SG-230に取り付けたCMF


ATUでチューニングをとったとしても、あくまで同軸の芯線とシールドの内側との関係のみです。垂直系のアンテナでは、同軸ケーブルのシールド側につながる物全てが、アンテナの一部として動作する可能性がありますので、チューニングがとれSWRが良好でも安心できません。シールド表面に高周波が流れ込んだり、ラジアルになって定在波が立つことがあります。

そうなると、送信中にリグの金属部分に触れたら感電したり、マイクアンプに高周波が回り込んだり、或いは他の電子機器に侵入したりします。

こうした現象を回避するために、ATUの入り口にCMF(CommonModeChokeFilter)を挿入します。

写真は当局がSG-230に入れているCMFです。分割型のフェライトコアにケーブルを巻き付け、アロンアルファでコアをつなげてあります。ここで大切なのは、同軸ケーブルばかりでなく、制御ケーブルにもCMFを入れるという事です。写真のケーブルは同軸の他に、制御線と電源線が同梱されたものです。

これを2段組み込んでおり、アンテナ側のグランドとシャック側のグランドを、高周波的に遮断しております。このCMFによりTVIなどのインターフェアにかなりの効果があります。

考え方としては、バランにより回路を浮かせ平衡状態を作り、アンテナ側とシャック側に独立したグランドを取れるようにしていると言えます。アンテナそのものの整合に併せ、同軸表面のアンテナからの分離(グランドループ遮断)がポイントです。また、送信機側にもCMFを入れれば更に安定な動作が期待できるのは周知の事実です。


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