兼題 小寒 雑煮 嫁が君 |
比呂四 小寒や鉄路に音の聞こえ来て 一段と身を絞り込み鴨来たる 事務室の床でとまどひ嫁が君 いつの間の妻の里なる雑煮椀 伊勢海老の身を突くほどの髭の反り 義春 浮御堂飛び立つ鴨を声の追ふ 茶柱の立つと一言お元日 小寒や風湖わたり比良を打つ 団欒や壁の穴には嫁が君 寝床にて二個と雑煮の餅の数 恵一 小寒の塵の瞬き絹雲母 くちばしを舳先となして鴨の寄る 雑煮食ふ餅をあとまで残す癖 おもむろに屋根に日の差す余寒かな 嬌声のもてなし嫁が君騒ぐ |
武甲 小寒の暮れゆく嶺や無事祈る 鼻眼鏡似合ふ似顔絵嫁ヶ君 手に残る無念の襷箱根駅伝 土佐鶏の脂の黄ばむ雑煮椀 夢を手に入れたるゲスト成人式 正 残りたる他人のマフラーして帰る 小寒や肌着一枚重ね着る 一椀にめでたさ盛りし雑煮かな 招き猫祀る古寺嫁が君 ぼろ市や売り子まとふに値付けして 利孟 もれも無き程に着込みて大受験 残り湯にしばし追ひ焚き嫁が君 すぐ歪む角の焼き網雑煮餅 肌寄せる間合ひとならず鴨の陣 小寒や通園帽のゴム伸びて |
荒木・山之内事務所での句会、白美さん欠詠、この三年無かったことでしたが、ちょっと具合が悪いのかなくらいに思っておりました
ところが、句会報編集中の二月二日早朝小室美穂子さんからの電話、白美さんが早朝に亡くなったとの知らせでした さびしいかぎり、何かしなければと、追悼句集を編んでみました その分句会報のUPが遅れましたが、会員諸氏お許しくださいますでしょう 取捨選択無しに、この三年の句会の出句を採録しましたが、秀句が並びます 四天句会宗匠 森 利 孟 |