第303回 令和4年6月25日 ZOOM
兼題 サングラス 冷や麦




  利孟  
 軽石で踵を磨き上げて夏至  
 サングラス渋谷娘の臍ピアス  
 海亀来戦車蹂躙せし浜へ  
 冷や麦をさらす釣瓶の水を替へ  
 花千両金の真砂をちりばめて  

  信子  
☆冷や麦を啜る水より水たぐり  
○新茶くむ母娘の会話弾ませて  
・愛犬の戸惑ふまなこサングラス  
・サングラスかけて背筋の若返る  
・冷や麦と決めて社食の券売機  

  英郷  
☆冷や麦や土間吹き抜ける風ありて  
・冷や麦や「相思樹の歌」耳底に  
・サングラスかけ強面の人となる  
 冷麦やそれもまた良しギグワーク  
 サングラス以前はその手か緑内障  

  比呂  
○薄赤き色に出にけり梅雨の月  
○詩聖杜甫詩仙李白と白蓮  
○古文書の五文字の読めて夕つばめ  
○冷や麦や法事の話なども出て  
・サングラスかけて銀座に遊ぶかな  

  美恵子  
○冷麦や鎖骨露はにワンピース  
○悪人か富者かと試しサングラス  
○冷麦の鉢の小渦や通り雨  
・葉一枚そよぐことなく梅雨の朝  
・雨音の闇を濃くして梅雨深し  

  ミヨ  
・下駄占や夕焼け小焼けの帰り道  
・滝見茶屋二段に音の登りくる  
・花菖蒲船外機上げサツパ舟  
・冷や麦の赤き一本とりあひて  
 サングラスパットラインの読み切れず  

  良人  
・冷や麦や付け汁の碗近づけて  
・冷や麦をすするや音のせぬやうに  
・老いてなほ金フレームのサングラス  
 細打ちの冷や麦箸で追ひかけて  
 冷や麦の割り箸気持ちよく割れて  

   
 
 
 
 
 

   
 
 
 
 
 

次回予告
第304回 令和4年7月23日 15時30分から
兼題 蝉一切 扇風機