夢と脳のモード
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さまよう思考―マインドワンダリング―夜の脳のデフォルトモードが夢を創り出す

ひとつのことに集中し続けることは難しく、いつの間にか余計なことに思いを巡らせてしまう。
このような「さまよい思考」が、脳の基本的な状態といえます。
実際、起きている間の30 〜 50%もの時間,あれこれと思考のさまよいをしているのです。
では、睡眠時はどうなのかというと、ぼんやりと「さまよい思考」をしています。
これが、脳の「デフォルトモード」であり、脳のアイドリング状態ともいえるでしょう。
外部からの感覚入力はないが、内部から入力を引き出しては、「疑似感覚世界」をつくりだしています。
内部の入力とは昼間の感覚入力の蓄積であり、触発された情動や感情の発動であり、関連する記憶、
とくに「弱い連想」の記憶につながるニューロンのまとまり(クラスター)の「発火」です。
デフォルトモードの脳が「弱い連想の記憶」を再構成する。その際に生じる「疑似感覚世界」が「夜の意識空間」となります。
目が開いていれば、目の前で展開する「感覚空間」、つまり「昼の意識空間」であるが、目を閉じていれば、「夢見」現象となるのです。

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クラスター:複数の神経細胞が同じタイミングで活動(共活動)すること。
何らかの経験や学習をした時に共活動する神経細胞集団が、その情報を符号化し記憶として脳に蓄えていると考えられている。

神経細胞の共活動(同時発火)は新規情報(記憶の再構成)を創り出す という新たな役割を持つことも明らかになっている。 

前頭葉でシナプスの結びつきが強くなると眠リが始まり、眠るとシナプスの結びつきが弱くなることがわかっている。
昼間の脳活動でシナプスの結びつきが進行する。それが極大に達すると一度解きほぐして、結びなおすという作業をするのではないか。