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2002 USA/UK/D 126 Min. 劇映画
出演者
Parminder K. Nagra
(Jesminder Bhamra - サッカーの上手な高校生)
Keira Knightley
(Juliette Paxton - 女性サッカー・ティームの選手)
Jonathan Rhys-Meyers
(Joe - 女性サッカー・ティームのコーチ)
Archie Panjabi
(Pinky - ジェスミンダーの姉)
Anupam Kher
(Mr. Bhamra - ジェスミンダーの父)
Shaheen Khan
(Mrs. Bhamra - ジェスミンダーの母)
Ameet Chana
(Tony - ジェスミンダーと公園でサッカーをする友達)
Kulvinder Ghir
(Teetu - ピンキーの婚約者)
Havey Virdi
(ティートゥーの母)
Ash Varrez
(ティートゥーの父)
Frank Harper
(Alan - ジュリエットの父)
Juliet Stevenson
(Paula - ジュリエットの母)
見た時期:2002年12月
いろいろな意味で テイク・マイク と比べたくなる作品です。対象としている観客は主人公と同じぐらいの年代や子供でしょう。主人公は高校卒業寸前 。ベッカムに恋しては大人の鑑賞に堪えます。そして例の「子供用の映画だといって手を抜くか」という問いに対する答えは「ノー、抜かない」。
こんなに真剣に子供、ティーンエージャー向けの作品を作る人もいます。出演している人の半分ぐらいはインド系の英国人で、パンジャブ語が使われているようですが、私が見たのはドイツ語版。あまり有名な人は出ていません。ブロンドのイギリス少女は以前穴で準主役をやっていた人のようです。(後記 1: ナイトレーが2003年になってパイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちでブレイクしました。後記 2: ナイトレーはそのように大スターになりましたが、神経を使う商売らしく激痩せしたり、色々苦労もあるようです。出遅れたジョナサン・リース・マイヤーズは一時期ブレークしたかのようで話題になりましたが、その後長い間ぱっとしない役で食いつないでいました。しかし近年ついにトム・クルーズやトラボルタと共演するまでになりメジャー入りか・・・と喜んだのもつかの間、何があったのか自殺未遂騒ぎ。救急隊の手当てを拒んで暫く大変だったそうです。近所の人は「明るくて、ちゃんと挨拶をするきちんとした人」だと言っており、ただの美男俳優ではなく、音楽の素養もある多才な人なのですが、難しい人生を歩んでいるらしく、今ひとつ吹っ切れていないようです。)
全体的にはお説教的教育映画の要素も備えていますが、サッカー嫌いの私でも乗ってしまう楽しい映画です。とりあえずはあらすじを。(後記: サッカー嫌いは返上しました。)
英国に住むインド人コミュニティー。バームラ家では姉がちょうどティートゥーとの結婚式の準備をしている最中。妹のジェスミンダーにもそろそろお見合いの話が入って来ます。インド人社会では日本のお見合いと同じような習慣があり、本来は自分で選んだ人と結婚しては行けないことになっています。姉はそれでも何とか自分の好きな人と結婚できるようにこぎつけたところです。
ジェスミンダーは非常な美人ですが、サッカーが大好きで、よく友達と公園でボールを蹴っています。あまり上手なので女の子なのに少年たちに一目置かれています。その彼女をジョギング中の白人の女の子ジュリエットが注目していました。彼女は女性サッカー・ティームのメンバー。ジェスミンダーをスカウトするような形で、ティームに引き込みます。インド人社会ではサッカーは女の子のする事ではないので親には内緒。半裸に近い格好をしてそこいら中を走り回るのは家の恥になります。
ジェスミンダーはティームでめきめき頭角をあらわし、外国遠征にも連れて行ってもらえます。しかしいつも大変なのは、家族に隠れてハンブルクに行ったり、決勝戦に出場したりすること。ばれるたびに大騒ぎになります。ティームのコーチは彼女に肩入れし、アメリカからスカウトも来ます。実は親友のジュリエットはコーチに恋をしているのですが、強がって「違う違う」と言ってしまうので、ジェスミンダーの恋が実りそうになってしまい、親友だった2人の間は気まずくなります。
青春真っ只中のサクセス・ストーリーです。ついでにゲイ、レズビアンの話も混ざっているので、ゲイ映画祭に出たかと思いきや、意外にも出ていませんでした。
ボーイッシュなジュリエットとジェスミンダーが通りで出会い2人で笑いながら抱き合っていたら、ティートゥーの両親に見られてしまい、「白人の男と公道で抱き合うふしだらな妹を持った女に息子はやれない」ということで婚約破棄。真相が分かり、ジュリエットが女性だったと分かったので問題解決と思いきや、今度はジュリエットとジェスミンダーがレズ関係にあると思い込んだジュリエットの両親がパニックに。文化の差から起きる誤解と、新しい男女の関係に戸惑う大人のエピソードが入っています。実は真性ゲイはジェスミンダーの親友のトニー1人なのですが、彼はジェスミンダーがサッカーを続けられるように計らうため、彼女と結婚する決心をします。こういう風にあちらこちらにややこしい問題が起き、大勢でわいわいがやがややった挙句に、皆収まるべき所に収まるというコメディーです。
俳優は皆元気一杯。サッカーの練習風景は真剣そのもの。文化をインド、英国両方の視点で見ていて教育効果もあり、文句のつけようがありません。ぼくの国、パパの国(パキスタンでイスラム教)と少し似ていますが 、ベッカムに恋しての方が軽快なテンポです。お説教映画でもこういう風に作ってもらうと楽しいです。
後記: この作品に出ているジョナサン・リース・マイヤーズの目の輝きがちょっと変で、「あれっ」と思ったのですが、これが後のトラブルの前兆だったのかと今になって思います。色々問題を抱えて大変な人生を送っている様子。せっかく美男に生まれ、多才で、色々おもしろいオファーも貰っている人なので、この辺で1度クリーンになってやり直してもらいたいところ。(2012年)
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