Nov 23. 2005 D/A変換10KHz桁の連続性を探る
同僚のN氏から4桁表示可能なデジタルテスターを借用してきた。1V桁を表示していても1mVまで測定が出来るもの(METEX社M-3850)で、どうやら秋葉原の秋月電子で購入したものらしい。これによりD/A変換10KHz桁の連続性を確認してみた。グラフは500KHzから2.5MHzの2MHzスパンを10KHzステップで測定したものを表している。図から分かる様に全体としては1次関数で推移しているが桁上げ時に周期的にグリッチがあって、上下方向が乱れている部分が確認できる。なお測定は1mVオーダーで比較的高いZを相手にしているので外来のノイズ等には注意を払いう。Audioで言うならマイクロフォンレベルなので、取り扱いはシールド線などを使用して行わないと正しいデータが取得できない。
全周波数帯でデータ取得するのは膨大な時間が掛かるため2.5MHzまでとした。ちなみに32MHzで1.12V。初期設定はDDS-VFOを50MHzで出力した際にD/A出力が約50mVになるようにOFFSETを設定してある。
なお今回からD/A出力は反転出力表示としている。
D/A変換1KHz桁の連続性と1KHz桁ラダーD/A出力
更に1KHz桁の連続性を確認した。図は500KHz〜520KHzの状態を示したもので、左がD/A変換最終出力である。10MHz桁に比べたら1/10000の加算比だからどんなものかと思っていたが、かなりアバウトと言うよりとんでもない出力になっている。グラフはスムージング処理をしていないので三角が際立って見える。とてもD/Aと呼べるシロモノではない。ちなみに右は1KHzD/AのバッファOPアンプ出力を見たものであるが非常に素直で問題は無い…注意:方向性は反転している。と言うことで混合比の関係でレベル的に見てS/Nの劣化による誤動作が考えられる。したがって加算器の抵抗器を全体に低い方向にシフトさせ、1KHz桁でも10KHz桁並のレベルで取り扱う方が好ましい。だだこの比率だと、10MHz桁の加算抵抗は10ΩとなりOPアンプから見るとオーバーロード(最大数字9で1.83V)になったり、内部抵抗との関係で誤差が増えるので簡単には踏み切れない。いずれにせよ基板上のS/Nや電源ラインのリップルやS/Nを現在より数倍〜10倍程度改善する必要がある。
加算抵抗値変更でD/A変換1KHz〜10KHz桁の連続性改善
1KHz桁の動作を安定にするためにS/N改善を行う。加算器の抵抗値を約半分に下方シフトし、動作レベルを上げる。基板上は高くない周波数とは言え、立ち上がりの急峻なパルスを扱っているのでアナログ的に見たら基本的にノイズの巣。抵抗値は1KHz:1M→470K、10KHz:100K→47K、100KHz:10K→4.7K、1MHz:1K→470、10MHz:100→47とし、配線もIC間を直接結んだ。また帰還抵抗も1K→470に変更。回路図も変更した。
これにより1KHz桁の加算器入力S/Nが向上し左図の様に1KHz桁D/A出力で諧調がはっきり見えるようになった。上のグラフに比べると劇的な改善である。この抵抗値はOPアンプの許容損失や内部抵抗との関係もあり余り下げる訳には行かないので注意する。ここでは47Ω/0.5W(1%)を使用した。
下図は1KHzステップで500〜600KHzを変化させた時のD/A変換出力。加算抵抗以外は触っていないが妙なグリッチや上下関係が反転するような状況は確認出来ない。ただ10KHzへの桁上がり時に同じ値がつながる傾向があるのでオフセットの調整が必要である。しかし無調整でこの特性だからまずまずの成績と言えるだろう。1mV単位の電圧を観測するので測定器の分解能やf特・周辺ノイズも加味され面白い…理解してやらないととんでもないデータになる。グラフの縦軸はあくまでも目安で、波形の傾向を見ている事に注意して頂きたい。
Nov 21. 2005 COFFEE BREAK…松下電器周波数直線VC
松下電器が1960年代に製造販売していた周波数直線VCをご存知だろうか?。VCの背面には「MODEL ECV-3DX18 CAP 11-198PF」と記されている。これは3連だが、4連の場合はECV-4DX-18となる。これ以外に230PFのECV-4DC-230やスプレッド用18PFのECV-4RC-02の周波数直線群、それに一般用途430PFの容量直線型がラインナップされていた。
写真はECV-3DX18(RC-SERVO付き)とECV-4DX18(2個)。1973年頃に静岡の岩崎ラジオから多量に購入したものの一つ。後者は最近友人のJA2INO/水谷氏から譲り受けたもの。
ECV-*DX18はfmax/fmini=2.35を守るとその間が周波数直線になる。オーナーがこのVCの存在を知ったのは1967年の「初歩のラジオ」10月号の製作記事である。当時中学1年生でこの記事をそっくり真似た受信機をその2年後に製作しSWL/BCLを楽しんでいた。それ以降高1中2受信機はもとより、RFのプリセレクタはこの周波数直線VCのお世話になってきた。あの430PFのVCに満足できなかった少年には最高の贈り物だった。
それにしても水谷氏も物持ちが良い。一つはボロボロの箱に半分顔を出し未使用だった。もう一つは線材がハンダ付けされていたが綺麗に払った。プリセレクタには4連を使用する予定で、複同調回路をRFアンプの前後に配し、結合度を低くして高Qを維持し、利得は0dBに近い状態で使用する。
Nov 20. 2005 D/A変換ボードその他追加修正
D/A変換ボードで以下の追加作業を行った。
@Anti No Letter制御をを100KHz桁にも追加
VFOダイアルを回して誤って100KHz桁が無くなるとBCDに「1111」が出力されるため、サーボがとんでもない位置に飛ぶのを避けるため。
AVFOのWD/RD制御ボタンを押した時にSERVO回路を停止させる回路追加
WD/RD制御ボタンを押すと1Hz桁以外の桁は無表示になるため、1Hz桁以外全ての桁「1111」のBCDコードが出力される。全ての桁の状態を見るのは大変なので、1HKz桁が「1111」になった時のみAND処理を行いインバーター経由で最終出力に挿入したアナログSWを制御する。SERVO制御回路は無心号になった場合今までの状態を機械的に保持する性質がある。
B下位桁の桁上がり直線性の改善
これは検討課題だが、下位桁例えば1KH⇔10KHz⇔100KHzと桁上がり・下がりする時に連続性にバラツキがある。1KHzステップでVFOダイアルを回すと、100KHzステップでは感じなかったバックラッシュがSERVOで発生する。各桁の状況を掴んでから対応するが、現在良質なmV計がないため正確な作業が出来ないでいる。
写真は実験的にRC-SERVOを駆動している様子。VFO周波数データをLEDディスプレイから横取りし、7Segment信号から各桁データをBCD変換し、更にD/A変換して得たDC電圧でSERVO駆動回路のPWMを制御している。
Nov 19. 2005 D/A変換出力のリップル対策
D/A変換出力にリップルが残っているためRC-SERVOに接続した時にハンチングを生じていた。D/A変換時のラッチタイミングの関係とその対策の為にデータの1/8周期を0レベルでクランプしているからだ。デジタルレベルでの対策は基板上に空きスペースが無いため既に限界に達している。
そこで加算器や最終バッファアンプの帰還抵抗にCを抱かすなどの対策を試みたがRC-SERVOがゴリゴリ言っている。Cの容量を増加すると改善の方向ではあるが、今度はタイムラグが大きくなり追従性が悪くなる。このためバッファアンプを本格的なButterworth型のLPFに変身させ対策を試みた。扱うのはDCなのでカットオフ周波数は1Hz以下の超低周波にしている。あまり低くするとRC-SERVOの追従時間に影響するので、ダイアルノブを回して程よく追従する範囲に設定する。
左図は加算器とLPF部を書き出したもの。これだけの回路で劇的な改善が得られリップルは1mVp-p以下に収まった(今までは10mVp-p)。
なおこのテストに併せ、当該OPアンプの電源を±駆動に変更した。シングル電源だとオフセットをキャンセルする作業が大変なのと、オフセットを含んだ計算が面倒だからである。
D/A変換ボードがいよいよ形になってきたが、最終的なインターフェイス電圧を考えなければいけない。RC-SERVO側が負方向なので、出力はそれに合わすが可変レンジはどれ位が適当だろうか。本当なら32〜0.5Vが分かり易いがそんな電源は使っていないし危ない。3.2〜0.05Vと言う手もあるが…悩ましい。
写真は上図の定数でD/A出力を測定したもの。オシロをACカップルのフルゲインにして0.5mV/Divで表示している。1mVp-p位に見えるが、高い周波数成分が乗っているのでリップルは0.5mVp-p程度と思われる。これによりRC-SERVOとの接続テストで良好に動作しハンチングは無くなった。
なお参考だが、この程度のレベルになると電源ラインに重畳しているノイズやリップルと同程度か或いはそれ以下である。直流は電気回路の基本であるが、交流から完全な直流を得る事は本当に難しいと思う。こうしたデータを見るとバッテリがいかに良質な直流電源かが分かる。余談だがバッテリによる直流電源を用意し置くとハムやノイズ対策に便利である。
作業中にVFOダイアルをステップを変えて回してみたが、やはり下位桁でもデータ飛びがあって、桁上げや桁下がりがある時にD/A出力の連続性が失われる場合がある。各桁のオフセット調整が必要になる。現在は10Mz桁は入念な合わせを行い727KΩでBIASをかけているが、1MHz〜1KHz桁は暫定的に在り物の680KΩで実施している。
D/A変換ボードの作業を終わろうとしても、新しいテーマが次から次へ出てきて中々簡単に終わらせてくれない。日々修行と言った感が強い。デバイス規格表以外の技術資料などを紐解かなくても、何となく対策や措置が出来てしまうのは長年の経験だろうか・・・。
Nov 18. 2005 D/A変換OPアンプバッファのオフセット調査
10MHz桁D/A変換OPアンプのオフセットを調査した。1MΩの高抵抗を5V(Reg)ラインから供給することで、10MHz桁が表示された時に落ち込むレベルを補正していたが未だ若干低目であった。そこで抵抗値を下げどのような変化をするか確認してみた。図は手持ちの関係で680KΩ(赤)に変更したものと、1MΩ(青)のままの状態を比較している。青は10MHzのポイントで若干落ち込んでいたが、赤は大分改善された。しかし僅かではあるが持ち上がり過ぎた感がある。したがって750KΩ前後に最適値があると思われる。この辺りの高抵抗は余り使わないので、CRボックスをかき回してやってお探し当てた物。
なおNov17でA/D出力のリップルが気になったため、加算OPアンプLPFのCを330μと膨大な値に変更しテストしている。
Nov 17. 2005 D/A変換出力でRC-SERVOを駆動してみた
早る気持ちを抑えきれずD/A変換出力でRC-SERVO(VC)を駆動してみた。以前実験したRC-SERVOの制御電圧は2.75〜3V程度なので、D/A変換出力をVRで利得とオフセット調整しレベルシフトする。ところがここで新発見。RC-SERVO基板の制御電圧方向とD/A変換ボード出力のポラリティが逆で、周波数を上げるとVCが左回り(容量増方向)する事が判明。このためRC-SERVO基板への接続は加算OPアンプ出力から取る事にした。写真はこの様子で、VFOダイアルを回すとSERVOが動きVCが回りだす。まだ定量的な特性や直線性などを見るまで環境が整わないが、SERVOのモーターとギアが音を立てVCを回す姿に思わず手を叩きたくなる心境である。電気で動くも物ってやっぱり面白い。ここで幾つか課題が発覚したのでまとめておく。
@D/A変換出力DCにリップル(10mVp-p)がありRC-SERVOがハンチング
ARC-SERVO制御入力がかなりHi-Zなの静電的カブリでも影響を受ける
