第３０５回 令和４年８月２７日 １３時 ＺＯＯＭ
兼題 盆踊り、雷
下野の雷地より立ち宙を這ひ
送り火の苧殻ひしひし折り積みて
吐いた泡上目使ひに追ひ金魚
鼻緒まづほぐして入る踊りの輪
のど自慢太鼓自慢やをどりの輪
比呂
☆この世には無き花咲かせ水中花
○遠山に雷さま太鼓試し打ち
○櫓組み上がりて流れ踊り唄
・割れ鏡夏空四角五角かな
・海の家閉づやこはれた貝細工
信子
☆窓、廊下朝の風入れ盆支度
・足裏より馴染みて弾む踊り下駄
・日雷官庁街のビル灯り
二人居て二人が叫び稲光り
踊り場の地に坐す地方秋祭り
○踊りの輪時に広がりまた元に
・日光へ雷を呼び込む杉並木
・踊りつつ唄口ずさむ若女将
・風上の盆唄闇の風に乗り
盆踊り櫓と踊り手月の下
美恵子
○盆踊り終ひ太鼓に迫り闇
・宵祭り囃子の勢ひなほ続き
・雷鳴や泣き虫の子も家を出て
・新調の揃ひの半被盆踊り
尺玉に仰け反れば聞ゆ花火音
英郷
○遠雷やテラスに雨の忍び寄る
・コロナ禍や踊り浴衣を腕まくり
・盆踊り妻を偲べる友もまた
・鉦太鼓ふいに打ち出し盆踊り
軽雷や雷宇されたし宵の盃
○踊りの輪年増の男踊りかな
・花ユッカ軒の風鐸音もなく
・送り盆真菰の馬の脚疲れ
・山芋のひげ根ちりちり焼き暮るる
・道標に紐締め直す登山靴
月山やゴンドラ急かす遠雷
蕎麦を掻く杉の太箸しかと持ち