CONSEPT PROFILE DISCOGRAPHY LINK BBS
A BALLAD FOR JOE
from SOUTHERN COMFORT/1974
←back next→
鮮血がダイヤモンドに変わるとき
Music By Joe Sample

闘いを終えたボクサーの顔面に生々しく残った傷跡。腫れ上がった頬、切れた瞼からその頬をつたって滴り落ちる 鮮血。拳ひとつに人生の全てを賭した男の生きざま。Joe Sampleは、男心を、一人の類まれなヘビー級チャンピオン、 ジョー・ルイスに託して一曲のバラッドを編み上げました。きっとJoe Sampleは、ボクサーの鮮血が、光り輝くダイヤモンド に様変わりする瞬間を知っている人にちがいありません。
曲の前半と後半にさりげなく挿入されたKO劇のカウントダウン。しかし曲自体は、アグレッシブでもなく、いたずらに 騒々しくもありません。 現役当時、褐色の爆撃機というニックネームで呼ばれたジョールイスを偲んで、 Joe Sampleは、ひたすら童心に帰って鍵盤に指を走らせているかのようです。曲は訥々と 静かに進行します。おそらくは少年時Joe Sampleにとって英雄だったはずのジョー・ルイス。
ジョー・ルイスは、途中KOの挫折を味わいながらも達磨のように起き上がり 世界ヘビー級王座にたどり就きます。69勝55KO3敗の戦績が物語る豪腕の不世出のファイター。しかし晩年は、無一文同然となり、プロレスに転向、リング上での怪我がもとで 自由に動くこともままならなくなったといいます。この人生の光と影をボクサーとして苛烈に生きた男の軌跡を、 Joe Sampleは、瞼の鮮血を真っ白いタオルで拭うリングサイドのトレーナーのように、淡々とクリスタルタッチで詩情を 綴ります。これが男心です。


ジョー・ルイス

ジョー・ルイス(Joe Louis、1914年5月13日 - 1981年4月17日)はアラバマ州ラファイエット出身のボクシング世界ヘビー級王者。本名はジョセフ・ルイス・バローで、ニックネームは「褐色の爆撃機(The Brown Bomber)」。11年間の王座在位中に、全階級通じて最多防衛記録である世界王座25連続防衛の記録保持者であり、現在もこの記録は破られておらず、また破られる気配すら見えてこない(ダリウス・ミハエルゾウスキーがWBOライトヘビー級タイトルを23連続防衛したが、ルイスの記録には届かなかった。)。ジャック・ジョンソン以来、史上二人目のアフリカ系アメリカ人世界ヘビー級王者である。身長187cm、体重89kg。
総試合数 72 勝ち 69 KO勝ち 55 敗け 3 from 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』