のっけから危険な雰囲気をはらんだタイトなリズムが鼓動を始めます。そこへウェインヘンダーソン
のトロンボーンの一矢が放たれ、さらにウィルトンフェルダーの追撃が始まり、右側車線から追い越しをかけてくる。「おいおい、そんなに沈んでちゃだめだぜ」とばかりにグイグイとエネルギッシュにボルテージが上昇。もはやそこにはヒーリングなんて軟なムードは吹っ飛んじゃっています。2曲目は粘っこい曲調で、ウイルトンフェルダーのサックスがねっとりとからみついてくる。
「GET ON THE SOUL SHIP」はクルセイダーズ独特の雄渾なインストルメンタルバラッド。「SUPER-STUFF」はウェイン・ヘンダーソンの曲。モノクロのバイオレンス。ふさぎこんでなんかいられない。全身の細胞を震い立たせるこの力こそクルセイダーズの絶倫パワー。
「DOBLE BUBBLE」、イカシタ調子で、ベ−スとドラムが手を携えて、サァーサァーやってきました「爆発!暴走族」。あの石井輝男監督の映画が卒然と頭をよぎる。映画では今は亡き三保敬太郎の音楽が使われたのですが、クルセイダーズでやってほしかった。ハイウエイを快適にぶっ飛ばす疾走感溢れる「THE WELL'S GONE DRY」、この曲、黒い革ジャンの暴走族にスッゴクお似合い。「SOUTHERN COMFORT」はバラードで、今回のアルバム、ウイルトンフェルダーの独壇場というぐらい良いですね。そして「TIME BOMB」、相手の縄張りのど真ん中へ小部隊を組んで、渡哲也を筆頭に殴りこみをかける「関東幹部会」を彷彿。サックスの鉄砲玉賛歌。哲也兄ぃーへ「寺田さん、あんたのやり方はもう古いんだよ」と初めてスクリーンに登場した新興ヤクザ、原田芳雄を観た時の胸のときめきをこれまた思い出しちまいましたヨ。カッコイイ。
|