第258回四天句会
平成23年2月16日

   
兼題 フリージア 春浅し 実朝忌
席題 花菜漬
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください




  阿やの
赤ペンを走らす教師フリージア
飼鳥に逢ひに来る鳥春浅し
流鏑馬に叫びと吐息山笑ふ
釣人の横にむすびと花菜漬
実朝忌手土産に買ふ鳩サブレ

  美子
仮縫ひの待針二本春浅し
客揃ふまでと薦めて花菜漬
フリージア雑念の身の寄せ処
雄々しきうねりも砕け実朝忌
枝先に荒ぶる雀風光る

  利孟
担ぎ女の手籠に提げてフリージア
雛売りの並べる幟実朝忌
冷え飯と残りの汁と花菜漬
渡り漁夫郷里の自慢の塗の箸
島民は無料の渡船春浅し

  義春
朝東風や地の魚溢る魚市場
実朝忌小舟つながる由比ヶ浜
春浅し浮子の動かぬ山の湖
東山にて友と呑み花菜漬
フリージア玄関壁に差す朝日

  恵一
春浅し質屋にならぶ腕時計
友とゐて酔ひ心地よき花菜漬
雲間より星の瞬きフリージア
大銀杏のひこばえ青くけぶり立つ
鎌倉の海なる夕日実朝忌

  武甲
旅行誌のままに下車して実朝忌
島の娘のフリージア分け笑みを分け
軌条ごと溶け入る列車春霞
春浅し赤福をもて見舞客
ロッカーにリボンの小箱バレンタインデー

  雨竜
江ノ島は橋よりかすみ実朝忌
花菜漬箸より蕾こぼれけり
切花となり香のあふるフリージア
春の暮行き止まりまで行く遊歩道
春浅し越し来しゆかし森地蔵

  比呂四
実朝忌遠くに見える二の鳥居
バレンタインデー添付画像の食えぬチョコ
わが庭のさきがけとなりフリージア
春浅し瀟洒な家の音楽会