148回原宿句会
平成13年10月2日
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください
東人 落鮎や脇往還の渡し跡 もう読まぬ本を間引ける夜長かな 髑髏抱くやうに壺抱く雨月かな どの舟も入れ喰ひとなり鯊日和 漬け込んで甘き香りの唐辛子 千恵子 雨月なほ母は正座を崩さざる 唐辛子乾きて赤の騒々し 水底に揺れる波紋や鯊の湖 カーテンの中に秋の日ふくらめる 夜長かな腹空き嬰の泣き出せる 利孟 釣るたびに親の許へと鯊日和 手返しに玉露注ぎ分く無月かな ことさらに小粒がシャムの唐辛子 筆先を打ちて金蒔く夜長かな 悼志ん朝 還暦を超えてこれから鳥渡る 希覯子 子に背き日々好日や夜の長き よき沙汰の三番瀬沖鯊を釣る 人住まぬ噴煙の島無月なる 車庫となる納屋の軒下唐辛子 長き夜や深夜放送戦中歌 |
翠月 秋航や一鍬ごとぶ土重き 心地良き音や夜長のビリヤード 唐辛子干して干しあげ紅の湧き 調へし飾りをそのまま雨月かな 釣り人の影をゆらして鯊の潮 明 書に憑かれ時の止まりし夜長かな 滲み出す妖しき紅や唐辛子 秋桜や風にゆらげる柳腰 息潜め泥にまみれて鯊の潟 雲去りて今天中の望の月 箏円 唐辛子妖精達は帽子好き 桐一葉逝く人はみな雨となる 秋霖の網戸の網目埋めてゆく 甲板の手旗信号鯊はねる 夜長かな母はテレビをつけしまま 美穂子 長き夜や煎じ薬の滾るまま 父母あらず敬老の日の菓子求め 風と水密かに騒ぎ鯊日和 下駄揃へ上がる縁側無月なり 唐辛子無口の人のなほ無口 |
武甲 鯊釣りや同床異夢の胸算用 説曲げぬ憲法解釈夜長かな 人為なる種族の危機の雨月かな 唐辛子筵に晒す種の証 学帽に赤い羽根つけ子ら帰る 和博 知命近し風船葛まだ青し 目薬を点して書を読む夜長かな 鯊釣りの姿も見えず諫早湾 父想ひタオル濡らして墓洗ふ 裸体なる皿に盛られし唐辛子 白美 体育の日誰にも言へぬ五十肩 井月の碑の見つからず月の雨 居間でする美白パックや夜の長き 鯊舟や場所を変へても湾の内 唐辛子干して気がかり菜の育ち |