第343回四天句会
平成30年3月8日

   
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兼題 春の雲 冴え返る 飯蛸
席題 啓蟄 



  利孟
春の雲白バイ国道独り占め
味噌汁に賽の目豆腐冴え返る
つくづくし砂利の散らかる軌道敷
味知らぬはず飯蛸のらつきよ好き
虫出づや御苑参観整理券

  恵一
機関車の過ぐるを待ちて土筆摘む
春の闇掃除ロポット動きづめ
春の雲リュック背負ひて乗るバイク
啓蟄や発電パネル敷地にも
飯蛸を噛めばぎつしり卵あり

  雨竜
春の雲アフリカ象の足の跡
空の貝合はせ飯蛸仮住まひ
白壁のくづる蔵埋めつくづくし
春の雨過ぎて日差しの乳母車


  比呂志
段ボール敷き滑る土手つくしんぼ
飯蛸の反りくり返りアルミ鍋
雨上がりこぶしのつぼみ煌めけり
啓蟄や花壇の土のこんもりと
軽やかに空に浮かびて春の雲

  あやの
啓蟄の自転車チェーンに差す油
春の雲また来週とちりぢりに
つくしんぼひと節伸ばし昨夜の雨
生きてるってのはそう言うことでしょう
年々に若やぐ雛の面輪かな

  義春
廃線の砂利を押し分けつくしんぼ
筑波嶺の恋ぞ実りて春の雲
飯蛸や一人営む島の宿
葦原の水路ゆつたり大白鳥
小さいのと新しいのは別のことでしょう

  武甲
飯蛸や安芸の地酒を飲み比べ
啓蟄や防獣ネットで囲ふ畑
土手径の速足歩き土筆生ふ
そうですか
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