第259回四天句会
平成23年3月16日

   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 陽炎 初桜 潮干狩

東北大震災の余震なお続く折通信句会といたしました


  あや乃
公園のガイド講習地虫出づ
閉校の庭に集ひて初桜
嵩競べあふもあはぬも潮干狩
給食室の音と匂ひと木の芽風
富士しろく御殿場線の陽炎へる

  利孟
初花や薪焚き詰めの製塩所
陽炎や土の色読み掘る遺跡
タッチアンドゴーの爆音汐干狩
大地震の夜の地下街に群れ冷ゆる
舟遊びするかの微震春炬燵

  武甲
定まらぬ打球の行方春疾風
陽炎や機体まどろむ滑走路
出発の汽笛長鳴り初桜
掘り当てるたびの歓声潮干狩

  義春
陽炎や湖上に霞む比良の山
潮干狩立つて頬張る塩むすび
初桜櫓と波の音の隅田川
揺りかごの赤児うたヽ寝柳の芽
春浅し露店がひとつ上野かな

  恵一
初桜琵琶湖疎水にもやふ舟
陽炎や道草をして帰る野辺
芝火踏み消す靴底のゴム焼ける
顔上げて汐は遠くへ潮干狩り
春よ来い復旧作業の友あれば

  比呂志
陽炎や議論の焦点定まらず
小さきは掘り捨てにして潮干狩
満開を香りで知らされ沈丁花
被災地に来るや必ず初桜

  雨龍
山笑う竹の矢来の囲ふ墓地
外濠に影を伸はすや初桜
陽炎や花粉飛び散る杉林
春の雪空一色に染めりける
雨催ひ靴脱ぎ捨てて潮干狩り