BVCの回転角度180度のリミットを考慮する必要がある
ということでD/Aに若干の手直しや見直しが必要になった。またバンド情報検知やウィンドウコンパレータ等によるリミット制御など、RC-SERVOへ安定な制御電圧を供給する回路が必要になってくる。久々にVCが登場し受信機を作っている雰囲気になった。D/A変換もRC-SERVO駆動も制御に対する出力は1次関数で成立しているので、周波数直線VCの動作条件を守ればDCの管理のみでVFOに連動したプリセレクションが実現すると目論んでいる。
Nov 15. 2005 D/A変換の直線性改善
D/A変換の直線性を改善した。10MHz桁が現れる時とそれ以下の桁との整合性が悪かったがバッファOPアンプに微量のBIASを与えることで解決した。しかし係数(傾き)が揃わず10MHzへ桁上がりする部分で折れ線になっていた。
実験中に500KHz付近に周波数を変更すると出力電圧が落ち着くまでに時間の掛かるのを確認。可笑しい?。調べると加算OPアンプ出力は正常で、最終の反転バッファOPアンプが時定数を持っている事が分かった。
それでLPF用に帰還抵抗にパラっていた10μタンタルコンを撤去すると反応が早くなった。更にBIAS設定をレンジをギリギリまで広げてみた。もしやと思い測定したのが左の青グラフ(赤グラフは昨日のデータ)。大幅に特性が改善され、全体に渡って直線で推移している。このレンジで見れば間違いなく1次関数グラフと言えそうだが、1KHzステップなど部分拡大したらどうなるかは別途調査する。
この出力電圧をバンドごとにレベルシフトしてRCサーボを駆動すれば、表示周波数に応じたRF同調が実現する。RFバンドが一つの場合は良いが、計画では6バンド(0.5-1/1-2/2-4/4-8/8-16/16-32)であるから、D/A変換出力電圧に応じて各バンドを選択する検知と駆動回路が必要になる。これも楽しい作業になりそうだ。
Nov 14. 2005 D/A変換の直線性改善方法
10MHz桁に数字が入る瞬間のつなぎにギザ(三角)が出来ている件の対策を検討した。その後のカーブは直線で推移しているので、10MHz桁D/AバッファのOPアンプにオフセットを与えるようにした。このバッファは100%帰還の正転アンプなので、出力とマイナス入力が直付けされている。BIASを与えるのはプラス側でしか出来ない。そこで5V電源から高抵抗(とりあえず1MΩ)を介しプラス側に接続してみた。これにより10.000MHzと9.999MHzの変換出力が同じになった(今までは0.1V程度あった)。
グラフはこの状態で入出力特性を取ったものでギザ部分が無くなっている。ただしこの状態では9.999MHzから10.000MHzへのステップな無いので、高抵抗はもう少し小さくする必要がある。また10MHz未満で傾きの変化が残っており調整の必要がある。
左図は加算器OPアンプに少量のBIASを与え出力オフセットを改善した回路。前述の如く5Vラインから1MΩを経由しているが、この状態で9.999MHzと10.000MHzが同じ値を出力するので、抵抗値は1MΩより若干少なめでも良い。この値はカット&トライで決定する予定。曲線の夫々の傾きから見て、最適値は900KΩ前後であろうか…。この値は電源電圧の一寸した変動により影響を受けるので、電源周りの安定化は必須である。何故0.1V程度のオフセットが発生するかは考察の余地がある。
なお併記してあるPullUp抵抗は、手抜きのDiodeANDの動作をより完全にするためのもの。これがないと波形のな鈍りやBit間の落ち込みが見られ、アナログSW(4066)の動作が不安定になる可能性がある。この処理でアナログSWの制御入力の波形は、シュミットトリガのCMOSバッファを1段通した位に綺麗な波形になる。
久しく触れていなかったが、ラダーD/Aの抵抗R=10KΩ。したがって2R=20KΩ。比較的高い値だが、CMOSを使って駆動し、結果的にアナログSWで短絡(ON抵抗との比率、CMOSから見た負荷状況)するなどの処理を考えるとまぁ程々の選択だったかなぁと考えている。
また精度1%級の抵抗をラフに組み合わせたD/Aでもかなり精度が望めることが分かり大きな収穫と言える。
Nov 13. 2005 無表示(No Letter)のD/Aミュート回路・・・無調整の「Frequency-Voltage特性」
DDS-VFOのLED表示は1MHz運用では10MHz桁、100KH運用では1MHz以上の桁に何も表示されない。LEDの7Segmentが全てOFFの状態なのだが、74C915にこの状態が入力されるとBCD出力に「1111」を出力してしまう。この値はフルビットなのでBCDで扱う0〜9までの数字よりはるかに大きな値を出力してしまう。74C915の特性で止むを得ないのだが、運用上は非常に厄介で何らかの方法で取り去る必要がある。無表示桁を「0」表示すれば対応できそうだが、見た目は悪いし、PIC側のプログラム修正が必要になる。
そこで以前より記述していたが、BCDの「1111」状態をAND処理で拾い上げ、アナログSWをゲートする事にした。そこで問題になるのはアナログSWを何処に入れるかである。当初はラダーD/Aの直後のOPアンプバッファとに間にカスケードで入れ、信号のON/OFFを試みたが、OPアンプ側が非常にHi-ZのためアナログSWの動作がクリチカルになり不採用。次にOPアンプの入力を接地する方法をテストしたところ良好なミュートがかかった。
図は最終的な回路である。AND回路は本来なら4入力のゲートICを使うべきだろうが、スペースの関係でDiodeのみで構成している。特にプルアップはしていないが問題なく動作している。DiodeはBCDのどれか一つでも「0」になると4066をオープン状態にするが、全て「1」になるとショート状態になり信号をミュートする。
無調整の状態でどの程度の「周波数-電圧特性」があるか測定してみた。グラフは0.5〜32MHz間を0.5MHzステップでプロットしたものである。下方から1MHzになる時は気付かなかったが、下方から10MHzになる時に大きなギザが入っている。赤線は最初に測定したもので、青線はOPアンプのオフセットを若干調整したもの。赤線は全体にたるんだ感じの特性になっているが、青線は改善されギザ部分を除けばほぼ1次関数で推移している。なお特性は、加算器の混合比はもとよりOPアンプの電源やオフセットそれに直線性も絡んでいると思われる。OPアンプについては最適なBIASを与え動作範囲を直線範囲に置く必要がある。ギザは1MHz桁以下と10MHz桁の混合比が考えられる。
無表示対策で信号を接地するやや強引な手法でミュート動作をさせており、完全なゲート回路ではないのでやや心配な向きもあるが、青線の如くギザ以外はまずまずの特性である。ギザについては良質なゲート機能つきのバッファアンプがあれば改善が容易だと思われるが…何処かにあるだろうか。何しろ基板上にはもうスペースが無い。
こうした細工は受信機作りとは無縁と思われる方もいらっしゃると思うが、目的に併せて論理回路を組み結果をもたらす過程で多くのノウハウを残してくれ、総合的な技術レベルの向上につながっている。とにかくやっていて楽しくなる。VFOダイアルを回すと連動してD/A変換ボードのDC出力が変わり、テスターやオシロスコープの表示が変わっていく。まるで時計仕掛けの様である。
Nov 12. 2005 74C915のラッチを復活…下隣桁データ混入対策
D/A変換出力が8桁インターバルの1桁時間(1.6mS)しか出力しないのは余りにも不便なため、再び74C915のラッチ回路を生かした。過去に述べたように、この場合1.6ms幅で下隣桁データが誤出力されてしまう。1インターバルの1/8程度だから良いかぁ?なんて考えていたが、D/A出力を測定するとやっぱり値が可笑しくなり対策が必要な事が分かるる。
色々と対策方法を考えたが、波形観測中に誤出力タイミングはラッチ制御パルスと同じタイミングであることが判り、そのタイミングで74C915の出力制御OEをゲートする事にした。74C915のOE入力の論理方向はラッチ入力とは逆であるため、ラッチパルスを反転させているIC0の入力側から取る事にした。
この作業により誤出力はミュートされ、1インターバルの7/8間出力を確保することが出来た。現実的には基板上スペースの問題があって、D-FF等の部品増加は出来ず、IC変更と大移動を行って処理している。またIC0インバータには今まで6個入り4584(14P)を使用していたが、8個入り74HC240(20P)に変更し、余った部分は無表示時のデータ制御に使用する等のスペース確保を行っている。
写真はラッチパルスの反転パルス(下)で誤出力部分をミューとしたD/A出力(上)の波形。この作業に合わせ回路を大幅変更した。写真をクリックすると見る事が出来る。なお今までの回路はそのまま残している。
Nov 10. 2005 もう一つの表示無し桁処理について…PICプログラムの修正完了で数字"7"データOK
数百KHzオーダーの表示の場合は10MHzと1MHz桁の表示が無くなる。この時7SegmentコードをBCDに変換すると「1111」となりフルビットをD/Aしてしまう。この件についての対策は既に述べている。
実はこれ以外に数字表示が無くなる動作がこのDDS-VFOにはある。メモリデータを読み書きするWDとRD動作の時である。これらは1Hz桁にメモリ番号を表示するが他の桁は全て無表示になる。この状態を真面目にD/A変換するととんでもない値が出力されるので、あらかじめサーボ動作を停止(状態維持)するための信号を出力する必要がある。この検知には今までの手法と同様にBCD出力でANDをとって行うが、全ての桁でANDをとるのは大変で無意味なので基板上で処理している1KH又は10KHzの桁のみで行う事にする。
なお本日、数字"7"のプログラム変更をウェーブ電子へ依頼していたPICが届いた。簡単な変更だったため少額有償で受け付けて頂いた。自分でプログラムが書ければ良いのだが、未だそこまで技術力が無いので今回はウェーブ電子様様である。写真は早速実装してテストした様子である。LEDディスプレイに「12.345678MHz」と表示させた時のD/A変換出力である。ただしIC0/4584は抜き、Demultiplex動作は停止させて撮影している。この波形で見る限りではレベル方向においてD/Aは非常に良好に動作をしている。
ここまで来ると後は既に記述している無表示時の処理とD/Aデータのラッチ処理が出来ればこのD/A変換ボードでの作業は終了する。
Nov 6. 2005 表示無し桁の処理方法…フロントパネルのノブを変えてみたら
LEDの数字表示が「無」の場合、DDS-VFOは7Segmentデータに全セグ「L」レベルを出力する。この場合74C915のBCD出力は「1111」を出力する。したがって表示が無い桁ではフルビットが出力され、D/A変換器も最大電圧を出力する。BCDは2進化10進数なので0〜9までの表現、すなわち「0000」〜「1001」しか扱わないのだが、表示「無」のために74C915はこうした特殊コードを含ませているようだ。これの問題を解決するには、BCDに「1111」が出ないように74C915をプログラム出来れば良いのだが無理な相談なので、BCD出力を「1111」でAND処理しD/A出力をゲートすれば良い(回路図暫定修正)。
口で言うのは簡単だが実際には色々問題がある。一つはD/A変換ボード上にICを載せるスペースが殆ど無いこと。それにD/A出力は直接加算器につながっているので、ゲートデバイスの通過抵抗が問題になってくる。前者はICやその他部品の再配置で逃げるしかないが大作業だ。後者はデジタルレベルでゲートすれば楽だがこれもICスペースが無く中々悩ましい。
本日清水無線(清水区浜田町)を十数年振りに尋ね業務機器用のノブを購入してきた。写真は早速入れ替えて様子を見ているところ。つまむ部分の直径は今までの物とほぼ同じだが、ツバが付き内側に凹みがあるので軸受けのナットが程よく隠れ使い易い。雰囲気も悪くなく2重ノブにも対応出来るが、ちょっと重たいだろうか?…さてどうしたものか。
