兼題 夏近し 粽 石楠花 席題 羊の毛刈る |
比呂四 ◎ 毛を刈られ羊躓き遁走す ◎ 梅雨気配水で艶出す靴磨き ◎ 粽解く包まれし香りの放たれて ○ 石楠花にせはしき虫の羽音かな 腰周りすつきりとさせ夏近し 恵一 ◎ 毛を刈られ羊さみしき顔したる ◎ 河鹿聞く宿の枕の硬さかな ○ 島人の総出の掃除夏の浜 ○ 大原の石楠花寺や鐘響く ○ 笹粽夕日の湯浴む日本海 美子 ◎ 幼子の五指のむんずと粽かな 股座に羊組み伏せ毛を刈りぬ ○ 釣り人の竿立て並べ卯浪寄す ○ 釣富士に上がる歓声夏近し 迷ひ込む石楠花の群人の群れ |
武甲 ◎ 二の腕を捲り決裁夏近し ★ 勇者への変身ポーズ粽食ふ 母の日のチュニック包む赤リボン ○ 石楠花を背に講釈のバスガイド ○ 遠氷河羊の毛刈る機械音 義春 ○ 山葵田に音たて富士に生まる水 ◎ 娘らのしろき二の腕夏近し ◎ 羊の毛刈る青年の赤い帽 ○ 粽解く指が甘さをさぐるかに 石楠花の咲くハイカーの眼の高さ 利孟 石楠花や木立に暗き女人坂 夏近し胸の隠しに櫛いれて ほの甘さしつかと封じ笹粽 毛を刈られ羊因幡のものめける 薫風を来たりて萬里着陸機 |