ベゴニアの魅力



 ベゴニアの魅力といえば、開花時の花の美しさもさることながら、豊富な葉の形、色でしょう。花が咲いていなくても葉の形や色だけでも観葉植物としての魅力を楽しめます。
 みなさん植物園や各地のベゴニア園で見られる色とりどりの球根ベゴニアにびっくりされると思いますが、ベゴニアはそのほかにもいろんな種類があるのです。軒端や庭に咲くシュウカイドウもベゴニアの仲間です。また、趣味家の作るベゴニアには木立性、根茎性、球根性のすばらしい種類があります。それらを順次紹介していきたいと思っています。
 ベゴニアは冬越しが大変だといって栽培を敬遠される方がいらっしゃいます。しかし、少しの種類であれば、温室なしでも十分部屋で楽しめます。人によっては、テラリウウムというガラス容器で部屋のインテリアの一部として栽培を楽しんでいられる方もあります。

 それでは、まずベゴニアの特徴を述べましょう。

(全体)

1.種類が豊富であること・・・野生種は熱帯、亜熱帯に分布していて、その数約3,000種といわれています。そのうち、約450種は日本に導入されています。それに交配種を加えると、膨大な数に達し、全ての種類を見ることは至難の業です。一つの属でこれだけ変化に富んだ植物は珍しいといわれています。

2.花言葉で「片思い」といわれているように、葉の形が左右対称であるのが特徴です。

3.葉の形、色、模様が千差万別である。とくにレックスといわれる種類で は、1枚の葉の中の微妙な色の変化は見るものにとって至福の時を与えます。

(ベゴニアの葉の形)

ブレビリモーサの葉

1.大きさは、直径1cm程度の葉を持つペリドットから、直径30cm以上の葉を持つヘラクレイフォリアまであります。

2.形は、卵形葉からハート形、切葉、掌状葉、シダ葉まで17種にも分けられます。

3.色は、普通の青葉から薄緑、黄色、赤、茶、白っぽい緑などあります。

4.模様も、斑点のあるもの、地模様のあるものなどあります。レックスで
は、蛇の目、霜降りなど8通りに分けている人もいます。

5.そのほか、表面に毛のあるもの、光沢のあるもの、凹凸があるもの、切片のあるもの(ヒスピーダ・ククリフエラ)、渦巻きのあるものなど多様です。

(ベゴニアの花)


1.形は、大小2弁からなる4弁花が普通ですが、5弁花またはそれ以上の花弁をつけるものもあります。また、センパフローレンスや交配種の球根ベゴニアでは、八重咲きも見られます。

2.大きさは、クロロステイクタのように小輪の花を咲かせるものから、ルバーシイのように大きな花を咲かせるものまであります。球根ベゴニアでは、花径20cmを超すような大輪も作られています。

3.花色は、青色系を除き全てあります。すなわち、白、ピンク、赤、オレンジ、黄色および2色花などです。

4.子房は、雌花の直下につきます。通常は3稜ですが細長いもの、4稜のもの、横広がりのものなどあります。そして普通翼状突起を持っています。子房の内部は通常3室で、ミリメートル単位の種子が確実にできます。まれに2〜5錐で内部が2〜5室となるものもあります。

5.ウエノーサ(スパイス)、ソラナンテラ(スパイス)など香りのある花を咲かせる種類も見られます。これらの香りは、ローズ、キャンデイ、ハニイ、スパイスの2要素以上が合体して香りを出しているようです。

6.花の咲く時期は、最近では四季咲きが増加していますが、木立性種では春から秋、根茎性種では冬から春、レックスでは夏〜秋咲きというのが一般的です。

(育成環境)

1.種類により微妙に異なり、2万ルクス以上の光線を要求するものから間接光線でも耐えられるものまであります。

A. 光線を多く要求するものとしては、球根性種(20,000-25,000lux)、木立性種(12,000-20,000lux)、根茎性種(10,000lux前後)

B. 間接光線でも耐えられる品種・・・デコラ、ウエルシコロール、カタヤーナ等、主として中国原産の野生種に多い。

2.球根性種のように休眠性のものもあります。

3.上記の条件を考慮に入れながら、一般的な育成環境を述べると次の通りとなります。

(1)弱酸性の土壌を好みますので、鹿沼土、バーミキュライト、ピートモスを等量に混ぜた培養土に植えればよく育ちます。

(2)温度は20℃前後が最適ですが、最低10℃、最高30℃の間で育てれば、花も咲いてよく育ってくれます。

(3)水やりは、表面が乾いたら鉢底から水が出てくるぐらい与えます。ただ、空中湿度を好むので、できれば温室やガラス室に入れておくとよいようです。それができない場合は、霧吹き等で霧を吹きかければ十分です。

(4)肥料は、春から夏にかけて、ハイポネックス等水肥を1週間に1回程度与えます。

(5)増やし方は、頂芽挿し、葉挿し、球根から、種子からなど多々ありますが、種子以外では、バーミキュライト等の挿し床に水をたっぷり染みこませてそこにさしておけば、1〜2週間で根が出てきます。種子は蒔き床にまいて覆土はしません。

(分類)
(以下、青色の部分をクリックしてください。詳しい説明のページに飛びます。)
1.木立性種・・・@矢竹型、A叢生型、B多肉茎型、C蔓性型、Dセンパフローレンス

メタリカ(B.metallica) 叢生型 南米・ブラジル原産

2.根茎性種・・・@地表を這う型、A地中を這う型、B立ち上がり型、C半木立性、

ゴエゴエンシス(B.goegoensis) アジア・インドネシア原産

3.レックス(a. 小葉種、b. 中葉種、c. 大葉種)


4.球根性種・・・@原種、A交配種、Bケイマンタ(冬咲ベゴニア)、Cエラチオール(=ヒエマリス、リーガースベゴニア、ソコトラーナとの交配種の総称)

.ペアルケイ(B.percei) 南米・ボリビア原産