶に基づきます。

「弱いつながり」の記憶再構成という過程を経て、強化されます。
強化されるのは、「感情」にかかわる記憶だから。生存にかかわる「感情の記憶」だからなのです。



エレベーターは「閉塞感」があります。
狭いですし、中に入るとしばらくは出られません。出口はひとつですし、途中で開けられません。
制限が多い不自由な空間です。

エレベーターにおける上下運動は、つまり自由の制限された「浮遊感・飛行感覚」といえます。
「夢ステージ」として、「エレベーター」が選ばれるのは、夢見者の「閉塞環境」にあるのではないでしょうか。


37才の女性が、夢見の変化を
「なんだか不思議」と感想を述べています。
一連の夢を覚えているからこそ、出てくる感想です。
悪夢なので、覚えていることが多いのは確かですが、
今回のケースでは「明晰」な夢で、ノンレム睡眠時にみることにより、「恐怖の解消」を図ろうとしています。

※最後のレム睡眠から「覚醒」までの間に、もし、ゆるやかに「覚醒」することができれば、明晰な夢がみられるだろう。
※悪夢は一般に、「レム睡眠」時にみています。強烈な感情の表現が「大脳辺縁系」からもたらされます。


ただ、「うらら」の指摘するような夢の展開は難しいでしょう。生存に「恐怖」は必要だからです。
「エレベーター」の夢をみなくなる「方向」に夢意識は舵を切るのではないかと思います。

「弱いつながり」の記憶は、強化が十分なら、それで一応の完結を迎えるはずです。
現実面でのあらたな「脅威」が出現しなければ、
しばらくは、そのまま記憶の引き出しに「放置」されるでしょうから。
それが、ふたたび「弱いつながり」の記憶として採用されるときは、
同じような夢を、別の展開でみることになるかもしれませんが?




今回のケース研究その6は、ここまでとします。
by ふむふむ      





ケース研究その7は、

30歳 女性  夢のタイトル : イチゴ 狩り     「ちゃぴー」さんの夢 をとりあげます。


脳と夢科学について、HPで再度、復習をしてください!