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The Golden Raspberry Award
結果
話を聞いた時期:2007年1月、結果2月
ラジー賞の結果が出ました。
今年はあまりインパクトの強いノミネートがなかったので、結果も平凡という印象をぬぐえませんでした。
第28回ラジー賞のノミネート発表です。
オスカーの直前に毎年最悪映画を選ぶラジー賞(The Golden Raspberry Award)。小額の会費を払えば世界中の誰でも投票に参加できるのだそうです。
最低作品
氷の微笑 2 の原題は Basic Instinct 2 ですが、Basically, It Stinks, Too という別名もあるのだそうです。非常に嫌われていますが、氷の微笑(1)と切り離し、シャロン・ストーンが大スターだということを忘れて見ると、小さくまとまったミステリーとしてまあまあ行けると思います。
後で見ました。それほど大した作品ではありませんが、ラジーで取り上げるほどの物かとも思います。
後記: シャロン・ストーンはラジー賞では狙い撃ちという感じのする人なので(今年を含め7年、9個ノミネート、受賞3)。今年の受賞は最初から決まっていたのかも知れません。上にも書いたようにストーンだ、続編だということを忘れて見ると氷の微笑 2はそこそこ行けます。氷の微笑 (1)という一大センセーションを起こした作品が先行するので、それに比べるとインパクトが弱いという意味で失望した人がいるだろうことは予想できます。
一部の人からは根強く嫌われている大スターというのが何人かいて、ラジー賞でも必ずけちょんけちょんにされるのですが、よりによってその人たちがここ1、2年、根性を出して、有名な作品の続編を完成に持ち込んでいます。映画のできが良いか、話がおもしろいかという前に、制作にこぎつけるまでがかなり大変だったようなので、高齢になってそこまでがんばったということの方がドラマが見えます。
ストーン嬢は顔が完璧過ぎてマイナスに働いたような気がします。以前殺人をやったらしい頭のいい作家という役なのですが、年齢を重ねてうっすらと皺の出た美人の方が、(整形でもしたのか)完璧な顔でつるつるの肌の元気のいい女性よりミステリアスで良いように思いました。なお、今後は彼女が制作に回り新しい俳優で続編をという話を聞いたことがあります。
最低主演男優
ウェイアンズ兄弟にとってはここに取り上げられることこそが名誉。
この賞は趣味に左右されます。元から馬鹿笑いをするつもりで見に行くと失望せずに帰って来られる作品が並ぶこともあります。例えば私はシャギー・ドッグは、バカな映画を見に行ったつもりだったので、満足して帰って来ました。アホなストーリーですが、アレンは犬についてはかなり研究していましたし、体が軽く動くのには驚きました。
ニコラス・ケイジは時々オスカー級の演技も見せる人なので、たまにここで取り上げられてもヘとも思っていないでしょう。
後記: やりました、ウェイアンズ兄弟、快挙です。ウェイアンズ家はコメディー一家なので、ラジー賞を取ったというのはシリアス・ドラマの俳優とは違い、栄誉と数えられない事もありません。とにかくばかばかしい路線をという家族なのです。
最低主演女優
後記: 今年はオスカーも作品賞と監督賞がスコシージに来たことですから、ストーン嬢もどうせなら作品賞と主演女優勝ぐらいはあげたいと思っていました。
最低助演男優
シャマランには何度も引っかかったので、是非ラジー賞はあげないと行けないと思いますが、オスカーは1回で2個の賞に、GGは1回ノミネートされています。合計3回の栄誉に対抗して、ラジー賞では一挙に3賞の大盤振る舞い。
キングスレイは Krishna Bhanji という名も持つ人ですが英国人で2001年には女王からナイトの称号を貰った人です。渋い演技で定評のある人と聞いているので、ラジー賞とは縁が無いと思ったのですが、今年初登場。ブラッドレインのストーリーがひどかったので、ノミネートされたのかも知れません。オスカーやGGには良く顔を出す人です。
デ・ビートはオスカーに1度、GGには6回登場して1勝、ラジーは3度目です。しかし今年取れるかは微妙なところ。
