SGC-230用スマートロック(SmartLock)の製作
米SGC社のSG-230とそのシリーズのATU(Automatic Antenna Tuner)は、非常にインテリジェントなアンテナチューナーで国内ユーザーもかなりの数に上ると思われる。このチューナーを使い出すと勝手にチューニングを取ってくれるのは良いのだが、以下の機能が欲しくなる場合がある。
@チューニングを保持したい
A意識的にチューニングをやり直したい(Reset)
SGC社では既にSmatLockと称する上記機能を発揮するリモコンを発売している。ところが大した回路でもないのに以外と高価なため購入を渋る向きも多いように思う。そこでこうしたSG-230ユーザーのために、敢えて自作に挑戦したので以下に紹介する。
(1)回路構成
SG-230の英文マニュアルP34にSmarelockの回路図が記されている。左にコピーを掲示する。一見複雑そうに見えるが、左図の赤枠部分のQ1:2N2222とD1:1N575及びR3:330は9Vのシリーズレギュレータを構成しているだけなので、この部分を78M09等の3端子レギュレータに変更する。すると下図の如く部品点数も減り思いの他回路が簡単になる。掲示はやや不鮮明なので回路を書き直してみた。
(2)ボックス内部構成
手前に4芯のシールド線がブッシング経由で直引きされタイラップでクランプされる。シールド部は筐体に3端子レギュレータと皿ビスとナットで共締めされる。ケースはTAKACHIのアルミダイキャストボックスTD 5-8-3B(55x30x80)を使用している。回路はNormal/Lockスイッチ(2極双投)を中心に、TunedLED(Green)、LockLED(Red)、Resetスイッチ(Make接点)、3端子レギュレータへ配線される。なおここでは問題が無いので回路図上にあるパスコンC1〜C3は省略している。極めてシンプルな作りである。これを見れば作ってみようと思われる方も多いのではないかと想像する。
(3)ボックス概観と運用
レタリング前の概観である。送信してチューニングが完了してTunedLED(Green)が点灯する、その状態を保持するためにNormal/Lockスイッチを右のLock側に倒すとLockLED(Red)が表示され、SWR等が変動しても再チューニングをしないようになる。
スイッチをNomal側にに倒せば通常の運用状態、すなわちSWRやバンドが変わると自動的にチューニングを開始する。チューニング完了後もRESET(赤)ボタンを押せばチューニングが解除され、送信すれば再チューニングされる。これがないとチューニング時に毎回電源を落とす必要がある。
オリジナル・スマートロックの改修
SG-230とSmartLockとの間は前項の回路図にある内容の接続がなされる。ところが、電源の供給はSG-230にもSmartLockにもない。そのために普通は両者の接続点に電源を供給する。几帳面に接続ボックスを作れば問題は無いのだが厄介。どうもモノグサノ私には途中から電源を供給するのが好きになれない。それでSmartLock側にDC-Jackを取り付けDC12Vを供給できるように改修した。この際、制御線の空きを使い屋外のリレーをON/OFFできる系統も設け、SmartLockにトグルSWを取り付けた。この方式でアンテナエレメント直下でデルタループとバーチカルを切替、アパマン運用でDXを楽しんだ時代がある。
ちなみに前項で紹介している自作SmartLockはその後DC-Jackを取り付け運用性の改善を図った。
(4)改修したスマートロック概観
改修内容・・・
@SG-230(ATU)及びSmartLockへの電源供給をSmartLockで行なう
SmartLockボックスの下部にDC-Jackを取り付けDC-12Vを供給する。SG-230への制御及び電源コードはストレートで行なえ途中で細工する必要がなくなる.
A外部リレー制御SWの取り付け
SmartLock操作面の空きスペースにトグルSWを取り付け、ON/OFFでDC12Vを閉開し外部リレーを制御する。垂直系と水平系のアンテナを切り替え目的にマッチした運用が実現する。
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