COFFEE BREAK…SS-1Rの解説"HamJournal/No.7"の思い出
7360を受信機ミキサ管として使用した米Squires Sanders社の受信機SS-1Rの事が気になり、実家にHamJournal/No.7を持ちに帰った。No.7は昭和51年(1976年)7月10日発行だから、既に29年の歳月が流れている。SS-1Rの構想の発表は1963年頃(QST)だから、今から数えると42年も前の事になる。この号にはJA1AEA鈴木OMが「Squires Sanders, Inc のSS-1R 真空管式受信機の挽歌」と題してP31〜P41(一部P149)で克明に紹介されている。読み物としても資料としても非常に貴重なものである。冒頭で鈴木OMは…十余年ほどまえにビーム切り替え管7360が開発され、この真空管を使って実用化された唯一のアマチュア無線用受信機…と紹介し、更に…混変調、相互変調などの受信障害については、最近になってようやく注目されてきたものだが、SS-1Rではビーム変換管と高周波増幅部なしというとり合わせで、この様な問題について十年も以前から現今の高級受信機より以上の性能を引き出していた…と続けている。
オーナーはこの号を東京出張中に購入し帰路の東名高速バスでむさぼり読んだ。当時局発を殺してもガサゴソ言う相互変調に悩み、冗談に家庭用の5球スーパー(日立エーダS-540)の局発を殺したら非常に静かな事に驚きを覚え、高1中2を作るなら高1は利得0dBでイメージ比のみを稼ぎ、中2は中3にすべきと言う結論を持っていた。この記事はその考えに非常に近かったため大いに感化され、受信機を製作するときの良きバイブルとなった。写真は久し振りに紐解いたHamJournal/No.7のP31。
Nov 5. 2005 フロントパネルに汎用プッシュ型SWを追加する
しばらくデジタルICを突っつく時間が経過したが、本日久し振りにフロントパネルの機械工作を行った。良い気分転換になる。
写真の如くAudio-JackとATT-SWの間に、ATTと同種のSW(MIYAMA/DS-801)で白色の物を取り付けた。パネルには暫定的に「CAL」とレタリングしてみたが、まだ気分でやっているので、最終的に「Audio」は「HeadPhones」になるが、2個のプッシュSWはどうなるかは未定。
この丸型プッシュSW最大の特徴は、パネルの加工が容易と言う事に尽きる。16mmΦのシャシパンチで打ち抜き、リーマで若干のサイズ合わせを行い、穴の下方に回転防止キリカキを入れるだけである。四角穴だとSWとの合わせ作業に時間が掛かり、複数になると並びににも常に注意を払う必要があり面倒だ。しかし、丸穴だとそうした心配が全く無く、センターポンチ打ちの精度のみに注意すれば良い。
なおキリカキを穴の下方に入れるのは、誤ってキリカキを大きくしてしまった時に、上から覗いてもそのミスを見え難くするための配慮(工夫)である。
このプッシュSWはメイク接点1回路とLEDが内蔵されている。回路構成にもよるが、押した時にLEDを点灯するためには被制御回路との連携が必要になる。また当初は緑色SWを電源用に考えていたが、パネルスペースを有効活用するためにAF-GAINをSW付きVRにして、これを当てる考えでいる。
COFFEE BREAK…部屋の掃除とフロントパネル&と基板類の記念撮影
休日で散らかっていたゴミを整理した。吸い込みが悪かった掃除機ので中を覗いてみたら袋にゴミが詰まり石の如くパンパン状態。袋を取り出したが予備袋が無いため、パンパンの袋からゴミを摘み出す事になった。そしたら出てくるは出てくる、袋にはここ数年間のゴミの歴史が全て詰まっていた。日記もここまでは正確に書けないぞ。その時何をやっていたかが分かるって言うもの。例えば前回の単身赴任で住んでいた川崎市多摩区のアパートの畳のイグサとか、その時に誤って吸ってしまったタイラップ等など…。ゴミでも懐かしく思えるので不思議である。
写真は掃除後に工作中の受信機のフロントパネルとDDS-VFO(右上)とD/A変換ボード(左上)を並べ、通電した状態を記念撮影したもの。色々と考えるとパネルのノブ数がどんどん増えていくので、あるところで割り切る必要がある。例えばRFゲインなんて本当に必要なの?…先輩のJA2DJH石黒氏がその様なメールを投げて来た。その昔SSBの復調にはRFゲインを調整してBFOレベルと合わせる芸当が必要だったが、今はIF帯域制限が良好で目的外信号も問題ないレベルまで抑圧できるから、AGCは掛けっぱなしでフルゲインも殆ど問題はない。氏の言われる通りで、むしろ時定数のFAST/SLOWの切り替えと入力ATTの併用が使い易いと考えている。写真のノブは気に入っているのだが、軸受けナットを隠す凹みがスカート部に無いのでややパネル間に隙間が残る。ひょっとしたらこいつも交換するかも知れない。
Nov 4. 2005 "7"のデコードミスの原因
74C915の入力に数字"7"のデータが入力された時に、D/A変換出力が「0V」になる件について調査した。
JA2XCR/丸尾氏から送って貰ったナショセミ社のマニュアルとにらめっこをしていると、妙な事に気付きワンポーズあってから「これだ!」と飛び上がった。それは分かってしまえば何て事は無い話だ。
図左に示すようにDDS-VFOからの7Segmentデータのフォーマットは「abcf」がHで「deg」がLである。ところが74C915では"7"のフォーマットは「abc」がHで「defg」がLとなっている。すなわち「f」部分の取り扱いに違いがあり、数字"7"が正常にでコードできなかったのである。
74C915に図左の入力があるとBCD出力はHi-Zとなり電圧出力は無いので結果としてD/A変換は「0V」を出力していた。
この解決策はハード的には図左のセグメントデータをデコードして「f」データラインをUnenableするか、ソフト的にはDDS-VFOのプログラム書き換えがある。現実的にはハードで対策する方が簡単だが、ICを乗せるスペースが殆どなくなってしまった。さてどうするか・・・。
そんな所で時間を費やしているのなら、最初からPLDでロジックを書いた方が修正が楽で良いのに!・・・と丸尾氏の声が聞こえて来そうである。
「f」セグメントを数字"7"で使うか否かは規格上どうなっているのだろうか・・・。
Nov 3. 2005 D/A変換ボードDemultiplexタイミング対策と"7"のデコードミス
久し振りの休日で再びA/D変換ボードを検討する。多重データをタイミングよくストローブ出来ず、下桁データが1クロック分顔を出す現象が続いていた。ICマニュアルをひっくり返して見ていたら不具合に気が付いた。データラッチしている74HC175は最終出力がD-FFだ!。オリジナルLEDボードは、この多重データにタイミングを合わすようにLEDのストローブを行っているが、Latch等の遅延素子は使用していない。しかし74C915にはノーマルLatch-FFが1段挿入されている。したがって、そのままではタイミングが合わないのでストローブ用デコーダ74HC238の出力を1クロックずらして対策したつもりでいた。ところが前述の74HC175のD-FFに対し74C915はノーマルLatch-FFなのでトリガタイミングが合わない模様。
そこで何とか多重データとストローブのタイミングを合わすために・・・
@74C915をLatchスルーにして、出力OE(OutputEnable)をストローブする
Aこれに併せてストローブ用デコーダ74HC238の取り出しをオリジナルLEDボードと同じにする
この作業で正常動作が期待できるかもしれない・・・。早速回路図の如く修正し動作確認するとズバリOKになった。ところがLatch無しなので、出力は1クロック分で、多重したタイミングの位置でしか出力しない。また新しい課題だ。何とか74C915内蔵のLatchを有効に使いたい。このLatchがD-FFなら一挙に解決なのだが・・・。写真は*9.9*****MHzを表示させた場合。
数字"7"のデータが入力した時に、74C915のBCD出力が「0111」にならなければいけないところが「0000」になり、D/A出力が「0V」になってしまう現象について調査を行った。
気の利いた多現象オシロスコープが無いので、2現象オシロスコープをEXT同期にして74C915に入力する7Segmentデータのタイミングを夫々測定した。それらの波形をデジカメで撮影しPC上で合成してみたみたのがこの写真。
NS社のマニュアルによれば、74C915は7Segmentの「a・b・c・f」がHighの時にBCD出力が「0111」になる事になっている。写真を見ると分かるがStrobeしている期間の7Segmentデータは「a・b・c・f」がHighで入力データとしては問題ない。ではどうしてこの時のBCD出力が「0000」になってしまうのだろうか?。
74C915が壊れていると思い別の物と入れ替えてみても状況は変わらない。或いは74C915の使い方に間違いがあるのだろうか?。ひょっとしたらIC自身がロット不良で全て同じ様に壊れているのだろうか?。眠れない夜が続きそうである。
それにしてもオシロスコープの能力不足を補うため、デジカメにストレージしてPCで合成するなんて涙ぐましいと思う。最近記憶力が落ちてHだったかLだったかの話が怪しくなるので、こうして写真にしておくと覚えになって良い。
中々高周波の話が始まらないが頭の中では構想が煮詰まってきた。
Oct 30. 2005 COFFEE BREAK・・・7360と455KHz_IFT届く
久し振りに受信機らしい部品が登場する。先週札幌のNPO法人ラジオ少年に頼んでおいた7360(ビーム偏向管)とIFT(455KHz)が届いた。7360はこの受信機に採用するかどうかは未定であるが、IFは455KHzにする予定でいるので用途はほぼ確定している。「ラジオ少年」ではこうした、国内での入手が難しい部品を世界中から集めて販売している。特に18歳未満の青少年や学生には割引があるので是非お勧めである。勿論オーナーの様な「元ラジオ少年」でも喜んで頒布して頂ける。
さて写真左は新品のRCA/7360で、たくさんあると言うことで4本購入してみた。この球は八重洲無線のFT-200/400シリーズでSSBの平衡変調に使われ、TRIOでもTS-500の平衡変調に使われていた。また、カメラやTV受像機の色信号変復調器やFMステレオ復調器などに採用される事もあった。色信号やFMステレオはサブキャリアに平衡変調をかけるのだが、キャリア成分は不要なためSSBと同様にキャリア抑圧される。類似した真空管として6AR8/6JH8/6HW8/6ME8等 があったが殆どお目に掛かる事は無かった。
オーナーは昭和46年に入手した7360を持っていたが、「ラジオ少年」のサイトを見て余りにも懐かしく衝動買いしてしまった。7360を使った受信機と言えば、何と言っても今は無き「Squires Sanders社のSS-1R」だろう。RF増幅無しでいきなり7360のミキサーにRFをぶち込む手法に驚かされたものだった。
今回の製作ではこの「7360ミキサー」も候補の一つであるが、RFの素通りを嫌うとRF入力もバランスさせる必要があり複雑になるので一寸気が引けている。RFの素通りを嫌うために妙なf特を持ったTRAP等を余り使いたくないのだ。本音(これは理想であるが)は、例えばIF周波数が9MHzで局発を18MHzで受信周波数を9MHzなどと無茶苦茶な事を考えている。IF幅の数KHzの間を-80dB程度に減衰出来ないものだろうか・・・何処かで笑っているOM氏の顔が浮かん来そう。