後記: シャマランにはあげたいと思っていたので大満足。ここは助演賞。私が見たシャマランは演技をするというほどの時間映らなかったのですが、レディ・イン・ザ・ウォーターではどのぐらい出演したんでしょう。
最低助演女優
後記: カーメン・エレクトラは冗談も分かる人。最初の Scary Movie で見ましたが、なかなか良かったです。それで Scary Movie 4 にも採用されたのかも知れません。彼女が Scary Movie 4 シリーズでラジー賞を取るということは、充分ばかばかしさが出ていて評価を受けたということなのでしょう。
もしこの賞がばかばかしさを競うのではなく、ダメな演技をした人を対象とするのだったら、ミシェル・ロドリゲスにでもあげておけば良かったです。実は先日 SF アクションで彼女を見たのですが、目も当てられない様子でした。デビューの頃は元気の良さを上手く生かして作品に合っていたのですが、最近はちょっとコースを外れているように思えます。
最低監督
ドイツ人監督登場。
ここにダ・ヴィンチ・コードが出たのは意外でした。私個人としては「人を散々ふりまわしておいて」と怒ったので、ノミネートしても納得しますが、この作品は色々な所で評判を取り、大特集も組まれたので、まさかラジー賞に出るとは思いませんでした。
後記: ロン・ハワードはインタビューなどを見ると穏やかで感じのいい人なので、個人的には好感を持っています。ただできた作品はセンセーショナルに宣伝されることが多く、ハワード本人から受ける印象とそぐわないような感じがします。
受賞したシャマランは今年初のノミネート。オスカーもよくその年の作品ではなく、過去の優秀作にあげ損ねたための受賞というのがあります。私はシャマランもここ数年積み重なった功績に対しての受賞と解釈しています。いきなり3つノミネートされ2つ受賞です。
最低脚本
最低リメイク、続編
これ全部リメイクなのだそうです。新しいアイディアがわかないんでしょうね、最近。アジアへ来て脚本貸してもらったりしているから。
後記: シャギー・ドッグだけ見ました。元ネタがあるとは知りませんでした。リメイク版だけで評価すると、主演男優がかなり犬の習性について勉強しているので、ばかばかしい話ではありましたが、感心しました。
ポセイドンはオリジナルにそっくりだという評判を聞いたことがあるのですが、そうなるとなぜ作ったのかが疑問です。当時は船がひっくり返ったシーンの撮影に色々な技術を要したとかで、そこが高く評価されていました。
ピンクパンサーはアニメが好きで以前はほとんど全部見たのですが、最近はアニメも版権がどこかに移ったらしく、絵が以前と全然違います。劇映画は予告を見ただけでリタイア。観客になり得る人が予告を見ただけでリタイアするのでラジー賞にノミネートされる資格は充分。
最低スクリーン・カップル
家庭向きの映画だという言い訳で作られた最低の作品
後記: シャギー・ドッグはばかばかしかったですが、確かに家族向けです。ガーフィールド 2 は映画館で紙製の大きなガーフィールドの切り抜きを見ただけで行くのを止めてしまいました。私もラザニアは良く作るのですが、食べるとあのような姿になるとは信じたくありません。ちなみに私はラザニアだけでなく、ドイツのクリーム入りほうれん草も大好きです。
最低続編
今年は候補にあまりインパクトの強い作品がありませんでした。リメイクと続編が多過ぎるということでラジー賞には特別に賞が設けられていますが、ハリウッドはタネが尽きたのでしょう。世の中が変わったと言えばそれまでですが、本数が多過ぎ、1つの会社がヒットを出すと、すぐ亜流が押し寄せるので、一種の飽和状態。
ラジー賞は佳作は落選する賞なので扱われませんが、リメイク、続編だらけになってしまったハリウッドにチクリ。良く考えてみるとかつてハリウッドで名を成した大スターも出身国が欧州だったりします。ハリウッドと言えばアメリカの象徴のように思ってしまいますが、実は元からあまり自前の作品を作るつもりが無いのかも知れません。
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