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チェロ・メイキング 6 セットアップ & ニス塗り Feb. 2011 HOME



大きい分、あとから細かなことをやるのは大変ですから、
段取りだけは済ませておこうと思います。

というわけで、ネックはまだボディに取り付けてはいませんから、
ここでペグボックスにペグ穴を彫り、調整しておきます。

それで、いろいろ持っているセットアップ部品の中から、
ここで使うものをセレクト。

個人的な好みではローズウッドが好きなのですが、
今回は明るい色のボックスウッドのヒル・モデルを使うことに決定。

ペグボックスの穴も、それに合わせて空けました。
このペグ・リーマーも、次の写真のエンドピン用のリーマーも、昨年、あちらのオークションe-Bayで買ったもの。

やはり、専用工具は使い易いし作業が楽に進みます。




エンドピン・ソケットの穴はとても大きく、
外形で30mm程度。

まず、中心に10mm程度の穴をドリルで空け、
それを基準にして回しノコで四方八方に切り込みを入れてのばし、大きめの丸ノミで丁寧に、少しずつカット。
それから、専用のリーマーでほどよい太さまで広げ、
様子を見ながら差し込んだところ。

エンドピンは、手持ちではこの金属シャフトのものしか
持っていませんが、これは、目方が重いので
カーボンシャフトのものに変えようと考えています。




黒檀の指板は、安い既製品のもの
1本の目方が420g前後、ずっしりと重いのです。

それで、裏側の彫り込みをネックぎりぎりまでのばし・・・。
さらに、ネックに貼り付ける部分も周囲を残して少し彫り込んで削り、そのことで80gほどダイエットできた。

ナット側も結構分厚いつくりになっていますが、
もう少し薄くてもいいはず。

また、ナットとサドルもこれからつくらなければなりません。


指板をほどほど削ったところで、あらためてネックのほぞ穴を再確認。

指板の延長線が、駒の真上で表板から90mmになるよう、
ネック角度を微調整する。
この日の夕方までに、ナットとサドルをつくり、
サドルだけはほぞ穴を彫って貼り付けました。

なお、部材は在庫にあるシマ黒檀から切り出しましたから、場所によっては上の左側のように、やや茶色っぽい。

でも、ニスを塗ると黒くいろが沈んできます。

(ナットだけは、なぜかふたつ削りました。)



指板はネックに貼り付けたが、
まだボディには貼ってありません。


黒檀を削ったり、触ったりした後は、
白木に汚れとしてよくつきます。
(2/9)


というわけで、着色料としてガンボージ樹脂をアルコールで溶いたものを1回、その上から目止めとしてシュラックを1回、さらにオイル系のニスを薄めて2度、塗ったところ。
今回は、上から吊って乾かすことにしました。(2/11)



これで、もう10回は塗ったでしょうか。
塗っては乾かし、乾かしては1500番の
水研ぎペーパーで研ぎ出し、また塗るの繰り返し。

徐々にムラや凹凸もなくなり、
きれいになっていくのが嬉しい! (2/21)
ちなみに、このチェロ・スタンドの制作・詳細はこちら


チェロを塗ったその刷毛で、白木のヴァイオリンの下塗りをこの日まで3回塗りました。
それが左上にぶら下げてありますが、チェロから比べるとほんと、小さいです。
この写真ではあまり分かりませんが・・・・、


エッジ部を、立体的というか、陰影を強調する目的で、
800番のペーパーで削りだして白っぽくし、ゴールデン・イエローの、明るい色のニスを塗りました。


あと、4、5回はニスを塗りたいと思っているのですが、とりあえず、駒を削って弦を張ってみました。

まだ魂柱は立てていませんが、大きい分それなりに響いています。その後、すべて調整し完成しました。




チェロ・スタンドもつくりました。 それはこちら
その年も、卒業高校OB美術展にこのチェロを出品



お隣は後輩、岩柳さんの手染めの着物、
もちろん手織りです。

同じように、工芸品としてチェロを、
手製のスタンドにセットして展示。


萩原朔太郎の詩に、「フランスに行きたしと思えど、フランスはあまりに遠し」というのがあります。

私にとっては、ヴァイオリンのふるさとイタリアには、一度は行きたいと思うのですが、
やはり、あまりに遠いのです。


で、行ったこともないギリシャの、ある島の風景を観光写真で見て絵にする。

それは、本物のグァルネリを見たことがないのに、
グァルネリ・モデルのヴァイオリンをつくる行為に、よく似ています。

きしくも、お隣の絵は同級生の白壁君の作品。
その白壁君を意識したわけではありませんが、白壁の家や教会と、
実に透明度の高いブルーの空や海が印象的な地中海のミコノス島。

さて、またあらたに、グァルネリ・モデルのテンプレートや、型からおこしなおして新作に挑戦中。

鉛筆の線、一本分ほど、外形のプロポーションを修正してのこと。
(古稀になったというのに、よくやるよネ。 ホント!)

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