兼題 公魚 御神渡 苗木市 席題 伊勢詣り |
利孟 仄あまき牛の舌餅伊勢詣 いつはりの餌をわかさぎの群れ食らふ 実付き良きものを選びて苗木市 神官の足のゴム長御神渡 笏の手に太刀抜きがたき男雛かな 武甲 鈴なりの写真のがついて苗木市 運針は必修科目針供養 赤福を食べて仕上げの伊勢詣 天上の人の散歩の御神渡 公魚の当たり上々ドーム小屋 あやの 公魚の白金透ける薄衣 春隣万年筆のインク替へ とりどりのバスの連なり伊勢参り 枝付きを矯めつ眇めつ苗木市 御神渡兆して渡り切らぬなり |
恵一 枕辺に聞く御渡りの軋む音 図書整理赤き手袋嵌めて司書 新しき背広誂へ伊勢詣 二十人相乗り公魚釣りの舟 苗木市安行に旗翻翻と 比呂志 張り詰めたものの弾けて御神渡り 色の良きものを選びて苗木市 うつすらと黄色味纏ひ芽吹くかな 踊り食ひ公魚小鉢の中泳ぎ 伊勢詣身を清めたる五十鈴川 義春 春の日の白き鳩寄る招魂社 売り口上の育て方など苗木市 赤福をまづは食らふて伊勢参り わかさぎや糸に連なる真珠玉 御神渡り湖面に流る笛の音 |
雨竜 鼻先に朝日の当たる二月かな 御神渡氷の音の風に乗る 公魚のソーラン踊りの白き音 青山に朝日こぼれる苗木市 |