武庫川の東、西宮市にある兵庫県立芸術文化センター の大ホールで開かれた日中平和友好條約締結三十周年記念の「鑑真頌」音樂祭に行った。オーケストラ華夏(日本華楽団)による熱演で、「飛天」「禅思」「秦川抒懐」「空谷禅韵」「鑑真東渡」「晨鐘……夕鼓」「佛讃」と展開して収束していった。“あいことば”には「風月同天 共結來縁」とあった。
鑑真和上の情熱と使命感に深く感動した二時間だった。
鑑真は、日中数千年の交渉史中での偉人である。しかし、それから千年、その間、彼を上回る人物を出すことができなかったことは、残念なことでもある。
(話は変わるが、「鑑真」と表記する場合、日本では通常左記の通りだが、上掲のチケットでは、「鍳 」となっており、これは簡体字「鉴 」に近い字体(特に「 」)なのだが、(簡体字はともかく)実際のところ、伝統的には「鑑真」(鑑眞)なのか「鑒真」(鑒眞)なのか「鍳真」(鍳眞)なのだろうか…。本人はどの表記をしていたのだろう?
悩んだ。)
-----------------
・武庫:武庫川。兵庫県宝塚市~西宮市・尼崎市両市の間を流れて、大阪湾に注ぐ川。
・師 :老師。大師。法師。ここでは鑑真和上を指す。
|