左の写真は7360より約3時間早く届いた米国製の455KHz_IFT。22mmx22mmx53mmと昔のTRIOのT-21程度の大きさだが、コイルボビンは約8mmΦありT-21より太い。またコアも6角型で専用の調整棒で回すが、T-21のマイナス型に比べはるかに壊れ難い。側面にL301とL401と印刷があるので何か違いがあるのかと分解してみたが全く同じ作りであった。同調容量には300PFのシルバードマイカが取り付けてあり好感が持てる。コイルのタップダウンは無いが、端子に開きがあるのでC分割によるタップダウンを行うことが出来る。ちなみにコイルの直流抵抗は約7Ω。300PFの455KHzにおけるリアクタンスXl=1/2πfC=1/2・3.14・455KHz・300PF=1167Ω。無負荷Q=Xl/R=1167/7=167・・・一寸出来すぎか?。取り付けは18mmx18mmの角穴を開け、2.6mmのナットで固定する。
Oct 25. 2005 D/A動作の確認と現状A
昨日のチェックでまとめた@の現象について波形を示す。目的桁のところが全て同じレベルになりたいのだが、その下隣のデータが約1.6msの幅で顔を出している。
この表示は周波数で9.0KHzを表示している時、1KHz台が目的桁で0.1KHz台が下隣桁でのデマルチプレクスの様子を示している。目的桁は"9"値を示しているが、下隣桁の"0"値が顔を出している。当然だが、この状態から下隣桁の数字を増減させると波形上も連動して変化する。
したがって目的桁と下隣桁が同じ数字になれば波形は横一直線になる。
7Segmentデータは8桁分を時分割多重(マルチプレクス)しているだけなので、その多重タイミングと同じタイミングでゲートして更にラッチすれば夫々の桁データが緩衝しないで取り出せる(デマルチプレクス)筈なんだが・・・。やっぱりデマルチプレクスするラッチタイミングがずれているように思われる。
或いは何処かで前エッジトリガと後エッジトリガが整理されないままでいるのか・・・。
余談だがこういう実験は30年程前に良くやったが、ハードロジックの勉強に非常に役立った。最近は本格的にやる事は殆ど無いが、たまには頭の体操に良い。また時代の流れと共に真空間から半導体とデバイスの変遷があったが、殆ど全てに手を出してきて本当に良かったと今になって感心している。そうでなければこうした楽しみは味わえなかっただろうから。
Oct 24. 2005 D/A動作の確認と現状
D/Aコンバータがどのような動作をしているか確認する。写真は7Segmentデータをデマルチプレクスして桁ごとに分配する前の状態を示している。この場合LEDディスプレイでは12.345689MHzを示している。ダイアルを回して周波数を可変するとこの写真の相当する桁が変化すので見ていて楽しくなる。ちなみに全て同じ数字、例えば22.222222MHzにすれば波形は横一直線になる。また振幅方向の諧調もまずまずと言えるだろう。
ここまで確認できたら次は74C915へのラッチ制御動作を確認する・・・と、ところが良く考えるとこの波形はどの桁でも同じものが出力されていてデマチプレクス動作が可笑しい事に気付いた。慌てて74C915の内部論理回路を見ると、どやららLE(ラッチイネーブル)は不論理の模様。それで急遽手持ちのインバータ4584を各桁のLEラインに追加した(回路図変更済み)。これで桁ごとのDC出力を得ることが出来るようになったが、良く見るとデマルチプレクスした位置がLED表示と不一致。現物を確認しながらLEラインを入れ替えた。結果的にデコーダのLSB(Y0)・MSB(Y7)には合致せず、Y2〜Y6に1KHz〜10MHzが相当する事が分かった。またデータ側とのタイミングが1.6ms程度ずれている模様で、下桁のデータがチョイト顔を出してしまう。
このタイミング合わせはハード的にやると結構難しいのでDDS-VFOのプログラム(PIC)を修正した方が早いかもしれない。しかしそんなサービスはやって貰えないだろうから、軽微な次項として取り敢えず先に進む事にしよう。
それにしても、この作業を見て受信機を作っているなんて誰が想像するだろうか。久し振りのハードウェアロジックいじりも中々楽しいものである。
ここまでの課題
これまでの状況を大雑把にまとめた。
@各桁D/A出力に下隣桁のデータが約1.6ms幅出力される(周期は12.8ms)
A数字の"7"が入力されると出力が0Vに落ちる・・・上記写真で"7"を飛ばしているのはそのため
B無表示入力の場合BCD出力が"1111"となり異常(最大)電圧が出力される
・・・@の1.6msはクロック幅と思われるので単純な配線ミスかもしれない。Aも配線ミスの感じもするが現在最重要課題で要調査。BはBCD出力が"1111"の時は出力をOFFにするゲートを設ければ対策できそうだが、これは元々無表示のための74C915の特性。
Oct 23. 2005 オシロスコープでLEDボードとD/A変換ボードを比較
テスタでは波形状況がつかめないのでオシロスコープを持ち出して、製品であるLEDボードとモドキであるD/A変換ボードの波形観測を行う。自作したD/A変換ボードはLEDボードの7SegmentデータとLEDストローブ(イネーブル)回路をそっくり真似たものであるから、途中までの動作が同じであるか確認した。動作は極めて良好で同じ波形が自作側でも取得できた。
またデジタル系の最終出力である74C915のBCD出力においても0V-5Vのスイングが確認できた。ただこの部分については、測定桁以外の桁データを変更してもデータに変化がある。これは恐らく74C915のラッチタイミングの問題と思われる。ストローブは3Bitのバイナリーデータをデコードして行っているが、デコード出力からの取り出しをLSB側からMSB側にシフトしてみたが状況に大きな変化は無かった。小刻みに調整したら良いポイントがあるかも知れない。この後もう少し細かいタイミング調整を試みる事にする。
写真は愛用の475オシロスコープが不調なため、借用してきた2225オシロスコープで、D/A変換ボードの1MHz桁のBCD出力のC端子を当たっている様子。デジタル回路は色々なタイミングのパルスが混在するので、単現象のオシロスコープでは限界があり、少なくとも2現象或いは4現象のものが欲しい。特に何Bitかのコード体形になっている部分を測定する場合、単現象では時間方向の比較が非常に面倒で作業に時間がかかってしまう。
Oct 22. 2005 フロントパネルのレタリングを確認
D/A変換ボードの作業を中断し、気分転換にフロントパネルのレタリングを試してみた。レタリングは過去にも記述しているが半透明のワープロ粘着シートに文字をプリントアウトした物を切り出して張るだけの簡単なものである。
写真はメーター下に開いてしまったスペースに「名盤もどき」シールを貼り、「シーメンスキー」と「Audio出力Jack」や「電源SW」にレタリングしてみた様子。半透明の粘着シートなのでシルバーのパネルとほぼマッチしている。しかし本当はシールを完全に溶け込ませたい・・・。
もう少し格好良くやるには、このメーター全体を1枚のシートに作成してしまう方法がある。この場合は全ての部品を取外し、シートを丁寧に貼りつめ、穴を開ける作業が必要になる。広いシートを空気を残さないで貼りつけるのは結構神経を使う作業であるが、巧く貼れると出来映えが良い。また他のノブ類も同様に処理すると全体が締まってくる。
なお電源SWは角型から丸型に変更に変更した。角型SWは前方への突起がありすぎ、メーターの突起と比べると不吊り合いだったためである。周辺の角も取れているのでスペースに余裕が出来て収まりが改善されている。ちょっとした事だがその効果に驚く。こうした手直しも物づくりをやっていて楽しい部分の一つである。
Oct 18. 2005 74C915届く
待ちに待った74C915(NS製MM74C915N)が無事届いた。あの細長い輸送用のプラスチックケースに収め帯電防止袋に入れたものを小さな段ボール箱に積め、封筒で送られて来た。何があったのか封筒の縁はボロボロで中のダンボール箱が見える程だった。
実は昨日家族の居る名古屋の自宅に届いたのだが、即郵便で転送してもらったモノが今日届いた。10回以上のやり取りをした中国のディーラーにはe-mailで一報しておいた。
国際振込みや輸送手数料を考えると、現地中国での単価が\250でも、最終的には信じられない程の高額になるので決してお勧めは出来ない。
写真は早速取り出して撮影した記念写真。すでに国内では殆ど見つからず、データシートも相当古いモノに発見できるだけで、正直なところ化石に近い。
早速実装してみると、確かに7Segment→BCD変換しているようだが、D/A変換出力は思ったような値で出力しない。現在愛用のオシロスコープ475が不調のため十分な波形観測が出来ないでいる。デジタルテスタじゃ話にならないし、作業がやや遅れ気味である。当たり前の話だが開発要素を持っているので時間が掛かる。これから徐々に合わせの作業を行う。随分と長い回り道になりそうだ。
Oct 16. 2005 A/D変換ボードの調整
A/D変換ボードのDCオフセットの設定を行った。このためにマルツ電波から5KΩのポテンショメータを購入し基板に実装した。写真右手の上下にある青い四角がそれである。両者とも基板を実装しても上からドライバーが突っ込める位置にしてある。
74C915が無いので実際にどのような電圧が出て来るか分からないので、とりあえず10MHz桁のMSBに「Hを与えた時→外した時」で、加算OPアンプ出力で「10V→1V」程度、最終OPアンプ出力でも「1V→10V」の変化が得られるように各OPアンプのバイアスを調整した。
なおこの作業に先立ち、15Vの3端子レギュレータ7815を追加し、加算器と最終OPアンプ電源としている。また各IC毎にパスコン(0.1μF)を取り付け、2Pの出力端子も取り付けた。なお基板への電源供給は、加算器と最終OPアンプのリニアリティを考慮し7815を実装したため18〜24Vを使うことにする。
現状でのバイアス電圧を参考のために回路図に赤字で書き込んだ。DC直結アンプなので最終的なオフセットやドリフトがどの程度になるか心配である。場合によっては最小桁の出力よりドリフトの方が大きいかもしれない・・・何しろ最大桁の1/10000なので。まぁ実験的要素が半分以上あるので、どうなるかそのものも大切なデータであり経験ではあるが・・・。74C915が実装され、さらにDDS-VFO基板が積み重ねられると、いよいよ面白くなりそうだ。
Oct 15. 2005 フロントパネル加工・・・シーメンスキーetc実装
74C915が到着するまで時間があるのでフロントパネルの加工を始めた。
写真は懐かしいシーメンスキーと電源SW及びヘッドフォンジャックを取り付けた様子。シーメンスキーは実家から先日持ち帰ったもので、友人から貰ったサトーパーツ製。メータ下部があるため上下位置はこれより上げられない。これはメーターの切り替えに使う。左がSで中央と右がVUで-20dBm/0dBmを切り替える。何もシーメンスキーを使う必要など無いが、51S-1のメーター切り替えのイメージがこびりついていてこの選択となった。実は他に適当なレバー式SWが無かったのだ。
電源SWは当初ローターリーSWに組み込もうと考えていたが独立SWにした。加工が簡単なように16mmΦの丸穴一つで取り付け出来るOMRON_A16タイプを選んだ。しかし前方への突起が結構あり、取り付けてみてからややバランスが良くないなぁと反省している。せっかくメーターの突起を抑えているのに・・・ひょっとしたら違うタイプに変更するかも知れない。
ヘッドホンジャックはステレオタイプで子羽接点がある物を使う。プラグ挿入時にヘッドフォン用ATTを挿入するためである。またコールド側はシャシから浮かせ、オーディオリターン線がシャシとコモンにならないようにし、極力誘導Humを嫌いたいが、現段階では通常のネジ締めで接地するタイプを使用している。これら作業をフロントパネルイメージに反映した。
シーメンスキーや電源SWを取り付けたら、他のノブの感じも見たくなり更に6個のノブを取り付けてみた。
シャフトの元はVRだったりローターリーSWだったりするが、部品箱から適当な物を探して借り留めしている。したがってシャフトの長さがまちまちで横から見ると写真が締まらないので真正面から撮影している。周辺は関係する部品や工具類が転がっている。
何しろアパート住まいで7畳間のハンドメーカーなので夜は大きな音をたれられず穴開けはハンドドリルが中心となる。
ノブはややクラシカルで周辺に波型の凸凹がある丸型だが、このノブ違いでパネルのイメージが全く違ってくるので面白い。
良く見ると中央と両サイドのノブの感覚がやや広いような気がしている。まぁこの辺はレタリングの妙技でバランスを取る事にしよう。右上のノブはマニュアルプリセレ同調用VRであるが、100目盛り板を共締めしてみた・・・余り意味は無いが、まぁ格好になっている。
これでとりあえず6個のノブに機能を集約しなければいけないので、考えていた機能の幾つかは無効にする必要があるかもしれない。個人的にはR-390Aの如きBFOは大好きなのでX-tal_BFOは止めて、モードはCW/SSBを一つにしてしまう予定。但し周波数の読みが面倒になるが・・・。したがってCW/SSBとAMにAUXを2つ位い追加しようと思う。またAF/RF_GAINは2軸2連VR。
Oct 13. 2005 D/A変換ボードの調整
D/A変換ボードの加算器周りの確認と調整を行う。ラダーD/AのOPアンプ出力が、各桁で同じBCDコードの時に同じDC出力になっていることを確認する。手持ちのデジタルテスターは大した分解能じゃないので、ほぼドンピシャと言える程に合っていた。さすがに1%級の抵抗だけある。これらを各桁毎に混合比を調整した加算回路のOPアンプDC出力も確認する。このOPアンプには程よきBIASを与えオフセット調整を施し、さらに帰還抵抗を調整して利得を持たせBCDの最大振幅がリニアに収まるように調整する。同じBCDコードを全ての桁に同時に加えるのは至難の業なので代表値でやるが、これもH値とL値全てを与えるのが大変なため"1000"ならMSBの1のみVCCにつなぎ後はオープンで様子を見た。随分といい加減なやり方だが下位桁に行くにしたがってDC出力が落ちていくのを確認できる。なお加算器は反転増幅なので、出力は例えば11V→1Vと言った風になる。最終的にはもう一段反転増幅器を通し方向を1V→11Vに変換する。これらの回路はDC電圧の変動を極端に嫌うので3端子Regを挿入している。また加算器と出力段のOPアンプも、DC変動除去とリニアリティを得るために12Vの3端子Regを使用している。なお各ICの電源端子にバイパスコンを取り付けないと、動作が不安定になるので注意する。この状態で74C915が届けばある程度の結果が期待できそうだが、ICにはL時でもオフセットが残り、H時でもVCCまではスイングしないのでその対策が必要になる。受信機を作っている雰囲気に中々ならない。
COFFEE BREAK・・・フラットケーブルとコネクタ処理方法について
当HPの読者の皆さんは、フラットケーブルとそのコネクタ処理はどのようにされているのだろうか?。
オーナーの場合は専用の工具など持ち合わせていないので、写真の様に多少面積(幅)のあるバイスを用い、フラットケーブルの各線とコネクタ金具受け部分を正確に合わせてから徐々に力を入れて締め付けている。
慌ててやるとコネクタ金具受け部分と線材がずれるので確認しながらやると良い。写真は40Pinのコネクタを処理している様子。
これ以外には通常の万力等も同様に使える。慌てて木槌等で叩くとコネクタのモールドが割れるので注意。
製作中の受信機では、フラットケーブルをDDS-VFO〜LEDディスプレイを7セグメントデータの伝送(14Pin)で使用するが、途中にコネクタを噛ませて7セグメントデータをD/A変換ボードに導くためにも使う。
Oct 11. 2005 VFO関係SWボタンにレタリング
先週末帰省した折に、文豪ミニ7RXで関係する文字を写真下の如く粘着シートに打ち出してきた。写真左はVFO関係のSWボタンにレタリングを施した様子。VFO選択は選択SWと内臓のLEDを併用している。他はLEDを実装しているが点灯動作は現在のところしない。部品がついてレタリング作業が始まるといよいよ雰囲気であるが、中身はまだ空っぽに近い。
Oct 10. 2005 D/A変換ボードほぼ完成
昨日のテストでLadder抵抗方式のD/Aも良好である事がわかり、残りの4桁分を組み込んだ。また各桁の加算抵抗も取り付け最終のOPアンプに接続した。BCD入力を同じにして各桁のDC出力が同じである事を確認した。ところが加算器は反転増幅のため、最終的にもう一段反転増幅のためにOPアンプを追加した。しかし加算入力の抵抗比が1MΩ/100Ω=10000倍もあるので、適正な加算が出来るかどうか、大分実験的要素を残しているのは否めない。
写真はほぼ部品が乗ったD/A変換ボード。74C915の到着が待ち遠しい。
74C915を依頼した中国の"Anichip International Ltd"から入金したとの連絡が10月11日ようやく入り一安心。それにしても9月27日に送金して到着が10月11日ですから丁度2週間。中国の銀行は1日〜7日まで一斉に休みらしいと、送金したみずほ銀行に問い合わせ聞いていたが、やはりそのせいだったのか・・・さて後何日で届くだろうか?。心躍らせながら郵便を待つ少年のような気分である。さてこうなると、到着前に課題をクリアしておかなければいけない。
Oct 9. 2005 Ladder型D/A変換の特性をとる
一部の配線を済ませたD/A変換ボードのLadder_D/Aの特性を取ってみた。実はこの部分がしっかりとリニアになっていないと後が大変なので前々から気にしていた。Ladder型のD/Aは実に簡単で、もう30年程前に細工して以来である。その頃は1%級の抵抗など地方では入手など不可能で、せいぜい2.5%級で、しかも何本も集めてその中から揃っている物を選んでやっていた。今は1%級が容易に手に入るので何も考えないで配線した状態でテストした。左図はD/A入力コードに応じたOPアンプ出力の様子である。"0"レベルは接地、"1"レベルはVCC(5.3V)にワニ口で接続した。数字だけでは直線性が見難いので、右図の如くグラフにプロットし直した。正直なところGOOD!である。但しこれはICからのBCDドライブではない理想条件なので、果たして最終的にどうなるか楽しみである。
各桁は同じレベルでD/Aされ、最終的に加算器で加算比を桁毎に合わせて全体の諧調を調整する。気の長い話だが変換先はDCなので随分と気が楽である。今の状態でも出力をOPアンプで増幅しPWMアンプに送ればRCサーボを回すことが出来る。ちなみに、この桁が10MHz台だとすると30MHzの時は0.66V、5MHzの時は0.1Vとなる。こうした電圧を先ずバンドごとに区分けした"バンドΔ電圧"、更にバンド内でVCを回す範囲を"バンドΔVC電圧"として指定する。考えていると頭の中がゴチャゴチャになって来るが、全体が一次関数で動く予定なので楽観視している。ただバンドの切り替え時前後の扱いをどうするか・・・ヒステリスを持たせないとうるさくてしょうがない事になる。写真はワニ口クリップを持ち出してBCDデータをD/Aに与えて測定している様子。こういう作業をしていると学生時代に・・・って事はない、その頃はアナログだった。勤めだした頃に色々と学んだ事が思い出され面白くなる。今なら1チップで良質なD/Aがゴロゴロしているのに、わざわざ抵抗を並べるなんて・・・笑われそうだ。
Oct 7. 2005 Ladder抵抗を取り付ける
D/A変換ボードにLadder抵抗を取り付ける。抵抗比1:2の組み合わせの値を、回路図の如く配線する。ホット側(MSB)もコールド側(LSB)もシンメトリックなので作業は極めて簡単だ。ただ1桁あたり9本の抵抗を使うので、5桁分になると45本にもなるので結構な作業量になる。とりあえず抵抗値は、ドライブ回路の内部抵抗を無視できる位に高い10KΩと20KΩの組み合わせとし、誤差は1%級とした。また実験なので取り敢えず2桁分を作業した。
Oct 4. 2005 D/A変換ボードの配線開始
D/A変換ボードの配線を開始した。何を間違ったか、購入してきたKQE電線が0.5mmでやや太目のため作業し辛かったが、まぁ機構的には丈夫だし導電性も良いだろうと変に納得することにした。7Segmentデータ入力からBCD変換まで配線を済ませた。写真右で中央を左右で帯状につないでいる配線が74C915の7Segmentライン。線材が細ければ全てを裏面上で配線できそうだが、太いため一部の配線は写真左の様に基板表面で行われている。
こうした作業を行うのは久し振りで、Kit以外ではSCSIカードを作って以来だろうか・・・。TTLが広まった1970年台は皆こうした作業で基板を作っていたのを思い出す。基板上に白いスペーサーが乗っているが、これは裏面が電源ラインになるための絶縁対策である。今ならこの様な作業はプログラムで出来てしまうのだろうが、ハードロジックICを取り扱うのも頭の体操に良い。ICの方向を勘違いしてPin番号を間違えたり、それを大分作業が進んでから発見したりと・・・。
Oct 3. 2005 D/A変換ボード上のレイアウト
D/A変換ボード上にICコネクタを取り付けた。とりあえずデジタルIC分でアナログOPアンプ用は未だ乗せてない。
写真の右下にある14PinコネクタがDDS-VFO基板とLEDディスプレイをつなぐフラットケーブルから横取りした信号が入力される
部分。それを取り囲む1番ソケットはストローブ変換の74HC238、2〜3番は7Segmentデータラッチの74HC175。更に4〜8番が話題の7Segment→BCD変換の74C915。開きスペースにはOPアンプ類が並ぶ予定。上部に転がっているのは導電性スポンジに差し込まれ、実装されるのを待つC-MOS群。
ちなみに、実は74C915購入の為に国際銀行振り込みを行ったが未だ入金していない旨の返事が先方からあった。実に待ち遠しい。
このボードの上にあるスペーサーにDDS-VFO基板が組み込まれビス止めされる。VFO出力・電源入力・RIT制御はシールド箱にコネクタを取り付けて外部に引き出す。
D/A変換ボードは外部に設置しても良いが、配線ルート(データの横取り)を考えるとDDS-VFO基板と重ねるのがベストであろう。またデジタルクロックによる不要輻射等の影響についても同様である。
Oct 2. 2005 DDS-VFOからのデータレベル確認と取り出し
DDS-VFOのLEDディスプレイユニットからどの程度の信号レベルが取り出せるかを確認した。するとTKTROのオシロ475の調子が悪く、この修理から始まってしまった。波形はともかく振幅が分かれば良しとして測定するとLEDドライブで2.6V程度しかない。LEDストローブはもう少しまともで3.6V程度あったがそれにしても、LEDと併せていきなり5個の74C915を駆動するには気が引けた。そこで、思い切ってLEDディスプレイと同等のドライブ回路を変換ボードに乗せる事にした。
いずれにしてもダイナミックドライブデータしか入ってこないので、このドライブ回路は必要であったHi。これに併せて変換ボードの回路を追加変更した。写真をクリックすると回路図が見える。なお今までの回路図も同じファイルなので同様に変更されている。
写真は変換ボードの上にDDS-VFO基板を乗せる形に変更した様子。変換ボードへの接続はLEDドライブ用のフラットケーブルにフラットコネクタをカシメる。製造メーカーのウェーブ電子さんには悪いが、7Segmentデータをフラットケーブルから横取りする事にした。当初はLED基板に半田付けして取り出そうと考えていたが、こうすれば基板のオリジナリティは確保できる。
しかし、こんな苦労しなくてもマニュアルのプリセチューンにすれば簡単にラジオは出来るのであるが、やはりこれは拘りと言うか夢である。
朝作業をしようとTEKTROの475に灯を入れたら何と表示が可笑しい。夏場に熱で高圧が落ちる現象があったので、カバーを外し高圧関係部品に付着したカーボン等の汚れを落とした。
これで長時間通電しても高圧はOKになったが、今度は写真の如く入力信号に関係の無い怪しい波形が重畳されてしまう。スキャン位置も中央上部から始まっており可笑しい。TRIGタイミングを調整すると何とか目的信号を見えるようになるが使い辛い事このうえない。
中を覗いて感ずることは、1971年製造で既に34年を経過しているが最高の部品で非常に丁寧に作られている。正直なところ見事である。またその作りは、電気的にも機械的にも大変勉強になる。ガラスエポキシ棒でケース奥のVRをフレキシブルジョイント経由で回したり、基板上の大型スライドSWをクランクロッドで巧みに方向変換して回したり・・・電気屋だけではとても出来ない仕掛けがあちこちで楽しめる。
最近のTEKTRO社をはじめとする測定器群はは確かに高性能になっているが、カバーを外してから目を楽しませてくれる製品は殆ど無くなってしまった。
Sep 30 2005 部品の購入
地方に住んでいて一番の難関は部品の購入だろう。東京や秋葉原近傍にお住まいのOM諸氏が大変羨ましい。しかし最近は殆どのパーツ店がネット販売に力を入れているので、地方で入手できない部品はこれに依存することになる。在庫があれば、夕方5時までにオンラインで申し込めば翌日に届く。ただ送料があるので、コストを意識するとまとめ買いやグループ購入などが必要になる。静岡市でもTTLやC-MOSの定番のロジックICですら揃わない現実があり、アマチュアハンドメーカーとして製作意欲を削がれるケースがままある。
写真はマルツ電波静岡店から購入してきた部品。当面「7Segment-BCD-D/A変換ボード」製作が中心となる。右手にあるやや大きめのガラエポ汎用基板に作り込む。右下のフラットケーブルは40芯で、中央のフラットコネクタを併せて7SegmentデータをLEDディスプレイから導く。左手にはICソケットやロジックIC、それに配線材料が見える。右手でトグロを巻いている黒ケーブルは1.5C-QEVでVFO出力の取り出しや分配に使う。本当は1.5Dが欲しかったが、残念ながら静岡店には置いてなかった。またフラットケーブルコネクタもこのレバー付きの大掛かりの物しかなかった。もう少し単純なので良いのだが・・・。マルツさんの奮起を期待したい。
これらにより、74C9155が届く前にボードを完成させておきたい。到着前は4BitのサムホイルSW等でデータを放り込み、生成されるDCを確認する。
Sep 29. 2005 フロントパネルイメージを修正する
作業が進んでくるとフロントパネルのイメージがどんどん変わってくるので、現在のイメージを書き出してみた。既にフロントパネルスピーカーは却下され、の部類も使途の決定に合わせ落ちていく可能性がある。こうした過程や経過も記録しておくと、気持ちや考え方の変化が後で確認できて面白いと思う。
Sep 28. 2005 7Segment/BCD→D/A回路を考察する
74C915の到着に併せて7Segment-BCD変換後の回路、すなわちA/D及び各桁の加算回路を書き出してみた。図をクリックすると拡大図になる。未だ基本的な部分しか書き込んでいないのであくまで暫定(TANTATIVE)である。
こうして回路図を描いていると自分のやろうとしている事がようやく具現化するような気がしてくる。LEDディスプレイボードからは40Pのフラットケーブルで7Segmentデータを直接取り出し、変換基板側はコネクタで受ける予定。またBCDの5桁分をバイナリに変換するのは大変なので各桁毎にD/A変換を行い、最終的にアナログ加算器で合成する事にする。D/Aもラダー型で、全体に極めて原始的で簡単な回路で構成する予定である。
昔のラジオ作りのパターンから見ると、一体何をやっているのかと尻を叩かれそうであるが、ラジオ受信機に対する考え方が変わったと言うことだろう。パネルデザインと高周波部品のレイアウト合戦があったものだが、ここではまるっきり無い。高周波はシャシの奥に仕舞い込み、機械制御はサーボで電子制御はデジタルで行う・・・と言い切りたいところだが、後者については回路やデバイスが未だ決まっていないので何とも言えない。でも四半世紀前のラジオとは全く違うものが出来そうだ。
Sep 27 2005 MM74C915のデータ入手
世界中のWeb-siteを探し回っていたが、この7Segment→BCD変換ICのデータが分からず苦慮していた。友人のJA2XCR/丸尾氏から今朝吉報が届いた。どうやら職場の古いNationalSemiconductor社のマニュアルで発見したようで、PDFファイルにして届けてくれた。図は早速切り出してGIFファイルにしたものである。
せっかくBCDから7Segmentに変換したデータを元に戻すなんてナンセンスのように見えるが、基板から離れたディスプレイ回路からBCDを得ようとする場合に有効だと思うのだが・・・。しかし後にも先にも世の中にはこの74C915シリーズしか出回らなかったようだ。今となっては74Cシリーズすら知らない人も多いだろう。内部を覗くと、入力は正論理で排他的論理和(EX-OR)ゲートを使い回路構成を簡単にしている。オーナーは単純なので、もし入手出来ない場合は全てDiodeMTXで作れば良いと考えていたが、こうすればダイオード数も激減出来そうだ。また出力はD-FFでLatchされているので使い易い。
とにかく丸尾氏に感謝である。Pin番号が分かったので、これで「7Segment→BCD→D/A→加算→DC出力」変換基板の工作に入る事が出来る。
それで肝心な74C915だが、CHINA_Shenzhenの"Anichip International Ltd"と言うディーラーと話がつき、本日国際振込み(送金)した。単価はUS$2.5で10個分と先方の手数料と送料含め\5Kだが、国際振込みなので破格なので紹介は控える。何しろクレジットカードはダメらしくて、メールによるやり取りを5回程やった。
Sep 25. 2005 DDS-VFO部のシールド
DDS-VFO部のシールドについては以前から気にしていたが、市販のアルミボックスを購入しその対策を試みた。DDS-VFOのRF出力レベルはそのままでも110Ωに1Vも供給できるので、大雑把にみて10mW(10dBm)ものレベルが2系統ある。またロータリーエンコーダやLEDドライブ等の配線も剥き出しになっている。このままだとかなりの不要輻射が発生するので、ある程度のシールドを施す必要がある。写真はLEADのアルミボックスPL-2(110mmx65mmx160mm)を使ってDDS-VFO全体を覆った様子だが、大雑把な採寸で買って来たにも関わらずベストサイズであった。ローターリーエンコーダやLEDとSW群を含めほぼ完全にボックスに収めるが、全面パネルのLED部やSW部からの輻射は「ゴメンナサイ!」とする。
それでシールドボックスには、VFO出力1及び2・周波数DC出力・電源が接続される。また周波数データをDC変換する基板もボックス内に実装する。なおボックスとDDS-VFO基板は未だ仮り置きで、ビス等による取り付けは行っていない。
Sep 24. 2005 S/VUメーターとフロントパネルのイメージ
17日に名古屋に戻った折に大須アメ横に立ち寄りメーターを探した。イメージに合うものが全く無く止む無く、結局中第一アメ横ビル1Fの国電子部品専門店で写真のメーター(DC1mA/JINGHUA社85C17型/\840)を買ってきた。
このメーターに決定した用件は・・・照明が可能、パネル面の出っ張りが少ない(Yamakiやシーメンス風で大好き)、固定が容易、四角穴のみで良い、価格・・・等である。ただ相変わらずの中国製でバリは微妙な寸法ずれがあるので慌てないようにする。またメーター目盛り版はスキャナーで取り込みSとVUを書き込んでオリジナル目盛版を製作する予定。照明は上部にLEDを取り付ける。S/VUの目盛は最終的に構成した値を書き込む。Sは相対値でVUはライン出力の絶対値にする予定。希望的にはもっと薄い形を探していたが、個人で細工するにはこれ位がちょうど良いのかもしれないと自分を納得させている。
まだ穴開けの済んでいないパネルに、メーターに見立てたボール紙やその他ノブとSW類を仮に乗せて見た。もうこの時点でフロントパネルスピーカーは外されている。メーターがちょっと大きいかと思っていたが、この配置だと意外とまともに見える。ノブやSW類も余り多くはしたくないので、とりあえずこれ位用意しておけば何とかなるか・・・なんて楽観的である。大分雰囲気が出てきたが、まだRF/IF/DET/AF/PSの回路など全く決まっていないので今後その都度変更があるだろう。
なおノブは、昨年第一アメ横ビル2Fのボントンで20個買い占めたモノだが、周辺にかかりがあって小さいが回し易い。ただこの辺りはレタリングも含めて全体の印象に大きく影響するので気分で変わって行くかも知れない。
位置が決まると作業は早い、早速メーターの角穴38mmx68mmを開けメーターを実装してみた。出っ張っているのも時として良いが、私はこのような埋め込み型が好きだ。固定にはナット等不要で樹脂製のロックを起こして行う。内側にLEDや豆電球を灯せばパイロットランプと兼用でメーターの照明になる。メーターの背面には「1級」と読み取れるシールが張ってあるが本当だろうか。実はこのメーターの位置は実に悩ましい。フロントパネル左右の再端部品からのクリアランスから言うと、右側に準じて15mm程度開けたいところであるが、埋め込み型でパネル上の重みを余り感じないため11mmとして左に寄せてみた。この辺は全く趣味の世界である。S/VUの切り替えは当初ローターリーSWを考えていたが、小型のシーメンスキーを使うかもしれない・・・メーターの内側への出っ張りが60mm程度あるからである。
Sep 18. 2005 LEDディスプレイから周波数データをBCDで取得する考察…その2
7Sgment→BCD変換ICの74C915をワールドワイドに捜し求めるがいっこうに進展しない姿をみて、丸尾氏(JA2XCR)がPLDの活用を勧めるメールを送って来られた。
私はICが入手できない場合は簡単にDiodeマトリクスでも組んで変換してやろうかと考えていた。しかし最近の技術者はそんな面倒な事はせず、ProgramableLogicDeviceを使いソフト
開発により目的を果たしている。趣味の世界だから手法は問題ではないと言っても、これは見過ごす訳には行かないと、丸尾氏からのメールや資料で強く感じる次第である。
今まではメーカーさんや特殊な人たちの隠し芸風に捕らえていたが、ロジックICが入手できずPLDに置き換えられてしまうと、自称アマチュアHandMakerも黙って見ている訳には行かなくなってしまったのだ。
図は丸尾氏設計によるCPLDによる7Segment→BCD変換回路でクリックすると拡大する。また同じく流し込まれるソフトウェアであるテキストコードとシミュレーション結果をPDFファイルでご覧いただける。
なお世界的にPLDを供給しているALTERA社サイトには関係する情報や各種ツールが無料で用意されている。
回り道のようではあるが、殆どの機械がコンピュータ化しプログラムで動く時代に対抗するためには、かつてのラジオ少年達もこうした技術を身につけたいところである。丸尾氏に感謝!である。
Sep 12. 2005 LEDディスプレイから周波数データをBCDで取得する考察
ウェーブ電子のDDS基板からは、周波数データが出力されていない。代表のT氏にお尋ねしたことがあるがそこまでは考慮していない模様だ。それではと言うことで回路図を検討してみた。
本体DDS基板からLED基板へはバイナリーコードと思われるD0〜D3の4Bitのデータ線と分配用(デマルチプレクス)と思われるA〜Cの3Bitのデータ線が渡っている。当然だが、7セグLED8桁分の表示を全てパラレルデータ伝送でやったら線数が増加してしまい大変な仕掛けになってしまう。そこで一般にはダイナミックドライブと称して、同じデータバスに各桁のデータを時分割多重し、受け側で順番に取り出す事で元データを再現している。
と言うことで4Bitの「数字データ」を3Bitの「桁データ」でデマルチプレクス&ラッチすれば、元の数字データがバイナリーで取り出す事が出来そうな気がする。但しドットデータがどうなるか・・・ICや7セグLEDの規格を調べれば分かりそうだが・・・何方かご存知の方いらっしゃいませんか?。
周波数データがバイナリー(BCD)で取得できれば、D/AコンバータとOPアンプにてサーボ制御電圧を生成する事が出来る。しかし前述T氏のその後のメールでは、データはLEDコードなのでかなり難しいと追伸して来られた。
その後(Sep13)、74C915Nが7セグ→BCD変換ICである情報を山形のY氏から頂戴し、原始的にLEDから取り出し変換する方法に興味が移っている。
Sep 11. 2005 LEDディスプレイ表示とエンコーダテスト
DDS-VFO基板に通電しスモークドアクリル板の奥で光るLEDの状態を確認した。またフラットケーブルを製作し光ロータリーエンコーダによる周波数可変も確認した。写真はその模様であるが、まずまずの動作を示していると言える。なお基板についてはむき出しは好ましくないので金属ケースに収め、フロントパネル背面にLED基板やロータリーエンコーダ、それにSW群のシールドも兼ねて取り付ける予定。
表示されている周波数が出力されているが、シャックのIC-756でクリアなシングルトーンを確認することが出来る。
Sep 10. 2005 フロントパネルにVFO関係部品を取り付ける
久々の休日、意を決してVFOのノブやSW、それにディスプレイをパネルに取り付けた。まず今までのイメージを固め、平面のレイアウトを確認するために型紙を作る。それをパネル上に並べ全体のバランスを考慮しながら位置調整を行う。位置が決定したら、罫書き作業に入る。このケースのパネルにはビニールシートが掛けられているので、剥がさずボールペンで書き込んでいく。罫書きの精度で美しさが決まってしまうので慎重に行う。写真はその様子。部品のサイズ等、間違いが生じないように現物を確認しながら行うと良い。
罫書きが終了したら、要所にポンチを入れる。このポンチ打ちで基本的な精度が決まってしまう。今回のSWはMIYAMAN製DS802PS/14mmx14mm(内径12mmx12mm)なので、中央に丸穴を開け、ヤスリで目的サイズまで開いていく手法をとった。丸穴は10mmが適当であるが手持ちのドリルは直近で8mmのため、ヤスリがけは良い運動になった。なおこのスイッチには12V豆電球がプラグインされているが、回路の関係で駆動が難しいので小型のLEDに交換する。
LEDディスプレイウインドウは小穴を開け金ノコを差込み切り出す。写真右は園様子だが、はやる気持ちを抑えきれず、手前にはもうSWがハメ込まれている。削りだされた金属粉には十分注意する。右下は光ローターリーエンコーダのシャフト。
左は開けたウインドウに裏側からLEDパネル(基板)を取り付けてみた。LEDパネルに開いている3mm穴を利用し、そこに10mmの金属スペーサーを取り付けパネル背面に合わせると、LED面がパネル面より1mm程度沈む。同じ面ににしたいのならスペーサーの高さを調整すればよいが、後述するアクリル板の効果でそのメリットは余り無い。左右に隙間が有るが・・・これは特に意味はない。右は最終的にアクリル板(三菱アクリルライト・スモーク透明)33mmx138mmx3mmをLEDウインドウに取り付けた様子。
メインダイアルに指を掛けると良い感じで回転する。未だ罫書き線が残り工作の跡が生々しいが、中々決まっている・・・と自己満足!。
Sep 4. 2005 再びフロントパネルイメージをデザインする
使用予定のケースには、パネルの周辺に黒のトリムがあるのでこれも書き込んでみた。大分雰囲気が変わってくる。メインダイアルの位置は中央も良いが、個人的には右端が気に入っている。
下側の図はVFOコントロール釦を縦2列にしてみた。LEDディスプレイ幅とパネル高さの比率から見て、この方式が一番収まり画良い気がする。未だイメージだけの話だが、書いていて楽しくなる。これもRCサーボにより、VC等のシャフト位置を気にしないでデザインできるメリットであろう。昔は考えられなかった。何しろRF的なVCの位置とパネルデザインは、いつも闘っていたような気がする。
Aug 30. 2005 フロントパネルにVFO関連部品を並べてみた
VFOの制御を行うSW群を決定した。当初はもう少し大き目のSWを予定していたが、並べてみるとディスプレイの横幅に収まらないため、最終的に10mmx10mmの角型押し釦SW(自照式)とした。
写真左はイメージ作りのために、そのSW群とメインダイアル、それに7セグメントLEDディスプレイ基板をパネル上に並べてみたところ。自照はランプが内蔵されているが、DDS-VFOはLEDドライブとなっているので場合によっては白色のLEDに交換するかも知れない。写真右はDDS-VFOの制御SWをメインダイアルの左右に並べてみた様子。どちらが良いか?・・・メインダイアルを中央に配置するなら後者、見に端に配置するなら前者だろうか・・・全く好みの問題である。
Aug 29. 2005 再びフロントパネルイメージをデザインする
VFO選択表示LEDを選択釦に収め自照式にする等、一部追加修正した。メインダイアルと周波数表示部を右端にレイアウトしたものと、中央にレイアウトしたものを書いてみた。同じ機能・色でもイメージが全く変わってくるのが面白い。好みもあるが、中央に配置した方がバランスが良く感じる。またメインダイアルも完全に中央にして、四角ボタンを縦又はダイアルの左右に配置する方法もある。また、工作を楽にするにはメインダイアルをLEDパネルの中央に配置し、SW群を左右に縦方向に配置する手もある。この辺は全くの個人的な趣味の世界であるが、パネルに配置される他のノブ類との関係もあり、全体を見ながら決定する必要がある。
Aug 28. 2005 ECV-3DX18に3mm(ISO)タップを立て直す
プリセレクタチューン用周波数直線VC(松下電器ECV-3DX18)に3mmのISOタップを立て直した。このVCは昭和40年前後の製造のため、当時の3mmネジは旧JISネジだった。オーナーがラジオ作りを始めた小学5年生(昭和40年頃)は全てこのタイプであったが、中学2年の頃からISOネジが国際規格として一般化し、現在のJIS規格になっている(多分)。
このままだと細工が面倒になるので、思い切って現在の3mmネジを切った。写真左はVCとハンドタップの様子であ。右にあるビスはVC付属の旧3mmネジで「マイナスネジ」と言うのが時代を感じさせる。また松下電器の松葉△マークも懐かしい。なおこのECV-3DX18は、周波数Max/Mini比を2.35に設定した時に回転角度に対する周波数変化量が直線(一次)になる。写真右はRCサーボを金属スペーサーでVCに固定し、PWM基板から駆動テストをしている様子。基板のVRを回すとシューンと音を立て、心地良くVCローターが回転する。なおスペーサー取り付け位置とVCシャフト間のサイズは、幸運にもRCサーボのそれとほぼ同サイズであった。
RCサーボをECV-3DX18に正式に固定する
RCサーボを正式にVCに固定する。3mmネジのスペーサーではやや心持たないので、思い切って4mmネジx30mm長のスペーサーを使用する事にした。固定はスペーサー1本で行う。このためにVCの取り付けビス穴の1ヶ所を4mmタップで切り直した。またVCシャフトを約8mm切断し、30mmスペーサーにアジャストさせた。スペーサー長が不足の場合は4mmワッシャをスペーサーのVC側に挟み込む。RCサーボは4mmのスプリングワッシャ&ワッシャ付きビスでスペーサーに固定する。写真はその様子である。シャフトカップリングは真ちゅう製であるが、将来はフレキシブル型に変更予定。但し殆どガタや芯振れが無いのでこのままにするかも知れない。
Aug 27. 2005 フロントパネルイメージをデザインする
話があちこちに展開する。イメージ作りのために、フロントパネルをデザインしてみた。ノブに出す項目は今後未だ変更の余地がある。例えばメインダイヤルや周波数ディスプレイは中央に持ってくるかも知れないし、IF-SHIFTとかAUDIO-FILTERやRF-ATTの追加も考えている。AGC切り替えも単独にするかFUNCTIONに含めるか・・・考えていると楽しくなる。スピーカーは外部の方が・・・と思ったりもするが、受信機単体で音が出せた方が何かと便利であろう。スピーカーにはFOSTEXのFEシリーズを木製バッフル板に当てて使う予定。ミュージックとよりボイス(トーク)が自然に聞こえるようにしたい・・・ダイアトーンののP-610の感じで。メーターはSとVUを振らせる。RF-PRESELは左回し切りでAUTOに切り替わり、その他の位置でMANUAL-TUNEとなる。
上図はEcxel上にイメージを描いた例で、下図はそれに色をつけてみたもの。高級な作画ソフト等必要なく、こうして表計算ソフトでイメージを作成し安い作画ソフトにCopy&Pasteして画像ファイル化している。やっていると楽しくなる。
Aug 26. 2005 RCサーボ駆動PWM回路
先にテストしたPWM回路を書き出してみた。回路は前述東京高専の松林氏設計の回路をベースにしているが、可変範囲等の定数は使用目的に合わせ変更してある。OPアンプの基準電圧側はHi-Zになるのでなるべく電源Zを低めに取り、セラミックコンでバイパスしRFの影響を軽減させる。
現状では基準電圧をVRで供給しているが、最終的にはVFO周波数データをD/A変換して制御DCを作成し、バンドごとに係数を掛けた電圧を供給する。この関係が一次関数で保つ事が出来れば容易にVFOとRF同調のトラッキングが取れる。
Aug 20. 2005 RCサーボシャフトの修正
昨日プラスチック製ファイナルギアに6mmΦx5mmの真ちゅうスペーサーをナベビスで締め付けたが、ナベ部分の突起が何とも無駄に思えた。スペーサーに皿揉みを施し2.6mm皿ビスで締め直してみた。もともとスペーサーの内径は3mmビスが貫通するサイズなので3.1〜3.2mmあるはず。ナベビスだとセンター合わせが厄介だが、皿ビスならその特性から自分でスペーサーのセンターを決めてくれる。写真は皿ビス処理を施したスペーサー部。
余談だが、このような作業をしていると自作仲間から声が掛かって励みになる。また無線とは無関係の方にも興味があるらしく助言のメールが届いたりして楽しい。
またここ数回の書き込みをご覧になって、一体何が始まるのだろうかと疑問を持たれるラジオ製作好きの方もいらっしゃるかも知れないが、夢はシングルノブによるフルトラッキングにあります。R-388やR-390A等がメインノブに連動したギアとカムでRF同調を行っている手法を、RCサーボと制御電圧及びそのカーブで行おうとしているものです。
Aug 19. 2005 RCサーボシャフトの検討
RCサーボのファイナルギアにはスプラインが切り込まれている。また突き出し長が4mm程度で短いため、無線で使う6mmΦのシャフトカップリングでは噛み合わせ良くない。それで近所の模型屋さん(静岡市葵区佐野模型)を尋ね、6mmΦシャフトに変換する小物が無いか探したのだが、出来あいの製品には見つける事が出来なかった。それで何とか工夫できないかと考えた。
写真はMiniStudioのRCサーボ「RB303」。プラスチック製ファイナルギアの軸に穴が開いている事に目をつけ、6mmΦx5mm真ちゅうスペーサーを2.6mmビスで取り付けた様子。スペーサーはビスで抑えられているだけなので回転方向の加重は余り期待できない。しかし仮にカップリングの締め付けがファイナルギア部分の端であった場合、シャフトが構成されているのである程度の締め付けが期待できる。
これ以外の方法として、スプラインと金属スペーサーの接合面を凹凸に加工して勘合させるか、ファイナルギアに金属製(真ちゅう)のRCサーボを選び、金属スペーサーをファイナルギアにロウ付けする手もある。或いは製造メーカーにお願いしてスプラインを止め、かつシャフト長を10mm程度に伸ばしてもらうか・・・。
Aug 17. 2005 RCサーボ回転角度と制御電圧の関係
試作したPWM発生基板とRCサーボとの関係が如何ほどのモノかテストした。すなわちPWM基板を制御する電圧と実際にRCサーボが回転する角度との関係である。テストは分度器をRCサーボのシャフトに固定し、回転した角度を読める環境を作る。分度器は文房具が手元にないので金属加工用の分度器&スケールを分解して使用した。また角度が読めるように木のブロックに矢印を書き込み分度器の周辺に固定した。
この環境で10度ずつ変化させるために何V必要だったかを測定しグラフに書き込んでみた。測定環境がむき出しでやや周辺のノイズを拾う程のラフデータではあるが、測定カーブはほぼ1次関数で推移している。これなら周波数直線VCと接続した場合、電圧レンジを設定するだけで希望する同調幅を決めることが出来そうである。
Aug 14. 2005 PWM発生基板を試作する
RCサーボを駆動するためにPWM発生基板を試作した。基板は知人である東京高専の松林氏から提供して頂いた物である。回路構成は矩形波発生にタイマーICの555、矩形波→三角波変換の積分回路はオペアンプ358、三角波→PWM変換には358のコンパレータでまとめている。なお555の6番ピンには積分波形が出ているのでこれを使う手もあるが、時間に対する変化量がリニアではないため注意が必要である。
写真左はMiniStudioのRCサーボ(RB303)にVC(松下電器周波数直線VC/3DXC-18)を直結した様子。VRを回し制御電圧を可変するとシューンとギアが音を立ててVCが回り、見ているだけで楽しくなる。マブチモーターとタミヤのギアボックスの模型少年だった頃を思い出す。この光景を見ているだけでリニアアンプのチューニングに直ぐ流用できると感じ、次はこれでやってみようと思った。右は組みあがったPWM発生基板。穴は全てスルーホールメッキが施されており安心してハンダ付けが出来る。
Jul 31. 2005 メインダイアル周辺のイメージ
メインダイアル(VFO)周辺のイメージを固める。ウェーブ電子のDDS-VFO-KITは、基板の周辺にメインダイアル(光ロータリーエンコーダ)とLEDディスプレイに、それに7個のSWと3個のLEDランプが配置される。図はそれらを配置してイメージ固めをするものである。オーナーは右利きなので右側にメインダイアルを配置し、SWやLED群は左手に置いてみた。ダイアルの操作やスイッチ類の操作は右手の人差し指を中心に行う事になる。色目は最終的にはもっとメタリック調にする予定であるが、何分にも気分なので最終値は今からは分からない。
周波数構成は未だ決めていないが、上側局発(VFO)のシングルスーパーが一番簡単であろう。VFOの周波数データからプリセレクタサーボがバンド切り替えとVCチューンを自動的に行い、常にトラッキング制御をとる様にする。バンドSWは設けず、VFOの周波数可変にのみ依存する方式である。・・・だが心配なので、念のためマニュアル操作も出来るようにする。
これ以外のノブとして、基本的なATT/RF/AF/AGC/S&VU-Meter/IF-Width・・・と考えているだけで楽しくなる。
Jul 27. 2005 シルバーパネル届く
東京ラジオデパートのSS無線からシルバーパネルが届いた。実は昨日留守中に届いていたのだが、自宅での受け取りが時間の関係で難しいため職場に配達してもらった。変わりにブラックパネルを届けなければいけないのだが、上京する予定が無いため郵送か宅配しようかと思っている。
写真は早速パネルをセットしてメインダイアルとディスプレイを試しに乗せてみた様子。好みの問題だと思うが、個人的にはブラックパネルよりこのシルバーの方が好きである。こうしてパネルイメージを作り上げ固まったところで罫書き作業に入る。S/VUメータ、スピーカーは?、その他ノブは何を出すか・・・考えるだけで楽しくなる。
Jul 24. 2005 RCサーボについて
RC(RadioControl=通称ラジコン)サーボの動作について説明する。RCサーボには写真に示すように3本のリード線が出ており末端はコネクタ処理されている。このインターフェイスは業界標準でメーカーが違っても基本的な動作は同じである。但し細部にわたる部分はこの限りではない。3本のリード線の内一般に黒がコモン線(-)、赤が電源(+)、白が制御線である。このうち電源は一般にDC4.8〜6Vを与える。但しメーカーによって考え方が違うので細部はメーカーのデータを参照のこと。信号線は制御用の信号をコモン線に対してプラス電位で与えサーボ出力を±90°可変することが出来る。どのような制御信号を加えれば良いかを図に示す。一般に低周波(50〜100Hz)周期のパルス信号で、パルス幅を可変することで制御が実現する。無線的に云うならPWMである。ニュートラル(中心)となるパルス幅を中心に0.5msのパルス幅変調を行えば±90度の可変出力が得られる事になる。なおこの方式は状態を保持するために常に制御信号を入力する必要があるのでDCサーボモーターとは取り扱いが違う。
この後PWMした制御信号の発生回路を製作しRCサーボの駆動テストを行う。制御回路は余り複雑にしないで、電圧制御(VR)により低周波周期のパルス幅を可変する回路を作る。したがって見た目はVRを回すことによりサーボの位置が自由に可変できる事になる。
しかしそんな面倒な事をしなくても、もっと良く探せば同じ形をしたDCサーボがあるのかもしれない。そうするとこれは格好の駆動装置になるのだが・・・例えば0〜5V入力で180度展開するような。どなたかご存知ありませんか?。
Jul 23. 2005 ケース到着するが・・・
東京ラジオデパートのSS無線から注文しておいたタカチのケース(MS-133-43-35B/MSC-43-35)が11時過ぎに届いた。早速組み立てたがフロントとリアパネルが黒のアルマイト処理してありイメージと違う。その旨をSS無線に連絡するが話が複雑になりそうだったが、結局シルバーのパネルを26日に発送してくれることになった。黒塗装でシルバータイプは末尾がBではなくBSのアルファベットが付くらしい。ちなみにグレイ塗装でシルバーパネルはGが付く。こちらのパネルは上京した折に届ける事でOKとなった。黒パネルの方が高価なため、送料を含めても出費は\150程度で切手でも良い旨の連絡が後で入り丸く収まった。SS無線さんの心遣いに感謝し、御礼のメールに当サイトのご案内を記した。
写真は取り敢えずくみ上げたケースとためしにメインダイアルとディスプレイを乗せて見た様子。
Sep 23. 2004 ウェーブ電子のDDS-Kit製作
広島のウェーブ電子に依頼してあったDDS-Kit(Digital Direct Synthesizer)WH-002SHG-1が宅配便で届いた。
Kitには「DDS」の他に「LED表示器」も含まれる。DDSには機械式ロータリーエンコーダが付属しているが、オプションで光エンコーダも購入。写真は組みあがったDDS基板とディスプレイ基板、それにウェーブ電子提供の裸の出力特性。出力特性の高調波は-60dB以下で、その他ノイズフロアは-85dB以下と非常に良好である。LPFと周波数設定を考慮すればノイズフロア-90dBの局発が出来そうである。
このKitは現在棚上げ状態になっているジェネカバ受信機のVFOとして使用する予定。早々に製作に取り掛かったが、少しは部品が取り付けてあるのかと内心期待したが、取り付けてあったのはANALOG DEVICESのDDSチップAD9851BRSのみであった。作業は、カラーコードや数字コードの読み方を知らないと一々変換表などを見る必要があり時間がかかる。またある程度回路図が読め工作経験がないと完成はちょっと辛いかも知れない。半田ゴテは15W程度のもので十分。それにしても1.25mmピッチのICパッケージの半田付けは中々スリルがあって楽しい。Test&DataコーナーにDDS製作記をアップしたので詳細はそちらを参照されたい。
ここから以降は、未だ方針が決まらなかった頃に書き出したページです。そのまま使える部品があったり、また無かったりします。
May 21, 2002 TRIO OLD 455KHz IFT & 3.5-10MHz COIL
オールドファンには懐かしいTRIO(現KENWOOD)のT-38(455KHzIFT)と、高1中2スーパー受信機用コイルS-B(3.5-10MHz)。友人の外岡氏/JF2KTVより届いた。コイルは目的に合致しないが、430PFの3連VCと組み合わせれば所定の周波数のシングルスーパーが出来る。IFTは455KHzなので色々な用途が考えられる・・・通常のIFT、BFOの同調、リング検波器etc。
May 12, 2002 Presetable Frequency Counter Checked
周波数カウンターKitを製作・チェック。カウンターに3,550.0KHzのキャリアをPC-VFOより入力し、動作確認する。写真の様に程良いコントラストで周波数を表示してくれ、まずは大成功。
周波数のオフセット設定は基板背面のスイッチで簡単にできる。SW-Aを押しながら電源を入れると設定モードに入る。SW-Aを一度離しトグルで減算/加算の「±」設定、SW-Bで桁送りしSW-Aで数字設定後最後は「KHz」に桁送りしSW-Bを押して決定、SW-Cは操作中のリセット。測定信号が無くなると設定した周波数が表示される。
こうした物が20年も前にあれば、もっと自作受信機の製作に拍車がかかった筈と勝手な想いにふけっている。アマチュアの製作意欲をくすぐってくれるKitを出してくれた(株)アイ・ユー・エスさんに感謝です!。
May 11, 2002 Presetable Frequency Counter
周波数カウンタKitを取り出す。昨年のハムフェアで入手した(株)アイ・ユー・エスの「周波数表示カウンタKit V3」の確認をする。半年間何もしないで放置してあったモノ。このカウンターは周波数を計るだけでなく、IF周波数をプリセットして測定周波数をオフセット表示してくれる。シングルスーパー受信機なら、局発周波数を測定して、表示を受信周波数にする事が簡単に出来るスグレモノ。最小表示桁は10Hzまで。これにより周波数ダイアル等の、機構部分の作りが随分と楽になる。便利な時代になった。
Apr 30, 2002 Dial Knob
メインチューニングに使うウェイトノブを入手した。硬質アルミを削りだしたもので重量感がある。直径は70mmでシャフト穴は6mmである。指の引っ掛けも付いており、なかなか気のきいたノブである。これを回しながらVOAやBBCを聴く・・・夢だけは既にワールドワイドに広がっている。
Apr 4, 2002 Linear Scale Variable Capacitor
まだ構想段階です。昭和50年(1975年)頃、静岡市の岩崎ラジオ(現在も同じ場所にあります)で、店で売れ残った松下電器の周波数直線VCを全て買い込んだ(右)。余談だがその時の店員は内田さん・・・今頃どうしているだろうか?。VCはECV-4DX-18(RF&AntiqueGoodsコーナーに掲示)と称する180PFもので、4DXは4連、3DXは3連だった。私はこのVCの大ファンで、当時430PFを使った製作記事が多かった中で異色だった。このVCは正確には187PFで、fmax/fmini比を2.35にとると、その間の周波数スケールが直線(ダイアル回転角度に対する周波数変化量)になる特徴があった。
その後友人のJF2KTVからボールドライブ付のギアメカ(左)を譲り受け、何時か日の目を見させてやろうと心に誓っていた。
四半世紀以上経った2002年、このVCと高回転比のギアメカ、それにデジタル周波数カウンター、DBM、PC-DSP等々を組み合わせて、今でも通用する受信機を作ってみたくなった。
具体的な作業には未だ入れないが、徐々に作業を始める予定である。